こんにちは、さくらです。
前回に引き続き、公立高校学力検査の結果の「受検者の得点分布」を見ていきましょう。
今回は「理科」「社会」「5科合計」です。
「理科」
山のピーク 60点台
90点台以上の比率 約4%
80点台以上の比率 約16%
70点台以上の比率 約32%
山のピーク 70点台
90点台以上の比率 約6%
80点台以上の比率 約19%
70点台以上の比率 約35%
理科は前期・後期とも70点以上が全体の3分の1もいて、非常に得点しやすいことがわかります。
90点以上の比率も4〜6%と高いので、上位校の受験生であれば積極的に90点以上を狙っていきたいものです。
ただし、2010年の38.8点という平均点をまだ引きずっているのか、「難しくしてはいけない」という意図が感じられます。
他教科とのバランスを考えると、この2年間の理科の易しさは普通ではないので、そろそろ難易度が上がってもおかしくないでしょう。
「理科は楽勝!」と甘く考えていると、しっぺ返しを食らう可能性もあります。
過去問で点数が取れていても、気を抜くことなく訓練を重ねていきましょう。
「社会」
山のピーク 60点台
90点台以上の比率 約2%
80点台以上の比率 約11%
70点台以上の比率 約26%
山のピーク 60点台
90点台以上の比率 約3%
80点台以上の比率 約15%
70点台以上の比率 約30%
同じ暗記中心の科目ということで、社会は理科とよく似たグラフになっています。
理科と異なるのは90点台が2〜3%と少ないことで、意外と高得点を取りにくいことがわかります。
前期・後期になってから社会は出題の仕方が少し変わり、「漢字○○字指定」や「全部(両方)できた場合、点を与える」など、より正確な知識を要求する問題が多くなっています。
90点以上を目指すためには、細部まできっちりとした知識が必要です。
そういう意味では、社会は練習量によって差がつきやすい科目だといってよいでしょう。
それは、上位校では「合否を分けるポイント」になるということです。
上位校の受験生は90点以上を目指して、十分な練習量を確保してください。
前回から、5科をひと通り見てきましたが、ここで90点台以上と80点台以上の比率をまとめておきます。
◎90点台以上の比率
前期 後期
国語 1%未満 1%未満
数学 1% 1%
英語 5% 18%
理科 4% 6%
社会 2% 3%
◎80点台以上の比率
前期 後期
国語 2% 2%
数学 3% 3%
英語 17% 33%
理科 16% 19%
社会 11% 15%
並べてみると、科目ごとの特徴が一目瞭然です。
90点以上の高得点が狙えるのは英語と理科だということ。(ただし、12年後期の英語は異常なので注意)
社会で90点以上を取るのは容易ではなく、高得点には「緻密な暗記」が必要であること。
国語・数学で90点以上を取るには運も必要でしょう。
80点台以上まで含めて考えれば、
国語・数学は高得点が難しく「学習量に対して見返りの少ない科目」
社会・理科・英語は高得点が可能で「やった分だけ結果が得られる科目」だとわかります。
もちろんそれは、「数学・国語は勉強しなくてよい」という意味ではありません。
特に数学は「練習量勝負の科目」ですから、しっかり時間をかけて勉強する必要があります。
ただ、この2科目で高得点を目指すには多大なる時間と労力が必要だということです。
すでに10月、時間にも体力にも限りがあることを考えれば、この2科目で高得点を目指すことは得策だとはいえないでしょう。
また、国語・数学は時間が足りなくなる科目でもあります。(難易度が高いので当然といえば当然ですが)
過去問を使って、時間配分のシミュレーションをしっかりやっておきましょう。
90点以上を取るのが難しい科目だけに、場合によっては一部問題を捨てることも想定する必要があるでしょう。
もうひとつ、公立入試の時間割は、ここで取り上げた「国語・数学・英語・理科・社会」の順になっています。
1・2時間目の国語・数学で高得点を目指して想定どおりの結果を出せなかった場合、その後の3科目にプレッシャーがかかってきます。
ただでさえ緊張する入試に必要以上のプレッシャーがかかれば、いつも通りの結果を出すのは難しいでしょう。
国語・数学は取れなくて当然、残り3科目で取ればよいと想定していれば、最後まで落ち着いて試験を受けることができるはずです。
(もちろん英理社の勉強を十分してあることが前提です)
最後に5科合計も見てみましょう。
「5科合計」
山のピーク 250点台
450点台以上の比率 1%未満
400点台以上の比率 約4%
350点台以上の比率 約17%
山のピーク 250〜300点台
450点台以上の比率 1%未満
400点台以上の比率 約7%
350点台以上の比率 約21%
5科合計は前期・後期ともグラフに偏りが少なく、特に前期は理想的な分布になっているように思います。
高得点層を見てみると、450点台以上は非常に少なく1%に満たない状況です。
つまり、450点取れば県内で受からない学校はない(内申が悪くなければ)ということです。
かつては県船橋や東葛飾に合格するには450点程度が必要でしたが、現在は全く違うということを認識しておきましょう。(特に保護者の方に)
県船橋や東葛飾では400点台前半に多くの受験生が集中していると思われます。
わずか5点の違いでも大きく順位が変わるでしょうから、取れる問題で落とさないよう十分な訓練をしておいてください。
結論として、千葉県の公立高校では「知識問題・典型問題を確実に得点する力」が要求されること。
上位校合格のためには「コツコツと地道な努力ができる」ことが必要だといってよいでしょう。
結局、栄冠をつかむ近道は「努力」なのです。
公立が第一志望なら、そろそろ公立の過去問を入手しましょう。
ただし、実施するのは未習事項がなくなってからです。
未習事項があるのに、早く取り組んでも得することはほとんどありませんよ。
千葉県公立高校5年間入試と研究(平成25年度用) |