さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

 さくら進学塾のホームページ に進学コラム特別編「公立上位校受験は普通の高校受験とは違う」を掲載中です

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580.入試までの日程

こんにちは、さくらです

今年は多忙のため公立上位校受験の手引きを発行しないことにしました。
冊子としては発行しませんが、原稿は書いているので、随時、進学コラムにあげていきたいと思います。
今回はその1回目「1.入試までの日程」です。


1.入試までの日程

《私 立》 
12月15日から  入試相談開始
1月17日から  県内前期入試   
2月15日から  (県内後期入試)   
  10日から  都内一般入試     

《公 立》         
2月9・10・12日   願書提出
  17・18日   志願変更
  24・25日   学力検査
3月3日  追検査
  5日  発表


こんにちは、さくらです。
ご存じのように2021年は公立高校の入試に大きな変更点があります。
今まで前期・後期の2回で行われていた入試が1回のみの選抜になります。
職業科中心に行っていた推薦入試が全校実施になり、上位校でも推薦・一般という形で2回入試が始まったのが1997年(まだ20世紀!)ですから、実に四半世紀ぶりの1回入試ということになります。

今年は新型コロナで学校が長期休校になり、勉強への影響も少なくないでしょうから、入試制度の変更と相まって受験生の志望動向にはそれなりの変化がありそうです。
(もっとも、県千葉や県船橋など最上位校は、無謀な挑戦が減るだけで大勢に影響はないでしょうけど)


前置きが長くなりましたが、2021年入試までの日程を確認していきましょう。
12月15日から私立高校で入試相談が始まり、安全校の合否はここで確定します。
入試相談は学校の先生が勝手に行くものなので、2021年入試は生徒・保護者の知らないうちに12月中旬から始まります。

入試相談とは、中学校の先生が私立高校に赴き、受験予定の生徒の成績を提示して合格の可能性を相談するものです。
とはいっても、あらかじめ合格基準(合格に必要な成績)が中学校側に伝えられており、中学校ではその基準をもとに三者面談を行っています。成績の足りない生徒は三者面談ではじかれているはずなので、相談といってもほとんどの生徒は問題なく合格の約束をもらえます。

後の私立高入試のところでも書きますが、千葉県内の私立高校には「入試相談で合否が決まる高校」と「学力試験で合否が決まる高校」とがあります。
このうち「学力試験で合否が決まる高校」は私の知る限り10校しかありません。
その10校以外の私立高校では入試相談で中学校の成績(ふつう中3の12月段階の成績)によって合否が決まります。
公立高校が第1志望の場合は、入試相談のある私立高校は併願での利用となり安全校の位置づけになります。
(入試相談では併願と単願とで基準が異なり、併願は単願より基準点が少し高くなります)


冬休みが終わると10日で私立入試が始まり、40日近くにもなる長い受験期間に入ります。
(今年は冬休みの日程も中学校や自治体によってバラバラなのかもしれませんね)
千葉県の私立高入試は前期と後期の2回ありますが、上位校(入試相談のない私立高)は全校で後期を廃止しているので、上位生にとっての県内私立校入試は1月17日からの前期のみといってよいです。(そのため上の表では県内後期入試に( )をつけています)

公立入試が2月13日から24日に10日ほど遅くなったので、私立入試も繰り下げてくれると受験生には勉強時間を確保できて助かったのですが(ただでさえ今年はコロナで勉強時間が減っていますし)、実際には後期の日程を10日繰り下げて2月15日からにしただけで前期は変更なしでした。
上位生には後期は関係ないので、どうせ下げるなら前期を下げてくれたらよかったのにと強く強く思います。

