さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム195「三者面談を上手く乗り切るために」

10月に入り、中学校の三者面談までひと月ほどになりました。


実際の受験校を決めていく秋の三者面談は、「生徒・保護者」と「先生」との、思惑のぶつかり合いになります。
中学校の先生は、数々の三者面談を経験してきている「面談のプロ」です。
先生の言う通りに受験するならともかく、自分の意見を先生に認めさせなくてはならない人には「綿密な作戦」が必要になります。


そこで今回は、三者面談を「上手く乗り切る」ためのヒントを挙げてみたいと思います。


三者面談の目的


なぜ11月に三者面談があるのでしょう。
それは、12月中旬に私立高校の入試相談があるからです。


さくら進学クリニックをいつもご覧いただいている方なら、よくご存知だと思いますが、県内の私立高校には「学力試験で合否を決める学校」と「入試相談で(中学校の成績で)合否をほぼ決める学校」の2種類があります。
前者には10校ほどの上位校が、後者には残る大半の学校が属しています。
つまり、ほとんどの私立高の入試は12月中旬の段階で大勢が決してしまうのです。


中学校ではこの時期、12月中旬の入試相談に向けて、「どの生徒」が「どの私立高校」を受験するのかリストアップする作業に入ります。
そのための最終確認が三者面談なのです。


中学校の進路指導では「安全校」として「入試相談のある学校」を強くすすめられます。
(というより、入試相談のない学校は「安全校」として認めてくれないことが多いでしょう。)
入試相談でOKをもらえれば、ほぼ合格が約束されますから、受験生・先生ともに安心して受験ができます。
結果として、ほとんどの生徒が入試相談を利用することになります。


秋の三者面談では「安全校を決めること」が最大の目的なのです。


ところが、「この三者面談で、受験校はすべて決定ですよ」というような言い方をされる先生もいます。
中学校の先生にしてみれば、せっかく保護者に出向いてもらって面談をするわけですから、できればここで受験校をすべて確定してしまいたいと思うのは当然かもしれません。
もしも、志望校(「安全校」以外)に迷いがあるのなら、先生にその旨をはっきり伝え、相談にのってもらいましょう。
それでも、「ここで、今すぐ決めろ」と言う先生はいないと思います。


もっとも、最近は「安全校」さえ決まれば、あとは「自由にやってみなさい」という先生も増えてきているようです。
受験校数についても、以前ほどは「多すぎる」とは言わなくなってきているように思います。
内申書の作成が手書きからパソコンに変わり、私立高も「公立と同じ様式」でよいという学校が多くなってきているので、先生の事務的な負担が軽くなってきているのも一因でしょう。)


・「単願」の甘い誘惑


三者面談では、受験生と先生との間に意識の差が見られることがあります。
先生は「先生の立場」で進路指導をしなくてはならないので、どうしても譲れないこともあるでしょう。
先生側の考えをあらかじめ知っておけば、その対策も立てやすくなるはずです。


先生の最大の目標は、「一人の脱落者もなく、クラス全員がどこかの高校に合格すること」です。
「合格する」という意味では、先生と生徒の希望は一致しています。
しかし、生徒の希望は「志望校に合格する」ことであり、先生の希望は「どこでもいいから合格する」ことなので、質的には大きな隔たりがあります。
先生は本人の希望よりも、「いかに合格しやすいか」という点を重視して進路指導をしてきます。
その意味では、前出の「入試相談のある学校」をすすめるのは当然でしょう。


その最たるものが、私立高校の「単願(専願)」です。
市川のように単願でも学力試験のある学校(一部の上位校)を除くと、大半の学校では入試相談で話が通れば、そこで(事実上)入試を終わらせることができます。
(しかも、「併願」よりも低い基準でOKです。)
もちろん、受験するのは「その学校のみ」ということになります。
先生にとって「単願」は、「確実な合格」と「最小限の受験校数」のふたつを同時に実現する「素晴らしい」制度なのです。


さらに、受験生にとっても、「単願」は非常に魅力的な「甘い誘惑」です。
受験が現実のものとして見えてくるこの時期、受験生は誰しも、「今の実力」と「合格に必要な実力」のギャップに悩み、なかなか成果の見えてこない受験勉強に焦り、プレッシャーに押しつぶされそうになるものです。
しかも、それは一朝一夕で解決するわけではなく、受験が終わるまで延々続いていくのです。


