こんにちは、さくらです。
前回は得点開示情報から合格最低点を探ってみましたが、せっかくの情報なので他にも読み取れるものはないか考えてみました。
得点開示のデータは「学力検査(独自問題も)の得点」と「調査書の評定(内申点)」の2点です。
そこで今回は学力検査と内申点の「得点分布」を見ていきたいと思います。
ところで、合格最低点はデータ数が少なくても運がよければかなり正確に見つけられます。
しかし「分布」を探るとなるとデータ数が物をいいます。
データが多ければ多いほど情報の信頼性は高く、少ないほど情報の信頼性は低くなります。
皆さんに送っていただいた高校ごとのデータ数は1番手校でも20件に届きません。
この程度のデータ数では信頼性の高い情報を得ることは難しいでしょう。
無理を承知の上で情報を取り出そうとしていますので、今回のコラムは参考程度にご覧になってください。
そんなわけで、今回見ていくのは情報数の多かった1番手校4校の前期選抜結果です。
千葉東は決して情報数は多くないのですが、上位校唯一の独自問題実施校なので扱ってみました。
後期選抜は全体の情報数が少ないだけでなく、不合格の情報が圧倒的に少ないため見送りました。
合は合格者、不は不合格者のそれぞれ1名を表します。
内申点は算式1で修正後のものを記載しています。(そのため135点を超えることがあります)
ボーダーラインから遠いデータは記載していないため、各表の合計件数は一致しない場合があります。
合格最低点は前回のコラムに掲載したものです。
県立千葉 (配点 学力検査500点)
合格最低点は420点〜425点の間
学力検査
445〜449 合
440〜444 合 合 合
435〜439 合 合 合
430〜434
425〜429 合 合
420〜424
415〜419 不
410〜414 不 不
内申点
135〜139 合 不
130〜134 合 合 不
125〜129 不
120〜124 合 合 不 不
115〜119 合 合
110〜114
105〜109 合 合
県千葉は内申を点数化しない(合否判定に使わない)ので、学力検査の得点分布のまま合否が分かれています。
逆に内申と合否の関係はバラバラで、県船橋や東葛飾では見られない110点未満での合格者までいます。
(むしろ内申が高い方が不合格になるようにも見えますね)
県立船橋 普通科 (内申135点×0.5+学力検査500点)
合格最低点は464点〜467点の間
学力検査
420〜424 合
415〜419 合 合 合 合
410〜414 合 合 合
405〜409 合 不
400〜404 合 合
395〜399 不
390〜394 不
内申点
135〜139 合
130〜134 合 合 合 不 不 不
125〜129 合 合 合 合 不 不 不
120〜124 合 合
115〜119 合
110〜114 合
105〜109 不
県船橋は内申比率が低いこともあり、学力検査の得点と合否の相関関係は強くなっています。
130点台の内申点を持っていても不合格が複数出ていますから、配点どおり学力検査勝負の入試だといえるでしょう。
東葛飾 (内申135点+学力検査500点)
合格最低点は509点か510点
学力検査
415〜419 合
410〜414 合
405〜409
400〜404 合 合
395〜399 合 合
390〜394
385〜389 合 不
380〜384 不
375〜379 合 不 不
370〜374 不
365〜369 不
内申点
135〜139 合
130〜134 合 不
125〜129 合 合 合 不 不 不 不
120〜124 合 合 合 不 不 不
115〜119
110〜114 合 不
105〜109
東葛飾は県千葉や県船橋に比べると、学力検査と合否との関係がボーダー付近で曖昧になっています。
内申点を圧縮しないので、内申による逆転が起こりやすいということでしょう。
ただし、内申が高得点でも不合格は多数出ています。
入試の500点で大きく失点してしまえば、内申点でカバーしきれないということでしょう。
千葉東 (内申135点×0.4+独自問題100点+学力検査500点)
合格最低点は483.7点〜487.6点の間
学力検査
410〜414 合
405〜409
400〜404
395〜399 合
390〜394
385〜389 合
380〜384 合
375〜379 不 不
370〜374
365〜369
360〜364 不
独自問題
80〜84 不
75〜79
70〜74
65〜69 合 不
60〜64 合 合
55〜59 合
50〜54
45〜49 不 不
40〜44 合 不
内申点
135〜139
130〜134 合 合
125〜129 不
120〜124
115〜119 合 不
110〜114 合 不
105〜109 合 不
独自問題実施校である千葉東ですが、配点が少ないため独自問題と合否の相関は強くありません。
0.4倍になる内申点も相関は非常に弱いように感じます。
やはり配点の大きい学力検査との相関が強く、学力検査の得点が合否を分けるといってよいでしょう。
4校の前期選抜結果を見てきましたが、共通してわかることは「合否を左右するのは学力検査の得点」であることです。
内申は高得点を持っていても「決定打になっていない」ことがわかります。
もちろん、県千葉以外では内申点で足を引っ張られないために120点程度を持っているのが好ましいでしょう。
しかし、内申のハンデは学力検査でかなり取り返すことができます。
県船橋・前期の合格最低点は内申(0.5倍)と学力検査の合計で460点台後半です。
内申が3年間オール3(3×9科×3年=81点)でも、学力検査で430点取れば
81×0.5+430=470.5点 で、合格を手にすることができます。
(81+430=511点ですから、内申比率が高めの東葛飾でも合格です)
430点など県千葉にはゴロゴロいますから、1番手校を狙う生徒には決して無茶な要求ではないでしょう。
中3生はすでに90点分の内申点(中1と中2の分)が確定しています。
残る45点のために定期テスト対策に力を入れすぎるのは得策ではないでしょう。
何よりも優先すべきは 入試得点力 = 受験勉強 だということを、しっかり認識しておきましょう。