そんなわけで上位生にとっての私立高入試は1月17日から始まり、前期は3日間で終わるので、都内私立を受験しなければ公立入試の2月24日まで1か月以上ぽっかりと時間が空くことになります。
県内私立前期の後、1月22・23日あたりに都内私立のB推薦入試があります(B推薦とは併願推薦のこと、東京では推薦は第一志望しか認められていないのでB推薦は都外生のみが対象です)。都内私立を安全校にしておくと、県内が先にあるので県内の結果によっては安全校は棄権してしまうことができます。
また、3日間しかない貴重な県内入試を安全校で取られることがなくなるので、県内私立をかなり自由に受験できます。
(例えば17日市川、18日昭和秀英、19日渋谷幕張、安全校は都内、という強気の受験も可能です)

都内一般入試はほとんどの公立上位校志望者には縁がないでしょう。
千葉から通えそうな都内進学校の選択肢は非常に少なく、男子は開成・巣鴨、女子は豊島岡くらいです。
(男子は本郷があったのですが2021年から高校入試を停止、豊島岡もまもなく高校入試をやめます。千葉の受験生にとって都内の存在意義はさらに減りそうです)


公立の願書提出は2月9~12日です。
願書を出すのは2月に入ってからですから、あまり早い時期に(例えば11月の三者面談で)公立の受験校を確定する必要はありません。
早い時期に合格できそうな学校に決めてしまうと、安心して実力が下がります。
その結果、志望を下げた学校なりの実力になっていきます。最悪の場合、下げたはずの学校に不合格になることもあります。
受験生にとって安心は最大の敵です。

試験日は2月24・25日です。
1日目は英数国の試験、2日目は理社の試験と学校設定検査を行います。

入試が1回になったことにともなって、当日に体調不良で受験できなかった生徒を救済するため、3月3日に追検査が行われます。
追検査は1日で5教科すべての試験を行います。(学校設定検査は学校ごとの裁量で実施しないこともあります)
追検査の受検には医師の診断書などが必要になります。
注意したいのは、本検査を一部でも受検した人は追検査を受検できないことです。
つまり、本検査の1日目を普通に受検し、2日目に体調が悪くなって欠席したというような場合は追検査を受検することはできません。
あくまでも本検査を2日間とも受検できなかった場合の救済措置ということです。

本検査と追検査を合わせて3月5日に合格発表が行われ、2021年入試が終わります。
公立でも私立でも二次募集はありますが、上位生が望むような高校では行われないと思った方がよいでしょう。


千葉県の高校入試は1月中旬に私立入試、2月下旬に公立入試と時期が分散しています。
冬休みから私立入試までは私立向けの問題演習に集中し、私立が終わってから公立向けの最終チェックをしても十分に間に合います。
公立入試が1回になって時期ごとの勉強計画は立てやすくなったといえるでしょう。


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579.県内私立高の日程 その4

こんにちは、さくらです。
千葉日大一のホームページに募集要項が掲載されています。


千葉日本大学第一

1月18日(2日目、昨年は17日)  特進40名 進学120名(推薦を含む、昨年は100名)


試験日を1日目から2日目に移し、後期(30名)を廃止しています。
これで入試相談を実施しない私立10校は全て後期を実施しないことになります。
(公立入試に合わせて私立後期の日程を10日遅くしたというのは、いったい何の意味があったのでしょうか)


今年から特進クラスを新設しています。
そのため重複校の多い1日目から、生徒を集めやすい2日目に試験日を移したのでしょう。

特進クラスは国公立・難関私大を目指すクラスとのことですが、他大学受験にも本腰を入れるということなのでしょうか。
大学合格実績を見ればわかりますが、同校はほとんど「日大に進むための学校」です。
そのため進学コラムでは毎年ほぼ黙殺しています。
特進クラスをきっかけに、隣の日大習志野くらい他大学に進学する学校になるなら大歓迎なのですけど。
(でも特進クラスからも日大や他大学の推薦が受けられたりするので、どこまで本気なのか・・・)


他に入試相談実施校の八千代松陰が1月18日・19日から18日・20日に試験日を戻しています。(2日のうちどちらかを希望して受験)
20日で出願すれば、19日までにどこかに受かれば八千代松陰は棄権できます。
(例えば市川・専大松戸八千代松陰という併願パターンで、19日に市川に受かれば松陰は棄権というぐあい)
20日は重複する学校もほとんど無いので、松陰が20日に戻ってきたのは上位生には朗報でしょう。