「単願」は、その全てを一瞬のうちに解消してくれる「救世主」として受験生のもとにやって来ます。


しかし、上位校を目指す受験生にとって、「単願」は身を滅ぼす「悪魔の誘い」です。
多くの場合、「単願」で内定がもらえる学校は、自分の本来の志望より低いレベルの学校でしょう。
(入試相談のある学校は、上位校受験生にとっては、本来「安全校」ですから。)
しかも、早い時期に合格が約束されてしまうので、一般入試を経て入学してくる生徒に比べて、受験勉強の量が少ないまま高校生になることになります。
入学段階からそんなハンデを背負っているようでは、高校入学後の厳しい競争を勝ち抜くことはできません。
高校入学は「ゴール」ではなく「スタート」なのですから。


さらに長い目で見れば、高校受験という「自身を高めて、成果を獲得する」人生経験の場が、まったく生かされないことになります。
そんな形で高校生になってしまえば、次にやってくる大学受験や就職活動で苦労するのは目に見えています。
(ちなみに、高校を単願や推薦で入った生徒は、大学も推薦やAOで何とかしようとする傾向にあるように思います。そうなっては、ますます未来は危うくなるでしょう。)


もし、学校の先生から「単願」の話が来たら、安易に飛びついて決めてしまわずに、自分はその高校に進学することで「本当に満足なのか」よく考え、塾などに通っているなら、そちらでも相談してみるとよいと思います。


三者面談を成功させるために


三者面談で最も大切なことは、「自分はどこの高校に行きたいのか、はっきりと伝えること」です。


その際、先生にとっての最大の関心事は「安全校」ですから、第一志望の学校だけでなく安全校にしたい私立高校も、「必ず」合わせて伝える必要があります。
できれば、公立・私立とも受験したい学校をすべて挙げて(いわゆる併願パターンです)、先生の意見を聞きましょう。


また、私立は前期・後期を通しての併願作戦を先生に伝えましょう。


今年は前期試験と後期試験の間が空いているので、前期の結果をふまえて後期はどうするのか、例年よりも悩む時間があります。
しかし、後期試験と公立前期試験の間は短いので、そこまでの学習計画(私立向けor公立向け)を考えると、事前に併願作戦をしっかり立てておいたほうが安心です。
(成田のように、前期試験が始まる前に後期の願書受付が終わってしまう学校もありますし。)


受験したい学校名だけを伝えても、先生は「前期だけで終わりかな」ぐらいに受けとってしまう可能性があります。
後期も受けるつもりなら「前期がだめなら、後期も受けます」と、はっきり伝えるようにしましょう。


「安全校」については、前出のように入試相談が絡みます。
「入試相談の基準」と「現時点での成績」をもとに先生がアドバイスしてくれるはずなので、学校選択に悩むようなら、先生のすすめる学校の中から選択するのがよいでしょう。


その上で第一志望の学校については、自分の気持ちを強く伝えましょう。
特に、公立高校が第一志望なら願書を出すのは2月ですから、現状で合格ラインにとどいている必要は、必ずしもありません。
冬休みいっぱいくらいまでは志望を下げずに、頑張れるだけ頑張るくらいのほうが、実力アップもできるでしょう。
その場合、「遅くとも冬休み明けには最終判断をし、無理そうなら志望を下げる」ことを約束して、先生に理解を求めてください。
(まだ悩むようなら、私立入試の結果を見てから、公立の受験校を決めることだってできるのです。)


公立の共通問題では問題の性格上、受験生の実力がほぼそのまま出ます。(もちろん試験ですから、予想外の結果になることもありますが)
実力が足りないのに無謀な挑戦をしても、良い結果が得られることはほとんどありませんし、奇跡で合格しても、入学後、確実に苦労するでしょう。
最終的には、実力相応の学校を受験するのがベストだと思います。


多くの中学生にとって、高校受験は、自分自身の意志で決める「人生最初の選択」でしょう。
つまり、受験する高校が決まるということは、「人生の第1歩を自分の足で踏み出した」ことになるのです。
それだけの重みを噛み締めて、よくよく「考えて」「話し合って」、三者面談に臨んでください。


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