さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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576.全国高校入試問題正解の使い方

こんにちは、さくらです。

千葉県でも公立入試の出題範囲縮小が発表されました。
以前も書きましたが、公立上位校志望の受験生はそんなものを気にする必要はありません。
入試で出題されようがされまいが、中学校の内容はすべてマスターしていなければ高校の授業についていけないからです。
出題されない単元も軽く見ることなく、しっかり訓練していきましょう。

中学校の内容をくまなく訓練するなら、前々回に紹介した 旺文社 全国高校入試問題正解(以下、Tel帳と略)がおすすめです。
どんなものか、もう書店で見てみた人もいるかもしれませんね。

Tel帳と呼ばれるくらいで分厚く重く文字も細かく、やり通すにはエネルギーのいる教材です。
それだけに、やり通せば大きな効果を期待できます。
(実際の電話帳(ハローページ)はなくなるようなので、電話帳という言葉は受験問題集の中だけに残るのでしょうかね)
今回はこのTel帳の使いこなし方をお話ししましょう。

Tel帳は前年の全国47都道府県の公立高校と主要国私立高校の入試問題を集めた問題集です。
入試問題ですから中学校の全範囲から出題されています。
したがって、未習事項があってはTel帳をすべて解くことはできません。

3月4月からweb進学塾や進学コラムを見て先取り学習をしてきた人なら、夏には未習分野はだいぶ少なくなっていると思います。
先取り学習するようにすすめてきたのは、夏休みからTel帳に取り組みたいからでもあるのです。

とはいえ、ここを見ているすべての受験生が先取りをしているわけではないでしょう。
ほとんど先取りしていない人も含めて、状況に応じたTel帳の使い方をお教えしていきます。


「Tel帳を解く目的」

はじめにTel帳を解く目的を確認しておきます。
きちんと目的を理解しておかないと、能率のよくない取り組み方をしてしまう可能性があります。
何のためにTel帳を解くのか、しっかり理解しておいてください。

1.入試問題の出題パターンを知る

入試問題は単元ごとに出題のパターンがあります。

関数の大問なら
(1)放物線と直線の交点を求める
(2)直線で囲んだ三角形の面積を求める
(3)その三角形を2等分する直線の式を求める
・・・など、よく出題されるパターンは決まっているものです。

特に公立入試では出題が学習指導要領の範囲に限られるのでパターン問題が多く出ます。
したがって、出題されやすいパターンをたくさん知っているほど有利になります。
千葉県の公立入試では全国的に見ても難易度が高め(平均点が低め)の問題が出題されています。
多くのパターンを知っていなければ、確実に高得点を取ることは難しいでしょう。

Tel帳には全国の入試問題が数多く収録されています。
出題パターンを覚えるためには多くの問題を経験する必要がありますから、Tel帳は最適の教材です。

出題パターンを知ること、これがTel帳の最大の目的です。


2.弱点を知り克服する

Tel帳にはとても多くの問題が収録されています。
これだけの問題数があれば、中学校の学習内容はほぼ網羅されているといってよいでしょう。

したがってTel帳を解いていくことで自分の弱点分野をチェックすることができます。
間違えた問題をきちんとケアしていけば弱点分野を克服していくことも可能です。
特に暗記分野は急速に実力アップができるでしょう。
書けなかった漢字や英単語などはすぐその場で練習するようにしましょう。

そのためにも解いたら必ず採点をしましょう。
採点をしないのは問題を解かなかったのと同じです。

ただし、弱点克服を頑張りすぎる(時間をかけすぎる)となかなか先に進まなくなってしまいます。
Tel帳の最大の目的は「出題パターンを知ること」ですから、先に進むことは最優先事項です。

ていねいに解き直して半分しか終わらないより、解いて採点するだけで全部終わらせた方がずっと効果が出ます。

今ここで完璧にしなくても2周目にはまた同じ問題が出てくるのです。(Tel帳は1回やって終わりではありません)
2周目までの間に別の県でも似たような問題が出てきたり、学校や塾で出てきたりして解決することもあるでしょう。
受験勉強では 時が解決してくれることもある と知りましょう。
(ただし、これは基本ができている上位生の話です)

もう1度書きますが、Tel帳は「進む」ことが最優先です。
量をこなさないと効果は出ませんから、頑張って先へ先へと進みましょう。


「いつから始めるか」

部活動や習い事で勉強時間が制限される人は、今は先取り学習に専念しましょう。

しかし、帰宅部の人など時間に余裕のある人は今こそが大チャンスです。
勉強時間が確保できるなら夏休みを待つ必要はありません、今すぐにでも始めましょう。
夏休みに入る前にTel帳に取り組むことで、他の人より前に出ることができます。
(今年は夏休みが短いので、夏休みを待っていては十分な問題量がこなせません)

帰宅部の人は時間の面で有利な状況にあるのですから、その有利さを生かさなければいけません。
逆に夏休み前に有利な状況を生かせないようでは、その先も危ういでしょう。

本当の戦いは宣戦布告の前に始まっているものです。
どんな勝負でも、自分に有利な条件を生かすことが勝利をつかむ最大のポイントです。
できる人はさっそく今日からでも始めましょう。


「何から始めるか」

Tel帳は5教科あります。
5教科平行して進めようと思っても、現実には未習事項の関係でなかなかそうはいきません。
始めやすい教科、始めやすい単元から手をつけていきましょう。

英語の場合、公立、私立とも出題の中心は「長文読解」です。
未習事項があると、思うように長文を読むことはできません。
少なくとも関係代名詞までは先取りしていないと難しいと思います。

したがって、関係代名詞を習得するまではTel帳を始めなくてよいでしょう。
自分で受験勉強している人は関係代名詞までの先取りを急いでください。
塾に通っている人は塾のカリキュラムを確認してみてください。