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578.夏休みの学習計画

こんにちは、さくらです。

いつもならもう夏休みに入っている時期ですが、今年は7月中に夏休みに入っている中学校はわずかでしょう。
まだ梅雨も明けていないので、受験の天王山なんて先の話だと思っている人もいるかもしれません。
でも、そうしている間にも確実に入試は近づいてきます。
短い夏休みだからこそしっかり計画を立てて、成果を残せる夏にしましょう。
今回は夏休みの学習計画を立てるときのポイントを話したいと思います。


1.やり遂げられる計画を立てよう

学習計画の中身に入る前に大切なことを言っておきます。
夏休みの勉強は弱点分野の強化など中身の部分はもちろん大切です。
しかし、それと同じくらい 達成感 というメンタルな部分も大切です。
「つらかったけど、やり遂げた」という気持ちが次への自信と希望につながります。

受験勉強は夏休みで終わりではありません。
過去問に取り組んでいく秋以降のほうが、むしろ本当の意味での受験勉強だともいえます。

過去問は決して易しくありませんから、思うように得点できずくじけそうになることもあるでしょう。
そんな厳しい秋の勉強に自信と希望を持ってつなげていくための勉強が夏休みの勉強なのです。
そのために、達成感の持てる「やり遂げられる計画」を立てましょう。

とはいえ、公立上位校を目指す受験生なら多少は無謀とも思える計画を立てることも必要です。

公立の入試問題は基本・標準レベルの典型問題(パターン問題)が大部分を占めています。
上位校では典型問題を確実に得点することが合格のための絶対条件です。
典型問題の訓練度が合否を分けますから、数をこなす勉強を避けることはできません。

そこで「絶対にやり遂げたいもの」と「それ以外」との順位づけをしっかりしておきましょう。
計画どおり進まずに途中で修正を迫られる場合があっても。
「やり遂げたいもの」を優先することで最低限の目標が達成できるようにしておくのです。
(もちろん、修正することを前提に手抜きしてしまっては意味がありません)

受験の天王山とはいっても、毎日が勉強づけの夏休みが送れるわけではありません。
受験生だって人間ですから、やる気の出ない日もあります。
そんな場合でも、「これだけはやり遂げた!」と思えるものを中心に据えた計画にしましょう。


2.問題集を解こう

夏休みの勉強は教科書や参考書をダラダラ読んでいてはいけません。
(そんな勉強なら昼寝でもしていたほうがましです)
問題を解くことで出題パターンを知り、実戦力を養っていきましょう。

理科・社会のような暗記教科も問題を解くことで「覚えている・いない」を整理でき、能率よく暗記ができます。
まず問題を解き、覚えていないものを抜き出した上でひたすら覚えましょう。

どんな問題集をやればよいか悩む場合は、学校や塾の先生(あなたの実力をわかっている人)に相談して、あなたの実力や志望校に合ったものを紹介してもらうとよいと思います。

もちろん、前に紹介した全国高校入試問題正解(Tel帳)に取り組むのもよいでしょう。


3.苦手教科・苦手単元の克服をしよう

教科の中での苦手分野がわかっているなら、苦手分野を集中して訓練しましょう。
その場合、克服する分野はできるだけ絞り込んでおきましょう。
手を広げすぎてしまうと、どれも終わらなかったなんてことにもなりかねません。

例えば、数学が苦手だからといって「1年~3年の数学を全部復習しよう」などという目標を立てたら失敗します。
(それでなくても今年の夏休みは短いのですから)
「方程式の文章題と空間図形を克服しよう」など、単元を絞って集中的に練習することが成功のカギです。

