さくら進学クリニック 『進学コラム』

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321.併願パターンの研究<基礎編その2>

こんにちは、さくらです。


前回は「上位校のグループ分け」と「公立志望校から考える私立併願校」について書きました。
併願パターンで悩むことがあるのは、公立1番手校を志望している受験生が中心であることがわかったと思います。
そこで今回は、公立1番手校を志望している場合の私立併願校について、さらに掘り下げていきます。


志望校が公立1番手校の場合「公立1+私立1+私立2+私立3」のパターンになると書きました。
しかし、私立を3校も受験するのは多すぎるのではないかと考える方もいるでしょう。
そこで、私立受験校を削った場合について考察します。


「公立1+私立1+私立2」 のパターン


私立3を削って私立1と私立2だけにした場合、中学校の先生に「安全校がない」と言われそうです。
個人的には、先生が難色を示さなければ私立3は削ってもかまわないと思います。
(もちろん、私立2に必ず合格できるとは限らないので自己責任になりますが)


実際には、私立3を削って難色を示さない先生は少数でしょう。
中学校の先生との関係を悪化させてまで私立3を削ることに意義があるとは思えません。
原則として私立3は受験すると思っておいたほうがよいでしょう。


「公立1+私立1+私立3」 のパターン


私立1を受けるならば、私立2は必要ないのではないかとも考えられるでしょう。


千葉県の公立1と私立1は不思議な関係になっています。
受験生の志望順位は公立1>私立1なのに、入試難易度は公立1≦私立1となっているのです。
したがって、公立1に合格できる実力があっても、私立1には不合格になることは珍しくありません。
(実際には学校によって難易度の差があるので、ひとくくりにして比較すべきではありませんが)


私立1を不合格になると、私立の合格校は私立3だけということになります。
これでは、公立1が不合格になった場合のことを考えると不安が残るでしょう。


例えば、市川は県船橋東葛飾よりも明らかに難易度が高くなっています。
船橋+市川+八千代松陰と受験した場合、私立の合格は八千代松陰のみという可能性も十分にあり得ます。
船橋八千代松陰ではレベル差が大きすぎるので、県船橋が不合格になった場合を考えると私立2を受験しておいたほうが安心でしょう。


「公立1+私立2+私立3」 のパターン


私立1は公立1より受かりにくいにもかかわらず、公立1に合格したら進学することはありません。
それならば、わざわざ受験しなくてもよいのではないかと考える人もいるでしょう。


公立1番手校を志望する受験生にとって、私立を受験することは次の2つの理由があります。
1.公立が不合格だった場合の進学先の確保として(消極的理由)
2.公立入試に向けた練習試合として(積極的理由)


常考える私立の受験理由は1番でしょう、これは公立志望校に関係なく存在する理由です。
(積極的に受験したいという理由ではないので、私はこれを消極的理由と呼びます)


しかし、公立上位校の受験生に限っていえば2番の理由のほうが重要です。


公立1番手校には優秀な生徒しか受験に来ません。
そのため、合否は「実力の差」よりも、本番で「実力を発揮できたか」で決まってくることになります。
(実力が不足している受験生がいたなら、その生徒ははじめから合否の対象外です)
したがって、入試本番で実力を発揮できるための訓練が必要になります。


そこで、私は練習試合として私立1の受験をすすめます。
(練習試合であれば積極的に受験したくなるので、私はこれを積極的理由と呼びます)


千葉県の公立入試は1時間目が国語で2時間目が数学です。
その場で考えて答えを出すこの2科目は時間が足りなくなる可能性が高く、時間配分に失敗すると大きく失点してしまいます。
1・2時間目に想定外の失点があれば、心理的影響は3時間目以降にも及んでしまうでしょう。


もちろん、公立1番手校を受験する生徒であれば、過去問で時間配分のシミュレーションはしているでしょう。
しかし入試本番は緊張していますから、想定しなかったこともたくさん起こります。
覚えているはずのことが出てこなかったり、見たことのない問題にパニックになったり・・・。
入試本番は過去問や模擬試験とはまったく違う緊張感の中で問題を解くことになるのです。


私立1番手校の入試で試験中の緊張感や時間配分を経験しておけば、公立入試ではずいぶん楽になるでしょう。
しかも、私立1の入試に来た生徒の多くは、公立1の入試にも来るのです。
第1志望校で実際に対戦する相手と、同じ教室で勝負することは最高の練習試合だといえます。


結果は合格でも不合格でもよいのです。


合格すれば進学先を確保できるだけでなく、公立入試の前哨戦に勝ったという自信を持つことができるでしょう。
(何といっても、受験しているメンバーは本番の公立入試とほとんど同じなのですから)


たとえ不合格になったとしても、そこからはたくさんの教訓を得ることができるはずです。
試験中こうしておけばよかったとか、事前にこう勉強しておけばよかったとか、公立入試のための最高のアドバイスになります。
文字通り「失敗は成功のもと」なのです。


また、公立1番手校の入試は高倍率になるため、不合格になる可能性が高いのが特徴です。
2013年県船橋・前期の倍率は3.88倍ですから、おおざっぱにいえば4人のうち3人が不合格になっている計算です。
公立1番手校の受験生は公立前期を不合格になる想定をしておかなければなりません。


しかし、どんなに想定していても、第1志望校で不合格になることは大きな衝撃でしょう。
ショックのあまり勉強が手につかなくなることもあるかもしれません。
前期発表から後期試験まで10日もありませんから、そんな場合ではないはずなのに・・・です。


しかし、私立1番手校で不合格を経験していれば、公立前期不合格のショックも多少はやわらぐでしょう。
「前期不合格は想定の範囲内、後期に向けて気持ちを切り替えて頑張ろう」と思えるはずです。
何事も1度経験しておけば2回目は当たり前に対応できるものなのです。


公立1番手校を志望する受験生にとって、私立1の受験は公立の合格可能性を高めるための大切な練習試合です。
これを削ってしまうことは、第1志望校の合格を遠ざける行為だと思ってよいでしょう。


次回は併願パターンの研究<実践編>です。



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