さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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701.公立上位校受験の基礎知識 調査書・後編

こんにちは、さくらです。

前回は調査書に記載されている内容について書きました。
今回は高校ごとの調査書の使われ方(配点)について書きます。

公立入試における配点は各高校の公式ホームページに「選抜・評価方法」として掲載されています。
(ホームページのどこにあるかは高校ごとにまちまちなので、入試案内などのページを探してみてください)
ただし、現在掲載されているのは前回入試のものです、来年度用は例年10月下旬に発表されます。
頻繁に内容が変わるものではないので、とりあえず前回のものを参考にしておきましょう。

千葉県の公立入試では「学力検査」と「学校設定検査」と「調査書」によって選抜を行います。
学力検査は千葉県内全ての公立高校共通の問題で、国数英理社・合計500点満点のテストです。

学校設定検査は入試2日目に行われる、各高校ごとに内容を定めた検査です。
検査内容には面接・作文・小論文・自己表現・集団討論・思考力を問う問題などがあり、2つ行う高校もあります。
その配点も10点~100点の幅で高校ごとに決めることになっています。(2つ行う場合は合計150点まで)

調査書は中学3年間の成績(評定)と部活動などによる加点に分かれます。
評定は1学年につき5段階×9教科=45点満点、3学年合計して45×3年=135点満点です。
これに高校ごとに係数K(0.5~2)をかけて使用します。
Kの値は1の高校が最も多く、その場合の評定は135点満点になります。
K=0.5の場合は135×0.5=67.5点満点、K=2の場合は135×2=270点満点になります。
部活動の記録や特記事項の内容に対して加点する高校も多くあり、最大50点まで加点されます。

例として、船橋と名のつく高校の配点をいくつか紹介しましょう。

上位進学校の例:県立船橋高校・普通科(Vもぎ基準偏差値67)
 学力検査 500点
 調査書の評定 135×0.5=67.5点(K=0.5)
 調査書の加点 なし
 学校設定検査 作文10点
 合計 577.5点満点(学力検査87% 調査書12% 学校設定検査2%)
 配点の割合は小数点以下を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります

普通の進学校の例:船橋東高校(Vもぎ基準偏差値60)
 学力検査 500点
 調査書の評定 135点(K=1、船橋東は2022年までは進学校では珍しくK=2でした)
 調査書の加点 20点
 学校設定検査 面接10点
 合計 665点満点(学力検査75% 調査書23% 学校設定検査2%)

中堅校の例:船橋啓明高校(Vもぎ基準偏差値45)
 学力検査 500点
 調査書の評定 135点×2=270点(K=2)
 調査書の加点 25点
 学校設定検査 面接15点
 合計 810点満点(学力検査62% 調査書36% 学校設定検査2%)

学校設定検査を2つ行う学校の例:船橋二和高校(Vもぎ基準偏差値37)
 学力検査 500点
 調査書の評定 135点×2=270点(K=2)
 調査書の加点 50点
 学校設定検査 面接50点 自己表現100点
 合計 970点満点(学力検査52% 調査書33% 学校設定検査15%)

学力検査の配点はどの高校も500点ですが、調査書と学校設定検査の配点が大きく異なるので、結果的に学力検査の割合にはかなり差があります。
(理数科や英語科では、学力検査の数学と理科の得点を1.5倍するなどの傾斜配点が行われる高校もあります)
船橋では学力検査が全体の87%も占めているので、ほとんどテストの点数で合否が決まっているといえます。
船橋志望の受験生はとにかく受験勉強を頑張りましょう。

対して船橋二和では52%ですから、テストの比率は全体の半分くらいです。
内申点や部活の成果もけっこう合否に影響します、受験勉強も大切ですが、日々の学校生活の頑張りも大切です。

調査書について言えば、調査書の評定を0.5倍する県船橋と、2倍する啓明や二和とでは内申点の重みが4倍も違います。
定期考査や提出物や授業中の態度などを頑張って内申を2点上げても、県船橋では入試で+1点にしかなりません。
内申を2点上げるって大変なことです、テストなら100点もありますが内申は5点(5段階)しかないのですから。
(県船橋レベルなら内申アップは4→5でしょうから、結構な努力が必要です)
それなら学力検査で点数を上げるほうがずっと楽でしょう。

しかし、啓明や二和では内申2点アップは入試で+4点になります、内申対策も手を抜けません。
(このレベルなら内申アップは3→4でしょうから、まあそこそこ頑張ればなんとかなるでしょう)

船橋では調査書の加点は一切ありません。(生徒会長でも、英検2級持ってても、1点もプラスされません)
しかし、船橋東では20点、啓明で25点、二和では50点ももらえます。
英検や漢検など取れるものを取っておくだけでなく、部活動や生徒会でも頑張っておくとよいでしょう。

船橋二和では学校設定検査の自己表現(文章か実技かを選べる)が100点もあるので、部活の成果を得点に活かすことができます。

このように高校(レベル)によって、入試で評価されるポイントが大きく違います。
中位校や下位校では学力試験だけでなく内申点や部活動・検定などが大きく評価されるため、対策すべきことが多くあります。
しかし、上位校では学力試験のウエイトがとても高くなっています。
検定を取得したり、学校の定期考査で1位を取るより、理科や社会の入試問題演習をする方がずっと合格に近づきます。
受験生にとって時間と労力は限りある資源です、志望校合格に必要なことは何なのかをよく知り、限りある資源を有効に使ってください。


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