苦手克服を目指して達成できないと、ますます苦手意識が増大してしまいます。
やるからには「必ず終わる」計画を立てましょう。


最後に、もう一度大切なことを言っておきます。

夏休みの計画は「やり遂げること」が最も重要です。
立派な計画を立てたけど「あれもこれも終わらなかった」では、秋以降の勉強のモチベーションに影響してしまいます。

例えば、Tel帳5教科を1県ずつこなして、単語や漢字、計算の練習をやったら夜になってしまうでしょう。
さらに弱点克服の勉強を入れようとしても、取れる時間はあまり残っていないはずです。

1日4時間も5時間も夏期講習の授業がある人は、Tel帳を5教科こなすことすら難しいと思います。
自分の使える時間を十分考慮して、無理のかかりすぎない計画を立ててください。
(でも、夏休みですから多少の無理はしましょう)

計画を立てたら、あとは頑張るのみです。
頑張りましょう!


旺文社 2021年受験用「全国高校入試問題正解」

Tel帳は「教科ごとの分冊」と「英数国3教科合冊」「理社2教科合冊」があります。
使い勝手は分冊のほうがよいですが、5教科買う場合は合冊のほうがお得です。
上位校を目指すなら、やらなくてよい教科などありませんから合冊で買うことをおすすめします。
ただし合冊は厚くて重いので持ち歩きには向きません、図書館などで勉強したい人は注意してください。

5教科買うとかなり重いので、本屋で買うより通販のほうが楽です。
(ただし、あらかじめ書店などで見ておくことをおすすめします)




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577.公立高校の選抜・評価方法

こんにちは、さくらです。
公立各高校のホームページに「令和3年度 一般入学者選抜の選抜・評価方法」が掲載されています。


先日発表された実施要項では、
学力検査500点+内申135点×K+(加点)+学校設定検査の得点 で総合得点を計算すること。
Kの値は千葉・船橋東葛飾・千葉東・佐倉・小金が0.5、薬園台・市千葉が1であること。
調査書の加点は最大50点、学校設定検査は10点~100点に設定することも発表になっています。

ただ、学校設定検査の得点と調査書の加点については、各高校ごとの設定ということで発表されませんでした。
今回、各高校ホームページに掲載されている「令和3年度 一般入学者選抜の選抜・評価方法」では、学校設定検査の得点と調査書の加点についても発表され、各高校の配点が明らかになっています。


公立1・2番手校の配点は以下のとおりです。
下の( )は令和2年度前期選抜の配点です。(算式1は煩雑になるので省略)

県千葉 試験500点+内申67.5点+作文10点=577.5点満点
    (試500+作文5=505点)
船橋 試験500点+内申67.5点+作文10点=577.5点満点
    (試500+内67.5+面接10=577.5点)
東葛飾 試験500点+内申67.5点+作文60点=627.5点満点
    (試500+内67.5+作60=627.5点)
千葉東 試験500点+内申67.5点+作文10点=577.5点満点
    (試500+内54+作10=564点)

佐倉  試験500点+内申67.5点+面接30点=597.5点満点
    (試500+内135+面接30=665点)
薬園台 試験500点+内申135点+加点10点+面接10点=655点満点
    (試500+内135+加10+面10=655点)
市千葉 試験500点+内申135点+加点15点+小論文10点=660点満点
    (試500+内135+加15+小10=660点)
小金  試験500点+内申67.5点+作文10点=577.5点満点
    (試500+内135+作10=645点)

県千葉・県船橋・千葉東が見事に横並びです。
わずか5点の配点だった県千葉の作文は10点になっています。(3点だった船橋東の面接も10点になりました)
東葛飾の作文は変わらず60点、佐倉の面接も変わらず30点です。
昨年まで実質4点満点だった千葉東の作文は細かい配点が非公表になっています。(きっと中身は同じなのでしょうけど)
県千葉・県船橋・千葉東と完全にそろえてきている小金のやる気が少し恐いです。

