さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム189「千葉県私立高入試の概要 1番手校編」

今回は、「私立1番手校」の最近の特徴と入試の概要について書きます。


学校ごとの話に入る前に、昨年の県内私立高入試全体で気になった点を何点か挙げてみましょう。


昨年は、県内全体の中学校卒業者数が増えるということで、臨時定員増になった学校(上位校では昭和秀英日大習志野)がありました。
定員増になっていない学校でも、合格者を増やしたところが多くありました。


また、前期選抜での合格者を増やし、後期選抜では減らす傾向がさらに強まりました。
(後期選抜の「2次募集化が進んだ」と言ってもよいでしょう。)


結果的に、募集定員(特に後期選抜)の「いいかげんさ」が目立つことになりました。
(例えば、昭和秀英・後期では、定員が10名増えたにもかかわらず、合格者は35名も減っています。)
受験生が志望校を決める際には、当然、募集定員をチェックすると思いますが、むしろチェックすべきは「合格者数」や「倍率」であり、募集定員は「形だけ」のものと思った方がよいでしょう。


では、学校ごとにまとめていきます。(倍率・大学合格者数などは「各校のホームページ」と「市進出版の高校受験ガイド」を参考にしています。)


渋谷教育学園幕張


過去3年間の倍率(倍率は各校とも「併願」の倍率です)

08年 前期 2.66倍 後期 3.34倍 
09年 前期 3.26倍 後期 3.94倍
10年 前期 2.78倍 後期 3.85倍


東大合格者数は08年の35名を大きく上回る47名と、もはや「県内に敵なし」の状況です。
入試でも、難易度も倍率も高い「県内最難関校(公立含め)」だと言ってよいでしょう。
合格するためには、公立御三家を前期選抜で「楽々」突破できる程度の実力が必要だと思います。


2010年前期は合格者を前年より49名増やしたため、倍率は3倍を切りました。
もっとも、受験生のレベルは非常に高いので、易しくなったなどとは言えないでしょう。


それでも、県千葉志望ならば、高校入学後のことを考えて挑戦してみる価値はあります。
特に前期は5科入試なので、「私立レベル」の理科・社会の訓練が必須です。
私立レベルの理社となると出題校が限られるので、必然的に難関国私立高の問題にも取り組むことになり、難関国私立高受験者に太刀打ちできる実力を養えるでしょう。


ただし、安易な受験は不合格をもらうだけになります。
挑戦するなら、しっかり勉強をして覚悟の上で受験しましょう。


・市川


過去3年間の倍率

08年 前期 3.87倍 後期 2.44倍 
09年 前期 2.69倍 後期 2.70倍
10年 前期 3.36倍 後期 3.39倍


今年、市川は2回目の女子の卒業生を出しました。
昨年に続き、千葉大の合格者が20名→30名と増加するなど、国公立大への合格者数が増えています。
また、早慶の合格者数も増えており、現役進学率も上がっていることを考えると、共学効果は「てきめん」だったといえます。
入試難易度の上がりようを考えれば、まだまだ実績向上が期待できると思います。


市川は創立以来、「自分による教育=第三教育」を教育方針にしてきました。
それは、「自由放任」につながり、「低い現役進学率」を生んでいたようにも思います。
しかし、共学化と同時に、「現役進学率70%以上」などの数値目標を設定して、「勉強させる学校」になろうとしているように感じます。
今では、「私立1番手校」の中で最も面倒見の良い(勉強させる)学校といえるでしょう。


入試では、男子校時代には毎年「1倍台」だった倍率が、「3倍は当たり前」の受からない上位校に変わってしまいました。
日大習志野との重複が解消された2010年前期では、再び3倍台の倍率となり、厳しい入試だったと思われます。
(都内私立高の併願推薦廃止にともなって、都内からの受験生が増加した可能性も高いです。)


レベル的には渋谷幕張に迫る状況です。
船橋レベルの受験生では、不合格になる可能性の方が高いと思われます。
昔のイメージで受験することのないよう、十分な準備をして臨みましょう。


東邦大学付属東邦


過去3年間の倍率(専願含まず)