数学の場合、入試で中心になるのは「関数」と「図形」です。
ともに中学校では夏休み後に「2乗に比例する関数」「相似・円・三平方の定理」を習うので、学校のペースで勉強している人は手を出せないでしょう。

関数は公立ではパターンの決まった典型問題の出題が多く、得点源にすべき単元です。
夏休みに数多く練習して、しっかりと解法を身につけておきたいものです。
(そうすることで、秋以降の模擬試験での得点も確実にすることができます)
なんとか早めに関数まで先取りを進めて、1日も早くTel帳に取り掛かりましょう。

数学では「計算問題」や「一行問題(小問集)」だけを進めていくのも有効です。
千葉県の公立入試では大問1が計算問題、大問2が一行問題で、ここまでで配点は60点前後にもなります。
大問2までの失点を少なくすることが高得点を取るポイントになりますから、計算と一行問題の訓練は重要です。

先取り学習をしていない人も計算や一行問題はほとんど解けるはずです。
1日1県とか、午前午後1県ずつとか決めてバンバン鍛えていきましょう。

国語は既習・未習のあまり関係ない教科です、片端からどんどん解き進めましょう。
読解が苦手な人は「読まないから苦手、苦手だから読まない」のループに入り込んでいる場合が多く見られます。
辛くても「1日1県」や「1日読解1題」などと決めてノルマとして解いていきましょう。

気をつけたいのは、他の教科以上に採点後の復習が大切だということです。
「自分の考えがなぜ間違いなのか」「なぜこっちが正解なのか」を納得して理解しないと、似たような文章でまた同じ間違いをしてしまいます。
解説をよく読み十分に納得して進むようにしましょう。

ただし、1回1回きっちりやることで辛くて先に進めなくなるなら、多少甘くなっても毎日ノルマをこなす方が大切です。
国語の勉強で1番大切なことは「多くの文章を読み、考える習慣をつける」ことにあります。
どんなやり方になっても最後までやり通せば相当な力になるはずです。

理科・社会の場合、問題を見れば既習か未習かの判断はできるでしょう。
暗記科目では習っていないものはできませんから、未習事項はパスして進めましょう。
(ただし、パスした問題はチェックしておいて習った後に解くのを忘れないようにしましょう)

理科・社会も国語と同様に復習が大切です。
特に中1で習った単元などはすっかり忘れていることもあるでしょう。
その場合は「単元別の問題集」や「ワーク」に戻って、基礎練習をし直してください。

間違えた部分だけを復習するのではなく、その単元全体をやり直しておくと効果的です。
(間違えるということは、その周辺も忘れている可能性が高いからです)

ただし、これもきっちりやりすぎるとエネルギーが続かなくなってしまう恐れがあります。
「1回1回きっちり」よりも「最後まで行く」ことが大切なので、そのあたりのさじ加減は自分で考えて進めましょう。


「どう使うか」

Tel帳は試験問題を集めた問題集です。
したがって、実施するときはテストとして時間を測って解きましょう。
一部を抜き出して実施する場合は問題数に比例して時間を調節しましょう。
(例えば、実施時間50分で大問5問中3問を解くのなら30分で実施するなど)

計算や一行問題だけを解くときも、問題数によって自分で時間を設定して解いたほうがよいでしょう。

時間制限のない試験問題など試験の価値はありません。
時間を測って解くことで「時間内に1点でも多く取る」という意識を身につけましょう。

また、テストとして解くのですから必ず採点し点数を出しましょう。
配点が書いていない場合は「○○問中××問正解」などと書いておきましょう。
そして、間違えた問題はわかりやすいところに(Tel帳に直接でも、ノートにでも)チェックしておきましょう。

点数は出しますが、同じ公立でも県によって難易度がずいぶん違います。
点数そのものが重要なのではなく、自分の取るべき問題が取れているのかどうかが大切です。
問題を数多く解くことで、取るべき問題の見極めもできるようになってください。
見極めに困るようなら学校の先生や塾の先生に聞いてみましょう。

Tel帳は1度解いたらそれで終わりではありません、入試まで繰り返し解いていく問題集です。
2回目のための自分のデータはしっかり残しておきましょう。

繰り返し使いますから直接書き込んではいけません。
(書き込むスペースなどあまり空いていませんが)
5教科ともノートを作って、ノートに実施するようにしましょう。

その際、数学や理科の計算問題などは途中の計算もすべてノートに残すようにしましょう。
(途中の計算も大切な自分のデータです)
ノートに白地図を貼っておき、終わった県を塗りつぶしていくと達成感が持てます。

公立高校が第一志望なら公立の問題のみ(独自問題を含む)やればよいでしょう。
公立の問題にメドがついて、余力(時間)があるのなら国私立の問題に手をつければよいと思います。
(5科入試の市川や昭和秀英の対策にも活用できるでしょう)

まずは「47都道府県制覇」が目標です。
夏休み中に3教科も制覇すれば相当な力がついていることでしょう。
頑張ってください!


旺文社 2021年受験用「全国高校入試問題正解」

Tel帳は「教科ごとの分冊」と「英数国3教科合冊」「理社2教科合冊」があります。
使い勝手は分冊のほうがよいですが、5教科買う場合は合冊のほうがお得です。
上位校を目指すなら、やらなくてよい教科などありませんから合冊で買うことをおすすめします。
ただし合冊は厚くて重いので持ち歩きには向きません、図書館などで勉強したい人は注意してください。

5教科買うとかなり重いので、本屋で買うより通販のほうが楽です。
(ただし、あらかじめ書店などで見ておくことをおすすめします)




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