やはりK=0.5と勝負に出た検見川は、試500+内67.5+加25+面10=602.5点満点で加点25点が残念です。
市千葉をぶち抜いて千葉東に迫るつもりなのか・・・と思われましたが、そこまで強気には出られなかったようです。
(こういうのはハッタリなので中途半端だと失敗するんですけどね、やるならやるで徹底してアピールしないと)

これで、2021年公立新入試もすべて明らかになりました。
やっぱり上位校入試では学力試験が1番大切だということです。
中3生は学校の勉強にとらわれすぎることなく、計画的に受験勉強を進めて実力を蓄えていきましょう。


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576.全国高校入試問題正解の使い方

こんにちは、さくらです。

千葉県でも公立入試の出題範囲縮小が発表されました。
以前も書きましたが、公立上位校志望の受験生はそんなものを気にする必要はありません。
入試で出題されようがされまいが、中学校の内容はすべてマスターしていなければ高校の授業についていけないからです。
出題されない単元も軽く見ることなく、しっかり訓練していきましょう。

中学校の内容をくまなく訓練するなら、前々回に紹介した 旺文社 全国高校入試問題正解(以下、Tel帳と略)がおすすめです。
どんなものか、もう書店で見てみた人もいるかもしれませんね。

Tel帳と呼ばれるくらいで分厚く重く文字も細かく、やり通すにはエネルギーのいる教材です。
それだけに、やり通せば大きな効果を期待できます。
(実際の電話帳(ハローページ)はなくなるようなので、電話帳という言葉は受験問題集の中だけに残るのでしょうかね)
今回はこのTel帳の使いこなし方をお話ししましょう。

Tel帳は前年の全国47都道府県の公立高校と主要国私立高校の入試問題を集めた問題集です。
入試問題ですから中学校の全範囲から出題されています。
したがって、未習事項があってはTel帳をすべて解くことはできません。

3月4月からweb進学塾や進学コラムを見て先取り学習をしてきた人なら、夏には未習分野はだいぶ少なくなっていると思います。
先取り学習するようにすすめてきたのは、夏休みからTel帳に取り組みたいからでもあるのです。

とはいえ、ここを見ているすべての受験生が先取りをしているわけではないでしょう。
ほとんど先取りしていない人も含めて、状況に応じたTel帳の使い方をお教えしていきます。


「Tel帳を解く目的」

はじめにTel帳を解く目的を確認しておきます。
きちんと目的を理解しておかないと、能率のよくない取り組み方をしてしまう可能性があります。
何のためにTel帳を解くのか、しっかり理解しておいてください。

1.入試問題の出題パターンを知る

入試問題は単元ごとに出題のパターンがあります。

関数の大問なら
(1)放物線と直線の交点を求める
(2)直線で囲んだ三角形の面積を求める
(3)その三角形を2等分する直線の式を求める
・・・など、よく出題されるパターンは決まっているものです。

特に公立入試では出題が学習指導要領の範囲に限られるのでパターン問題が多く出ます。
したがって、出題されやすいパターンをたくさん知っているほど有利になります。
千葉県の公立入試では全国的に見ても難易度が高め(平均点が低め)の問題が出題されています。
多くのパターンを知っていなければ、確実に高得点を取ることは難しいでしょう。

Tel帳には全国の入試問題が数多く収録されています。
出題パターンを覚えるためには多くの問題を経験する必要がありますから、Tel帳は最適の教材です。

出題パターンを知ること、これがTel帳の最大の目的です。


2.弱点を知り克服する

Tel帳にはとても多くの問題が収録されています。
これだけの問題数があれば、中学校の学習内容はほぼ網羅されているといってよいでしょう。

したがってTel帳を解いていくことで自分の弱点分野をチェックすることができます。
間違えた問題をきちんとケアしていけば弱点分野を克服していくことも可能です。
特に暗記分野は急速に実力アップができるでしょう。
書けなかった漢字や英単語などはすぐその場で練習するようにしましょう。

そのためにも解いたら必ず採点をしましょう。
採点をしないのは問題を解かなかったのと同じです。

ただし、弱点克服を頑張りすぎる(時間をかけすぎる)となかなか先に進まなくなってしまいます。
Tel帳の最大の目的は「出題パターンを知ること」ですから、先に進むことは最優先事項です。