08年 前期 1.96倍 後期 2.42倍
09年 前期 2.07倍 後期 2.41倍
10年 前期 1.97倍 後期 4.49倍


2010年の上位私立高入試で、最もショックだったのが東邦後期の4.49倍です。


さくら進学クリニックでは、公立1番手校との併願校に東邦を薦めてきました。
倍率が低め(2倍前後)な東邦は、現実的に合格を狙っていけるからです。
(2人に1人が合格する「私立1番手校」は東邦しかありません。)
たとえ訓練目的の受験であっても、合格したほうがよいのは当然です。


しかし、それは前期選抜だけの話で、後期選抜では東邦でも「番狂わせがある」ということを思い知らされました。
もはや後期選抜は2次募集と思ったほうがよいのでしょう。


それでも、前期に限れば、やはり東邦がお薦めなのは変わりません。
また、東邦は理科を含む4科入試ですから、5科入試の渋谷幕張ほどではないにしても、難度の高い理科の問題をこなすことで、相当な訓練が積めるでしょう。
ただし、倍率が低いとはいっても受験者のレベルは高く、少数激戦の入試であるともいえます。
船橋に合格するより、東邦に合格する方が難しいという現実は認識しておきましょう。


ちなみに、東邦は併設大学が医・薬・理学部を持つ理系大学なので、普通の高校に比べて理系志望者(特に医薬系)が多いのが特徴です。(同校HPによると理系7割・文系3割だそうです)
ただし、東邦大学に内部進学する生徒はごく少数です。
(市進のガイドによると、今春の推薦進学者は医8、薬2、理1の計11名となっています。もっとも、東邦大医学部の定員は100名なので、大学にとっては、1割近い生徒を送り込む「付属」の存在は大きいでしょう。)


昭和学院秀英


過去3年間の倍率

08年 前期 3.51倍 後期 2.62倍 
09年 前期 2.74倍 後期 2.93倍
10年 前期 2.40倍 後期 4.27倍


昭和秀英は、2010年入試では臨時定員増(前期50名→100名、後期30名→40名)に沸き、話題を独占しました。
前期では、合格者を前年320名→513名と193名多く(60%増)出し、「受け得」感がありました。
ただし、応募者も増えたので倍率はさほど下がりませんでした。
(もっとも、増えた応募者の多くがチャレンジ層と思われるので、受験者層も合格者層も下に広がったと思われます。)


ところが、後期では166名→131名と合格者をむしろ減らし、受験生を落胆させました。(倍率も急上昇しました)
後期選抜は募集定員も関係ない「何でもありの入試」だということを、東邦に続いて思い知らされました。
(奇しくも、東邦と秀英の後期発表日は同日であったので、2010年1月29日は忘れられない日になりました。)


2011年は、募集定員も元に戻るので、例年並みの入試に落ち着くと思われます。
昭和秀英は、例年、前期・後期ともに東邦と同日なので、個人的な意見としては、「公立1番手校」との併願なら、秀英より東邦のほうが(倍率と進学者のレベル差を考えると)お薦めです。
東邦より若干(本当に若干でしょう)難易度は下がるので、「公立2番手校」志望者が挑戦校として受けるのなら、良い目標になると思います。(ただし、倍率は高めなので、そう簡単には合格できませんが)


昭和秀英は「私立1番手校」の中で、唯一、女子の多い学校です。
それだけに、現役進学率はやや高め(75%前後)です。
現役で進学するために、無理な挑戦をしていないと思われるので、超難関大学には弱い印象ですが、真面目で「コツコツ型」の生徒には向いている学校だと思います。(卒業生数を考えると、大学実績で市川・東邦に負けてはいないと思います。)


あと、渋谷幕張と隣同士なので、気にする人はいるかもしれません。


「私立1番手校」の主要大学合格者数(現浪込み)(各校ホームページに掲載の数字)
渋谷幕張 東大47 一橋大12 東工大6  千葉大39 早大173 慶大149(卒業生341名)
市川    東大5  一橋大5  東工大5  千葉大30 早大136 慶大65 (卒業生506名)
東邦    東大2  一橋大4  東工大17 千葉大27 早大93  慶大55 (卒業生424名)
昭和秀英 東大1  一橋大3  東工大0  千葉大19 早大67  慶大45 (卒業生277名)


私立1番手校は、渋谷幕張を除き、単願(専願)や第一志望の入試を行っています。
少なくない人数が単願で入学していますので、「併願の偏差値」=「入学者のレベル」ではないことを認識しておいて下さい。


次回は私立2番手校編です。



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