いよいよ、夏休みまで1週間となりました。
言うまでもなく、夏休みは「受験の天王山」です。
受験生の皆さんは、「何を」「何で」「どうやって」勉強していくのか考えているでしょうか。
今回は、夏休みの学習計画を立てるときのポイントを、いくつか話しましょう。
1.やり遂げられる計画を立てよう
学習計画の中身に入る前に、大切なことを言っておきます。
夏休みの勉強は、「弱点分野の強化」など「中身」の部分はもちろん大切です。
しかし、それと同じくらい、「達成感」という「メンタル」な部分も大切だと思います。
今年の夏休みは「辛かったけど、これだけはやり遂げた」という気持ちが、次への「自信」と「希望」につながるのです。
受験勉強は、夏休みで終わりではありません。
むしろ、過去の入試問題に着手していく秋以降のほうが、本当の意味での受験勉強だともいえます。
過去問を始めていくと、思うように得点することができず、くじけそうになることもあります。
そんな、厳しい秋の勉強に「自信と希望を持って」つなげていくための勉強が、夏休みの勉強なのです。
そのために、達成感の持てる、「やり遂げられる」計画を立てましょう。
とはいえ、上位校を目指す受験生なら、多少は無謀とも思える計画を立てることも必要でしょう。
以前より難易度が上がっている「公立共通問題」を考えると、この夏休みに「できる限り多くの問題に当たっておきたい」のは確かです。
そこで、絶対にやり遂げたい部分と、それ以外との、順位づけをしっかりしておきましょう。
計画通り進まず、途中で「修正」を迫られる場合があっても、「絶対にやり遂げたい部分」を優先していけば、「最低限の目標」が達成できるようにしておくのです。
(もちろん、「修正」することを前提に、勉強を「手抜き」してしまっては意味がありませんが。)
夏休みは「受験の天王山」とは言っても、「勉強ばかりの夏休み」が送れるとは限りません。
受験生だって人間ですから、やる気の湧かない日もあるでしょう。
そうした場合でも、「これだけは、この夏にやり遂げた!」と思えるものを中心に据えた計画にしましょう。
2.問題集を解こう
夏休みの勉強は、教科書や参考書をダラダラ読んでいてはいけません。(そんな勉強なら、しないで遊んでいたほうがましです)
問題を解くことで「出題パターン」を身につけ、実戦力を養っていきましょう。
理科・社会のような暗記科目も、問題を解くことで「覚えている・いない」を整理でき、能率よく暗記ができます。
まず問題を解き、覚えていないものを抜き出した上で、ひたすら覚えましょう。
どんな問題集をやるのかは、学校や塾の先生(あなたの実力をわかっている人)に相談して、あなたの実力・志望校に合ったものを紹介してもらうとよいでしょう。
一般論を述べれば、上位校志望者(公立2番手校レベル以上)なら、後述する、旺文社の「全国高校入試問題正解」がお薦めです。
志望校が中位校までなら、夏は基礎固めがメインになりますから、同じく旺文社の「正答率50%以上の入試問題シリーズ」がお薦めです。
(「正答率50%以下シリーズ」と間違えると、ひどい目に遭いますのでご注意を。)
このシリーズは、「みんなができる問題」ばかりが載っています。
上位校を除く公立入試では、「みんなができる問題」を自分も正解すれば合格できるので(倍率が2倍を超えなければ、受験者平均点を取れば合格です)、このシリーズは持ってこいです。
ページ数も決して多くはないので、「夏休み中に5教科仕上げる」など無謀なことをしなければ、最後まで終わらせて達成感も味わえるでしょう。(もちろん実力もつきます!)