ていねいに解き直して半分しか終わらないより、解いて採点するだけで全部終わらせた方がずっと効果が出ます。

今ここで完璧にしなくても2周目にはまた同じ問題が出てくるのです。(Tel帳は1回やって終わりではありません)
2周目までの間に別の県でも似たような問題が出てきたり、学校や塾で出てきたりして解決することもあるでしょう。
受験勉強では 時が解決してくれることもある と知りましょう。
(ただし、これは基本ができている上位生の話です)

もう1度書きますが、Tel帳は「進む」ことが最優先です。
量をこなさないと効果は出ませんから、頑張って先へ先へと進みましょう。


「いつから始めるか」

部活動や習い事で勉強時間が制限される人は、今は先取り学習に専念しましょう。

しかし、帰宅部の人など時間に余裕のある人は今こそが大チャンスです。
勉強時間が確保できるなら夏休みを待つ必要はありません、今すぐにでも始めましょう。
夏休みに入る前にTel帳に取り組むことで、他の人より前に出ることができます。
(今年は夏休みが短いので、夏休みを待っていては十分な問題量がこなせません)

帰宅部の人は時間の面で有利な状況にあるのですから、その有利さを生かさなければいけません。
逆に夏休み前に有利な状況を生かせないようでは、その先も危ういでしょう。

本当の戦いは宣戦布告の前に始まっているものです。
どんな勝負でも、自分に有利な条件を生かすことが勝利をつかむ最大のポイントです。
できる人はさっそく今日からでも始めましょう。


「何から始めるか」

Tel帳は5教科あります。
5教科平行して進めようと思っても、現実には未習事項の関係でなかなかそうはいきません。
始めやすい教科、始めやすい単元から手をつけていきましょう。

英語の場合、公立、私立とも出題の中心は「長文読解」です。
未習事項があると、思うように長文を読むことはできません。
少なくとも関係代名詞までは先取りしていないと難しいと思います。

したがって、関係代名詞を習得するまではTel帳を始めなくてよいでしょう。
自分で受験勉強している人は関係代名詞までの先取りを急いでください。
塾に通っている人は塾のカリキュラムを確認してみてください。

数学の場合、入試で中心になるのは「関数」と「図形」です。
ともに中学校では夏休み後に「2乗に比例する関数」「相似・円・三平方の定理」を習うので、学校のペースで勉強している人は手を出せないでしょう。

関数は公立ではパターンの決まった典型問題の出題が多く、得点源にすべき単元です。
夏休みに数多く練習して、しっかりと解法を身につけておきたいものです。
(そうすることで、秋以降の模擬試験での得点も確実にすることができます)
なんとか早めに関数まで先取りを進めて、1日も早くTel帳に取り掛かりましょう。

数学では「計算問題」や「一行問題(小問集)」だけを進めていくのも有効です。
千葉県の公立入試では大問1が計算問題、大問2が一行問題で、ここまでで配点は60点前後にもなります。
大問2までの失点を少なくすることが高得点を取るポイントになりますから、計算と一行問題の訓練は重要です。

先取り学習をしていない人も計算や一行問題はほとんど解けるはずです。
1日1県とか、午前午後1県ずつとか決めてバンバン鍛えていきましょう。

国語は既習・未習のあまり関係ない教科です、片端からどんどん解き進めましょう。
読解が苦手な人は「読まないから苦手、苦手だから読まない」のループに入り込んでいる場合が多く見られます。
辛くても「1日1県」や「1日読解1題」などと決めてノルマとして解いていきましょう。

気をつけたいのは、他の教科以上に採点後の復習が大切だということです。
「自分の考えがなぜ間違いなのか」「なぜこっちが正解なのか」を納得して理解しないと、似たような文章でまた同じ間違いをしてしまいます。
解説をよく読み十分に納得して進むようにしましょう。

