公立後期選抜の志願状況が発表されました。
前々回のコラムで前期不合格者数と昨年までの「抜け」の状況から志願予想をしました。
実際に「抜け」がどの程度だったのかを確認しながら、上位校(普通科)の志願者数と倍率を見てみましょう。
・県千葉 (後期定員105名)
志願者数 304名(266名) 志願倍率 2.90倍(2.58倍) ( )内は昨年の志願段階の数字
過去3年間と今年の「抜け」の数と抜け率(過去の抜けは志願変更後の確定数)
09年 442−343=99名(22.4%)
10年 400−329=71名(17.8%)
11年 339−264=75名(22.1%)
12年 456−304=152名(33.3%)
前々回のコラムでは、例年並みの抜けならば3.5倍程度と予想していましたが、高倍率のためか想像以上に抜けましたね。
昨年の2倍も抜ければ倍率も下がります。
(抜け率33.3%ですから、前期不合格者の3分の1もの生徒が県千葉の受験をやめたことになります)
しかし、それでも3倍近い倍率です。
熾烈な競争になることは間違いないでしょう。
・県船橋 (112名)
志願者数 272名(247名) 志願倍率 2.43倍(2.17倍)
09年 412−337=75名(18.2%)
10年 381−315=66名(17.3%)
11年 327−238=89名(27.2%)
12年 381−272=109名(28.6%)
県船橋も県千葉と同様、高倍率を避けた受験生が多かったようで、100名を超える抜けが出ています。
2.43倍という倍率は、高倍率の常連である県船橋では例年並みだといってよいでしょう。
(もちろん、公立高校で「5人に2人しか合格できない倍率」は非常識だと思いますが)
・東葛飾 (145名)
志願者数 280名(372名) 志願倍率 1.93倍(2.86倍)
09年 331−310=21名(6.3%)
10年 353−355=+2名(+0.6%)
11年 445−357=88名(19.8%)
12年 330−280=50名(15.2%)
高倍率だった昨年ほどは抜けませんでしたが、私が予想したよりは多めの抜けが出ています。
2倍を超えない倍率が「東葛飾らしさ」でしょう。
(昨年が異常だったということです)
・千葉東 (145名)
志願者数 286名(209名) 志願倍率 1.97倍(1.62倍)
09年 351−283=68名(19.4%)
10年 439−340=99名(22.6%)
11年 321−218=103名(32.1%)
12年 377−286=91名(24.1%)
昨年は100名を超える抜けが出た千葉東ですが、今年はやや減りました。
それでも、前期不合格者の4分の1が抜けています。
1番手校全体の今年の傾向として「前期は強気で」「後期は確実に」という流れがあるのかもしれません。
・佐倉 (129名)
志願者数 222名(250名) 志願倍率 1.72倍(1.95倍)
09年 355−314=41名(11.5%)
10年 335−307=28名(8.4%)
11年 262−246=16名(6.1%)
12年 259−222=37名(14.3%)
14.3%は、佐倉にしては抜けたほうでしょう。
1.72倍という倍率は、佐倉人気に「本格的なかげり」が見えてきた証拠だと考えてよいのでしょうか。
・薬園台 (112名)
志願者数 231名(225名) 志願倍率 2.06倍(2.01倍)
09年 309−269=40名(12.9%)
10年 298−253=45名(15.1%)
11年 290−225=65名(22.4%)
12年 289−231=58名(20.1%)
前々回のコラムでは、「例年並みの15%程度の抜けなら2.2倍程度」「昨年並みの20%程度なら2倍程度」と書きましたが、昨年に近かったですね。
県船橋で抜けが大きかったのに、薬園台も抜けが大きいということは、地域全体で前期と後期で大きく動いているということでしょうか。
・市千葉 (112名)
志願者数 217名(229名) 志願倍率 1.94倍(2.04倍)
09年 315−253=62名(19.7%)
10年 398−302=96名(24.1%)
11年 263−216=47名(17.9%)
12年 271−217=54名(19.9%)
市千葉はほぼ予想どおりの抜けと倍率になりました。
・県柏 (112名)
志願者数 195名(130名) 志願倍率 1.74倍(1.16倍)
09年 222−185=37名(16.7%)
10年 283−236=47名(16.6%)
11年 154−148=6名(3.9%)
12年 225−195=30名(13.3%)
県柏もほぼ予想どおりになっています。
上位校全体の傾向としては、昨年は入試制度が変わったということもあり、例年とはやや違った受験生の流れがあったのに対して、今年は例年どおりのパターンに戻った感じがします。
高倍率の常連校は高倍率に、比較的落ち着いた学校は落ち着いた倍率になっています。
一部、例年と違うのは、県千葉の定員減の影響がはっきり倍率に出てきたこと。
そして、佐倉の人気にかげりが見えてきたことです。
もちろんこれらも、来年以降も見ていかなければ、どうなっていくかはわかりませんが。
27日(月)28日(火)には志願変更があります。
昨年は、上位校では大きく動く学校はありませんでしたが、今年は違う動きがあるかもしれません。
この週末に悩む人もいるでしょう。
ただ、悩んでいては勉強が進みませんから、決めるなら早く決めてさっさと勉強に打ち込みましょう。