書店で買えなければ、サイドバーの「おすすめ本」からもアマゾンで買えます。
3.苦手科目・苦手単元の克服をしよう
科目の中での苦手分野がわかっているなら、苦手分野を集中して訓練しましょう。
その場合、克服する分野はできるだけ絞り込んでおきましょう。
手を広げすぎてしまうと、「どれも終わらなかった」なんてことにもなりかねません。
例えば、数学が苦手だからといって、「中1〜中3の数学を全部復習しよう」などという目標を立ててはいけません。
「方程式」と「関数」を克服しようなど、単元を絞り込み、集中して練習することが成功のカギです。
どうしても単元の絞り込みが難しいなら、前述の「50%以上シリーズ」のような、薄手の問題集を選びましょう。
苦手克服を目指して達成できないと、ますます苦手意識が増大しかねません。
やるからには「必ず終わる」計画を立てましょう。
4.夏期講習は復習までやって完成
夏休みは、塾の夏期講習に参加する人も多いと思います。
ほとんどの塾では、夏期講習に「重要単元」を組み込んでいるはずですから、かなりの実力アップを図ることができるでしょう。
ただし、それは「復習ができて」のことです。
塾に行くだけで実力がアップするなら、そんな楽なことはありません。
しかし、あなたの周りにいる「塾に通っている生徒」が、みんな優秀というわけではないでしょう。
塾も使い方を誤っていては、十分な成果を出すことはできないのです。
塾で学んできたことを、確実に「定着」させるために、必ず復習するようにしましょう。
「復習って、何をどうすればいいの」という人は、塾の先生に聞いてみましょう。
その塾にあった方法を、アドバイスしてくれるはずです。
5.上位校志望者は総合的・実戦的な演習をしよう
上位校志望であれば苦手科目・分野はあっても、「基礎の抜け」はほとんどないと思います。
それならば、多少の苦手は気にせず、単元を限定しない実戦演習を数多くやって、総合力をアップさせていきましょう。
使う教材は、旺文社の「全国高校入試問題正解」(通称「Tel帳」)が一番です。
これには、全国の公立高・主要国私立高の問題が掲載されていますが、公立の問題だけでも大変な実力がつきます。
(公立だけでも47都道府県+αで、かなりの量になります)
これを5教科全て解き終えることができたら、県千葉高も楽勝(共通問題だけなら)でしょう。
夏休みの段階では、どの科目も未修単元があるでしょうから、未修単元があっても、あまり困らない国語・社会から始めることを薦めます。
塾に通っているなどで、英語の文法事項をほぼ終えているなら、英語もお薦めです。
数学・理科は知らないと解けないものも多いので、全てこなすことを目標にはせずに、既修の単元のみに絞ってやってみましょう。
(理科は、暗記中心の単元だけを選んでやるのもよいでしょう。)
Tel帳は、全科目を並行してできるほど楽な教材ではないので、どの科目から取り組むのか(得意科目からか、苦手科目からか)しっかり考えて始めましょう。
それは、この夏に苦手を克服したいのか、得意科目に磨きをかけたいのかで変わってくるはずです。
入試まで見通して考えれば、千葉県の公立入試は暗記中心の科目(英語・理科・社会)で、高得点できるかが勝負の分かれ目ですから、Tel帳も英語・理科・社会の3科目にウエイトを置くのが、「最小限の努力で最大限の効果が出る」使い方だと思います。
(国語・数学に大きな弱みがないことが前提ですが)
いずれにしても、「時間」と「やる気」がいる教材ですので、しっかり計画を立ててから取り組みましょう。
また、1冊ずつより、3科セット・理社セットの方が割安ですが、やりきれなければ無駄になってしまいます。
(3科セットは「まさに昔の電話帳」といった感じで、分厚く重いので使い勝手はよくありません。)
決して安いものでもないので、よく考えてから購入しましょう。
まずは、この夏休みに「何を」したいのか、自分の方向性を絞り込んで(これが大切)計画を立ててください。
計画を立てたら、あとは頑張るのみです。
皆さん、頑張って下さい。
公立上位校志望者「必携」のアイテム、全国高校入試問題正解(通称Tel帳)の2011年受験用が出ました。難易度が上がり「努力量の差」が出るようになった共通問題の対策に、これで十分な学習量を確保しよう!
旺文社
公立上位校志望の受験生に、お得な3科セット。
夏休みから入試まで、この1冊でOK。
「理社セット」「科目別分冊」は左サイドバーの「おすすめ本」から。
ランキングに参加しています。よろしければクリックお願いします。