ただし、1回1回きっちりやることで辛くて先に進めなくなるなら、多少甘くなっても毎日ノルマをこなす方が大切です。
国語の勉強で1番大切なことは「多くの文章を読み、考える習慣をつける」ことにあります。
どんなやり方になっても最後までやり通せば相当な力になるはずです。

理科・社会の場合、問題を見れば既習か未習かの判断はできるでしょう。
暗記科目では習っていないものはできませんから、未習事項はパスして進めましょう。
(ただし、パスした問題はチェックしておいて習った後に解くのを忘れないようにしましょう)

理科・社会も国語と同様に復習が大切です。
特に中1で習った単元などはすっかり忘れていることもあるでしょう。
その場合は「単元別の問題集」や「ワーク」に戻って、基礎練習をし直してください。

間違えた部分だけを復習するのではなく、その単元全体をやり直しておくと効果的です。
(間違えるということは、その周辺も忘れている可能性が高いからです)

ただし、これもきっちりやりすぎるとエネルギーが続かなくなってしまう恐れがあります。
「1回1回きっちり」よりも「最後まで行く」ことが大切なので、そのあたりのさじ加減は自分で考えて進めましょう。


「どう使うか」

Tel帳は試験問題を集めた問題集です。
したがって、実施するときはテストとして時間を測って解きましょう。
一部を抜き出して実施する場合は問題数に比例して時間を調節しましょう。
(例えば、実施時間50分で大問5問中3問を解くのなら30分で実施するなど)

計算や一行問題だけを解くときも、問題数によって自分で時間を設定して解いたほうがよいでしょう。

時間制限のない試験問題など試験の価値はありません。
時間を測って解くことで「時間内に1点でも多く取る」という意識を身につけましょう。

また、テストとして解くのですから必ず採点し点数を出しましょう。
配点が書いていない場合は「○○問中××問正解」などと書いておきましょう。
そして、間違えた問題はわかりやすいところに(Tel帳に直接でも、ノートにでも)チェックしておきましょう。

点数は出しますが、同じ公立でも県によって難易度がずいぶん違います。
点数そのものが重要なのではなく、自分の取るべき問題が取れているのかどうかが大切です。
問題を数多く解くことで、取るべき問題の見極めもできるようになってください。
見極めに困るようなら学校の先生や塾の先生に聞いてみましょう。

Tel帳は1度解いたらそれで終わりではありません、入試まで繰り返し解いていく問題集です。
2回目のための自分のデータはしっかり残しておきましょう。

繰り返し使いますから直接書き込んではいけません。
(書き込むスペースなどあまり空いていませんが)
5教科ともノートを作って、ノートに実施するようにしましょう。

その際、数学や理科の計算問題などは途中の計算もすべてノートに残すようにしましょう。
(途中の計算も大切な自分のデータです)
ノートに白地図を貼っておき、終わった県を塗りつぶしていくと達成感が持てます。

公立高校が第一志望なら公立の問題のみ(独自問題を含む)やればよいでしょう。
公立の問題にメドがついて、余力(時間)があるのなら国私立の問題に手をつければよいと思います。
(5科入試の市川や昭和秀英の対策にも活用できるでしょう)

まずは「47都道府県制覇」が目標です。
夏休み中に3教科も制覇すれば相当な力がついていることでしょう。
頑張ってください!


旺文社 2021年受験用「全国高校入試問題正解」

Tel帳は「教科ごとの分冊」と「英数国3教科合冊」「理社2教科合冊」があります。
使い勝手は分冊のほうがよいですが、5教科買う場合は合冊のほうがお得です。
上位校を目指すなら、やらなくてよい教科などありませんから合冊で買うことをおすすめします。
ただし合冊は厚くて重いので持ち歩きには向きません、図書館などで勉強したい人は注意してください。

5教科買うとかなり重いので、本屋で買うより通販のほうが楽です。
(ただし、あらかじめ書店などで見ておくことをおすすめします)




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