11月も残りわずかになり、そろそろ中学校での三者面談も終わる頃かと思います。
受験校が確定すれば、「あとは勉強あるのみ」ですが、受験勉強は充実しているでしょうか。
冬休みという、まとまった勉強時間を確保できる期間はあるものの、私立前期選抜までは「わずか45日ほど」です。
ここで、場当たり的な勉強をしていては、かえって弱点を作ってしまうことになりかねません。
これから、冬休み、私立前期・後期選抜、公立前期・後期選抜と、次々イベントがやってきます。
どの時期に何をしていくのか、しっかり計画して勉強を進めていきましょう。
そこで今回は、これから入試までの勉強のポイントと心構えを挙げてみたいと思います。
・学習の中心は「過去問」と「弱点克服」
まず、私立の過去問は、冬休み前にほぼやり終えておきましょう。
過去問の目的は出題傾向を知ることです。
過去問を解いてみて、よく出題される単元が苦手分野の場合は、過去問を解いて終わりではなく、その単元を重点的に鍛えていく必要があります。
もちろん、残り時間を考えると、苦手分野すべてに取り組んでいけるわけではありません。
例えば、「図形問題がよく出ているけど・・・」だけでは不十分です。
図形は「平面か空間か」、「三平方か相似か円か」、細かい絞り込みをする必要があります。
細かく絞り込みをしておけば、短時間で克服していくことができます。
冬休みは弱点克服の最後の機会です、一つでも多く弱点を潰していきましょう。
そのためにも、過去問は冬休み前にやり終えてしまいましょう。
・12月中に理科・社会をほぼ完成させよう
受験生の心理として、1月に入ると目前に迫った私立入試を意識して、理科・社会どころではないという気持ちになります。
そのため、12月中には理科・社会を「ほぼ完成」させておかないと、公立一般入試に向けて不安を残すことになってしまいます。
平均点の低下で、かつてのような高得点は取りにくくなっているとはいえ、確実な得点を見込めるのは暗記中心の理科・社会・英語です。
この3科目で多く失点するようでは、公立高校の合格を勝ち取るのは困難でしょう。
暗記は短時間でも効果が出せますから、細切れの時間を活用して1か月間全力でこなしていきましょう。
・漢字練習は万全か
公立・私立を問わず、絶対に得点しなければならないのが「漢字」です。
千葉県の公立入試では、漢字だけで配点が16点もあります。(4年前までは20点でしたが)
上位校の受験生にとっては、この16点を落としたら「合格はない」と思いましょう。
後期選抜まで考えれば、まだ3か月以上ありますから、漢字が怪しい人は「今すぐ」練習を始めましょう。
冬休み前は、学校が早く終わる日もあると思います。
そんな日の午後を無駄にすることなく効率的にこなしていけば、まだまだ追い込みがききます。
また、社会でも漢字指定の出題が出てきています。
選択問題で正解できていても、漢字で書けるようになっているか、しっかり確認しておきたいものです。
ところで、公立上位校志望の受験生に知っておいて欲しいことがあります。
それは、入試が始まると、中学校では続々と進学先が決定する生徒が出てくることです。
その結果、クラスの雰囲気は急速に受験から離れていきます。
まず、私立前期選抜で私立単願組の生徒が受験を終了します。
(多くの私立高では、単願で入試相談が通ればほぼ確実に合格できますから、12月の段階で「受験は終わった」という生徒もいるでしょう。)
私立前期が終わる1月下旬で、多いクラスなら3分の1程度が受験を終えてしまうでしょう。
私立後期に単願はないので、ここで終わりになる生徒は少ないでしょう。
次は、公立前期選抜です。
昨年の特色化選抜では、全日制の全体倍率が2.2倍程度でした。
前期の定員が60%になる今年は、全体倍率は2倍を切る可能性が高いと思われます。
前期選抜が終わると、残っていた生徒の半数以上が受験を終了することになるでしょう。
公立前期選抜が終了した段階で、私立進学組と合わせて「クラスの3分の2以上」が受験を終了することになり、クラス全体としては「受験は終わった」という雰囲気になるはずです。
しかし、公立上位校では、昨年までと同様に3倍を超える倍率が予想されます。
3倍ということは「3人のうち2人」は後期選抜に再チャレンジしなければいけないということです。
上位校の受験生は、クラス全体とは全く違う状況に置かれるのです。
また、県内私立上位校も難関ですから、私立・公立前期と不合格が続くことも珍しくありません。
そんな中で、後期選抜での合格を目指して受験勉強に向かうためには、「志望校に合格したい」という「強い意志」が必要になります。
公立上位校志望者には、そのための心構えを持ってもらいたいのです。
特色化選抜導入後、上位校の入試は公立も私立も多数の不合格者が出る厳しいものになっています。
しかし、強い意志を持って乗り越えれば、4月から志望校での高校生活が待っているのです。
昨年も、一昨年も、先輩たちは、皆、そうして乗り越えて高校生になったのです。
それは、公立入試が前期・後期選抜になる今年も同じです。
「さくら進学クリニック」を読んでいる公立上位校志望の受験生たちには、重なる不合格や、受験が終わって楽しそうな同級生に惑わされることなく、「初志貫徹」してくれるよう願っています。
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