こんにちは、さくらです。
昨日の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されていました。
今回は、この調査結果から「2012年公立入試の傾向」を読み取ってみたいと思います。
(この調査は県内私立入試の前に行っているので、私立の入試結果によって動く生徒の分は含まれていません)
まずは、公立1・2番手校の「進路志望調査」の結果をまとめておきます。
県千葉 (定員240名) 志望者650名 倍率2.71倍
県船橋 (280名) 志望者651名 倍率2.33倍
東葛飾 (360名) 志望者575名 倍率1.60倍
千葉東 (360名) 志望者672名 倍率1.87倍
佐倉(320名) 志望者458名 倍率1.43倍
薬園台(280名) 志望者507名 倍率1.81倍
市千葉(280名) 志望者501名 倍率1.79倍
県柏(280名) 志望者445名 倍率1.59倍
この数字はあくまでも「調査」であり、実際の「志願」とは異なります。
そこで、過去3年間の「調査」と実際の「入試での志願状況」を比較して、今年の傾向を考えてみたいと思います。
学校別過去3年間の「調査での志望者数」と前期選抜の「志願者数」および「実質倍率」
(10年までは特色化選抜で定員枠50%、11年は前期選抜で60%のため倍率は参考程度に見てください)
志望調査での「志望者」 → 前期選抜での「志願者」(増減、志願率)「前期実質倍率」
(「志願率」とは「調査での志望者数」をもとにしたときの「前期選抜志願者数」の割合です)
「県千葉」
09年 690名 → 621名 (−69名、90%) 3.63倍
10年 664名 → 568名 (−96名、86%) 3.40倍
11年 553名 → 513名 (−40名、93%) 3.35倍
12年 650名
「県船橋」
09年 674名 → 555名 (−119名、82%) 3.90倍
10年 611名 → 527名 (−84名、86%) 3.66倍
11年 645名 → 510名 (−135名、79%) 3.00倍
12年 651名
「東葛飾」
09年 549名 → 494名 (−55名、90%) 3.04倍
10年 609名 → 540名 (−69名、89%) 2.90倍
11年 652名 → 647名 (−5名、99%) 3.32倍
12年 575名
「千葉東」
09年 578名 → 520名 (−58名、90%) 3.09倍
10年 641名 → 610名 (−31名、95%) 3.61倍
11年 614名 → 518名 (−96名、84%) 2.67倍
12年 672名
見てわかるように、学校によって、また、年によって「志願率」にはばらつきがあります。
この調査の数字をだけを見て、「今年の志願者数」を予想するのは少し無理があるでしょう。
志望者数の推移から「今年は例年より多そう(少なそう)だ」くらいに受け止めるとよいと思います。
学校別に傾向を見てみましょう。
県千葉は、11年(昨年)より千葉中からの進学者のため、募集定員が2クラス分減りました。
また、昨年は公立入試の制度変更のため、全体に「安全志向」が高まっていました。
そのためか、11年は調査での志望者が前年より100名以上減っています。(実際の入試ではそこまでは減っていません)
今年は「定員減」「制度変更」の様子がわかってきたせいか志望者が復活しています。
実際の入試では、どの程度減っているかわかりませんが、厳しくなることは間違いないでしょう。
特に定員枠の少ない後期選抜では、かなりの高倍率になってしまうかもしれません。
県船橋は、昨年は高倍率がやや緩和されましたので、今年はその反動高が予想されていました。
しかし、調査の数字を見る限り志望者は大きく増えてはいません。
志願率が同じくらいなら、昨年並みの入試になりそうです。
東葛飾は、昨年の「志願率99%」が厳しかった入試を物語っています。(もちろん、志望者数も多いですが)
今年は予想どおり志望者が大きく減っています。
定員増と合わせて、倍率は相当に緩和されるでしょう。
千葉東は、県千葉を上回る志望者数ですが、募集定員が9クラスと多いので倍率はさほど高くはならないでしょう。
ただし、千葉東は「昭和秀英の合格者増」の影響を最も受けそうな学校です。
この調査の数字を見ても、10年(昭和秀英が定員増だった)の志願率が上がっているのがわかります。
(ちなみに県船橋も10年の志願率は上がっています)
多少の波乱は覚悟しておいたほうがよいかもしれません。
続いて2番手校を見ていきましょう。
「佐倉」
09年 541名 → 522名 (−19名、96%) 3.15倍
10年 516名 → 502名 (−14名、97%) 3.04倍
11年 464名 → 459名 (−5名、99%) 2.36倍
12年 458名
「薬園台」
09年 531名 → 460名 (−71名、87%) 3.10倍
10年 476名 → 444名 (−32名、93%) 3.06倍
11年 503名 → 462名 (−41名、92%) 2.71倍
12年 507名
「市千葉」
09年 497名 → 461名 (−36名、93%) 3.20倍
10年 559名 → 541名 (−18名、97%) 3.78倍
11年 506名 → 437名 (−69名、86%) 2.57倍
12年 501名
「県柏」
09年 429名 → 367名 (−62名、86%) 2.54倍
10年 509名 → 431名 (−78名、85%) 2.94倍
11年 400名 → 323名 (−77名、81%) 1.92倍
12年 445名
佐倉は、地域性なのか志願率が非常に高くなっています。
このくらい志願率が高いと、ほぼこのままの倍率になると考えてよいでしょう。
昨年は高倍率が一段落しましたが、今年も落ち着いた入試になりそうです。
薬園台、市立千葉もほぼ昨年並みの入試になりそうです。
県柏は、昨年、驚くほどの低倍率になりました。
今年は反動でやや増えてはいますが、高倍率といえるまでにはならなそうです。
県柏らしい落ち着いた入試になるのではないでしょうか。
1・2番手校以外では小金(志望者672名)の人気がすごいことになっています。
672名は千葉東と並んで普通科第2位の数字です。
(1位は幕張総合ですがここは普通の学校の2・3校分ですから、実質的には千葉東と同点1位といってよいでしょう)
「小金」
09年 424名 → 382名 (−42名、90%) 2.60倍
10年 541名 → 511名 (−30名、94%) 3.02倍
11年 549名 → 512名 (−37名、93%) 2.64倍
12年 672名
志願率の高めの学校なので、例年並みに志願してくると前期は3倍を超えそうです。
小金の復活は意外と早いのかもしれません。
また、昨年、志願者増になった船橋東は大幅減になっています。
「船橋東」
09年 520名 → 465名 (−55名、89%) 2.82倍
10年 496名 → 433名 (−63名、87%) 2.62倍
11年 518名 → 487名 (−31名、94%) 2.52倍
12年 360名
募集定員が320名ですから、後期では相当な倍率になってしまうかもしれません。
もっとも、後期選抜ではかなりの人数が動いてきているかもしれませんが。
ざっと見てきましたが、公立願書提出まで残り1週間ほどです。
ここで悩むことでプラスになることはひとつもありません。
こんな調査の数字は気にせず、初志貫徹で頑張ってください。
前期選抜がダメでも後期選抜があるのですから。