こんにちは、さくらです。
秋分を過ぎ、中学校の三者面談まで1か月あまりになりました。
受験校が決まれば、いよいよ過去の入試問題に取りかかることになります。
ところで、みなさんは千葉県公立入試問題の科目別特徴を理解していますか?
得点しやすい科目、ミスを想定しておくべき科目、時間配分に気をつけなければならない科目・・・。
かつて300点前後だった平均点が260点前後に下がったことでもわかるように、公立の入試問題は得点しにくいものに変わってきています。
科目ごとの特徴を理解しておかなければ、過去問でもなかなか得点を伸ばすことができず、志望校に対して不安を感じることになってしまうでしょう。
今回と次回のコラムでは、学校でも塾でもあまり教えてくれない「公立入試問題の科目別特徴」について書いていきます。
この科目別特徴をしっかり頭に入れて過去問に取り組んでください。
今回のコラムでは、5月に発表された「平成24年度 千葉県公立高校学力検査の結果」を題材として使用していきます。
(千葉県教育委員会のホームページから「入試・検査」→「平成24年度高等学校入学者選抜情報 」→「平成24年度千葉県公立高等学校入学者選抜の結果について」と進み、 「平成24年度千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」をダウンロードするか、その場で開いてください)
この資料には「平均点」の推移や、設問ごとの「正答率」「無答率」などが掲載されています。
この中で今回使用するのは、前期・後期の最後に掲載されている「受検者の得点分布」という簡便なグラフです。
この「受検者の得点分布」というグラフは、得点10点刻みに受検者の人数比率をグラフ化したものです。
(はっきり言って、相当大ざっぱなものです)
グラフの点は75点、85点など10点刻みの中間点に打ってありますが、これは「70点台」「80点台」という意味だと解釈しています。
注意:人数の比率(%)は大ざっぱなグラフのため目分量で出しています、正確な数値ではありませんのでご了承ください。
今回は「国語」「数学」「英語」を見ていきます。
「国語」
山のピーク 40点台
90点台以上の比率 1%未満
80点台以上の比率 約2%
70点台以上の比率 約10%
(80点台以上は90点台以上を、70点台以上は80点台以上を含みます)
山のピーク 40点台
90点台以上の比率 1%未満
80点台以上の比率 約2%
70点台以上の比率 約8%
国語の得点分布は「きれいな山型」になっています。
「山のピーク」は前期・後期とも40点台と得点しにくい問題であったことがわかります。
90点台以上は前期・後期とも1%に満たず、80点台以上でも2%にとどまっています。
2012年の前期選抜の総受験者数は39,110名ですから、1%は約390名にあたります。
県千葉の前期受験者が570名、県船橋(普)が549名なので、前期の国語で80点以上の得点をした受験生は県千葉と県船橋の合計よりずっと少ないということになります。
佐倉・薬園台レベルの受験生であれば、国語は80点に届かないのが「普通」だったといえるでしょう。
ところで、2007年〜10年の一般入試4回の平均点の平均(わかりにくいですが)が57.3点なのに対して、2011年前期・後期、12年前期・後期の4回の平均は47.9点と10点近く低くなっています。
国語は前期・後期選抜になって、明らかに難化した科目だといえます。
(ちなみに5科合計は07〜10年の平均が254.5点、11年前期後期・12年前期後期の平均が259.6点と5点程度上昇しています)
国語が得意な生徒でも90点以上の高得点は取りにくいだけに、漢字など知識問題での得点が重要になってきます。
(千葉県は漢字だけで16点の配点ですから)
今のうちから、コツコツ練習しておきましょう。
「数学」
山のピーク 40点台
90点台以上の比率 約1%
80点台以上の比率 約3%
70点台以上の比率 約8%
山のピーク 40点台
90点台以上の比率 約1%
80点台以上の比率 約3%
70点台以上の比率 約8%
数学は2011年は山のピークが50〜60点台にあり、中間層の受験生がそこそこの得点を取れる問題でした。
ところが2012年は一転して60点台が激減、山のピークが40点台に後退し、高得点を取りにくくなりました。
平均点の推移を見ると、2009年(5科平均222.9点と近年で最低になった年)から40点台が続いており(11年後期を除く)、「数学=得点しにくい科目」だと思って間違いないでしょう。
また、正答率が10%に満たない問題が数多く入っているのも数学の特徴です。
(2012年の前期では6問ありました)
国語と同様に、得意な生徒でも90点以上を狙っていくことは難しいので、過去問で時間配分の訓練をしっかりやっておきましょう。
「英語」
山のピーク ほとんどなし
90点台以上の比率 約5%
80点台以上の比率 約17%
70点台以上の比率 約30%
山のピーク 90点台!
100点の比率 約2.5%
90点台以上の比率 約18%
80点台以上の比率 約33%70点台以上の比率 約50%
英語は上下の差が出やすい科目で、「台形型」や「M字型」の分布になるのが普通です。
中学校の3年間しか学んでいない科目なので、努力の度合いで差がつきやすいのかもしれません。
後期選抜では山のピークが90点台で、3分の1が80点以上と信じられないようなことになっていますが、「もうこんなことはない」と考えておいたほうがよいでしょう。
しかし、前期選抜を見ても90点台以上が5%、80点台以上が17%と前出の国語・数学とは別物であることがわかると思います。
英語は上位生にとって最も高得点を狙える科目です。
上位校の受験生は満点を目指して十分な学習量を確保してください。
次回は「理科」「社会」「5教科合計」を見ていきます。
公立が第一志望なら、そろそろ公立の過去問を入手しましょう。
ただし、実施するのは未習事項がなくなってからです。
未習事項があるのに、早く取り組んでも得することはほとんどありませんよ。
千葉県公立高校5年間入試と研究(平成25年度用) |