さくら進学クリニック 『進学コラム』

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「257.私立1番手校・前期選抜の結果」

こんにちは、さくらです。
県内私立前期選抜が終了しました。
昨年から私立前期と後期の間が少し空くようになったので、後期の願書提出まで前期の入試状況を考えてみることができるようになりました。
そんなわけで、今回は過去3年間と比較した「私立1番手校・前期選抜の結果」をまとめてみたいと思います。


まずは、前期選抜の志願者数の推移から見ていきましょう。


私立1番手校(併願)の4年間(09年→10年→11年→12年)の「志願者数」と「実質倍率」の推移

渋谷幕張  587名(3.39倍)→  639名(2.86倍)→  628名(2.39倍)→  669名(2.36倍)
市川     783名(2.69倍)→ 1080名(3.36倍)→  994名(3.03倍)→ 1106名(3.20倍)
東邦     711名(2.07倍)→   755名(1.99倍)→  699名(1.88倍)→  841名(2.36倍)
昭和秀英  878名(2.74倍)→ 1231名(2.40倍)→ 1080名(2.85倍)→ 1010名(1.81倍)

4校合計  2959名 → 3705名 → 3401名 → 3626名


臨時定員増で昭和秀英の前期定員が2倍(+50名)になった2010年は、昭和秀英だけでなく1番手校全体で「需要が喚起された」形になり、4校合計で前年比+746名と大幅な志願者増となりました。
志願者増と同時に前期の合格者も増えたので、市川をのぞく3校で倍率が下がりました。
(その一方で後期選抜の合格者は4校すべてで減少し、2010年は私立1番手校の入試が「前期にシフト」することが明確になった年であったように思います)


定員が例年どおりに戻った2011年は、公立の制度変更による「安全志向」のためか4校すべてで志願者を減らしました。
それでも、東邦を除いて2009年までは減っていないのは、定員増だった昭和秀英以外でも前期の合格者が増えてきていることが好感されたからかもしれません。
また、私立後期まで私立向けの勉強をしていたら、10日後にやって来る公立前期に向けた勉強が手薄になってしまうということから、「私立はできるだけ前期で確保したい」という志向があったのかもしれません。
(4校の合計では、前期の志願者が前年比−304名だったのに対し、後期では−433名と後期の減少の仕方が目立ちました)


そして、再び昭和秀英が臨時定員増(+40名)になった2012年は、昭和秀英を除く3校で志願者を増やす結果となりました。
昨年見られた、制度変更から来る「安全志向」がなくなったこと、
1番手校の入試が全体として「前期にシフトしている」こと、
そして、公立前期に向けて「できれば私立後期はパスしたい」という志向が重なったものと考えられます。


臨時定員増で志願者が増えてよいはずの昭和秀英だけが志願者減になった理由は、
「2010年の臨時定員増でも、思ったほどは倍率が下がらなかった」こと、
たとえ倍率が下がっても「私立1番手校向けの対策をしておかないと合格は難しい」ことなどが考えられます。
(私立1番手校向けの対策をしてきたのなら、2年続けて倍率が2倍を切っている東邦に挑戦したいと思っても不思議はないでしょう)


結果的には、昭和秀英は2010年の倍率を大きく下回り、対策が不十分だった受験生も合格を手にした可能性が高いでしょう。
思わぬ合格を手にした受験生が、この後の公立入試でどういう動きをしてくるのかは注目されるところです。(それについては後ほど)


次に、4年間(09年→10年→11年→12年)の「合格者数」の推移を見てみましょう。
渋谷幕張   172名 → 222名 → 261名 → 281名
市川      291名 → 321名 → 328名 → 345名
東邦      343名 → 380名 → 374名 → 357名
昭和秀英   320名 → 513名 → 378名 → 558名

4校合計   1126名 → 1436名 → 1341名 → 1541名


臨時定員増の昭和秀英は2010年を上回る合格者を出しました。
4年間の推移を見ると、東邦は2010年をピークにやや減少傾向ですが、残りの3校は一貫して増加傾向であることがわかります。
昭和秀英は臨時定員増の分を加味して考えています)
増加の割合は小さくなっているものの、私立1番手校入試の「前期へのシフト」は継続していると考えてよいでしょう。
そう考えると、後期選抜の合格者数は昨年並み以下の数字になるのかもしれません。


参考までに、昨年まで3年間(09年→10年→11年)の後期選抜の「合格者数」と「実質倍率」を載せておきます。

渋谷幕張   118名(3.94倍)→ 115名(3.85倍)→  82名(4.32倍)   
市川      176名(2.70倍)→ 158名(3.39倍)→ 163名(2.34倍)   
東邦      133名(2.41倍)→  72名(4.49倍)→  82名(2.85倍)
昭和秀英   166名(2.93倍)→ 131名(4.42倍)→ 121名(4.11倍)


私立1番手校の後期選抜では、優秀な受験生は前期で合格して抜けてしまうので、受験生の層は前期よりも若干低くなると考えられます。
それでも、上記のように年々合格者は減少傾向で、倍率は3倍4倍はあたりまえのような状況ですから、積極的に合格を狙っていける入試ではないといえます。


しかも、私立後期に向けて勉強を頑張るほど、公立に向けた理科・社会の対策は手薄になってしまいます。
よほど理科・社会に自信がないと、私立後期に全力を傾けるわけにはいかないでしょう。


公立第一志望の生徒にとって、私立後期の受験にはある程度のリスクを伴います。
私立後期の対策だけでなく、公立前期に向けた対策、さらに公立後期まで含めた作戦をトータルに考えていかないと、「私立も公立も共倒れ」という状態になりかねません。
私立後期に挑戦する人は、しっかりとした学習計画を立てておきましょう。


ところで、昭和秀英で運良く合格を手にした受験生は公立前期でどんな動きをするのでしょうか。
今年と同様に、昭和秀英の合格者が200名近く増えた2010年を見てみると・・・


千葉東が特色化選抜で520名→610名と90名の大幅志願者増(志願倍率は3.25倍→3.81倍)になっています。
昨年、大きく倍率を上げた東葛飾が前期107名増でしたから、それに近い増え方であったといえます。
(ちなみに、この年の千葉東は一般入試では県船橋を押さえて普通科最高倍率になっています)


今年の千葉東は「前年が低倍率」「臨時定員増」「内申比率の低下」と志願者を増やすための条件が揃っています。
実際のところは、ふたを開けてみるまでわかりませんが、千葉東志望者は少しだけ覚悟しておいた方がよいと思います。


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