さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム180「2011年入試からの新しい選抜制度について」

今年から、公立高校の入試制度が大きく変わります。
新学年のスタートに、県教育委員会から発表されている「2011年以降の新しい入試制度」について、まとめておきたいと思います。
黒文字と赤文字は、県教委から発表されたものです。(多少、わかりやすく再構成しています)
青文字は、私の解説・意見です。


平成23年度以降の県立高等学校入学者選抜の選抜方法や選抜日程の細部については、千葉県公立高等学校入学者選抜方法等改善協議会における協議等を踏まえ、下記のとおりとします。
なお、日程は平成23年度の県立高等学校入学者選抜のものとしています。


1 選抜の内容等


(1)前期選抜(現行の「特色化選抜」にあたる選抜)


ア 検査日程

検査日 平成23年2月15日(火)、16日(水)
発表日 平成23年2月22日(火)


平成22年の特色化選抜(検査2月5日、発表12日)より、10日遅い日程になっています。


イ 選抜枠

普通科については、募集定員の30%以上60%以内
専門学科及び総合学科については、募集定員の50%以上80%以内
なお、入学許可候補者内定者数は、各高等学校の設定した選抜枠に基づく予定人員を超えないものとする。


前期選抜の選抜枠は、昨年までの特色化選抜でほとんどの学校が最高の50%であったことから、普通科では60%とする学校が大半になると考えられます。


ウ 検査内容

第1日 5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の学力検査で、1教科50分、共通問題とする。
第2日 各高等学校において、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による検査及びその他の検査のうちからいずれか一つ以上の検査を実施する。


現段階で不透明なのが2日目の検査内容です。
県としては、進学校を中心に学校独自問題をやってもらいたいと考えているでしょう。
しかし、実施する高校側では、「1日目に学力検査を行っているのに、さらに学力試験をする必要があるのか」という意見が出ると思います。(昨年・一昨年の一般入試の問題難易度を考えると、余計にそう思います)
独自問題を作成する労力を考えると、「やりたくない」学校が多くなるのではないでしょうか。
このあたりは、6月ごろ発表になるという「高校ごとの検査内容など詳しい選抜方法」を待つしかありません。


エ 期待する生徒像

「各高等学校が定める志願要件」を、「各高等学校の期待する生徒像」にかえる。


これは、お役所らしい言葉の遊び(失礼)ですね。


オ 志願理由書

志願者の志願動機を明確にするため、志願理由書に志願理由記載欄と自己アピール記載欄を設ける。


個人的には、志願理由書は受験生の負担を大きくするだけなので(それでいて、合否にはほとんど関係ないと思われる)廃止して欲しかったのですが、県教委としては前期選抜は「推薦入試の流れをくむ」イメージにこだわったようです。


カ 選抜方法

「第1日の5教科の学力検査の成績」、「第2日の各高等学校において実施した検査の結果」、「調査書」等を資料とし、各高等学校が総合的に判定して入学者の選抜を行うものとする。
なお、調査書評定の扱いについては、算式1を使用するものとする。


昨年までの特色化選抜で、学校ごとに使用するかしないかを選択することになっていた算式1は、全校で使うことになるようです。(上位校では、実質、全校使用でしたが)


引っかかるのが「各高等学校が総合的に判定して選抜を行う」という部分です。
昨年までの特色化選抜と同様に「各校が決定する」となれば、選抜要件が「あいまいな形」でしか公表されないことになり、混乱を招くことは必至と思われます。
受験生にとっては、「1日目の学力検査」と「2日目の独自検査」と「調査書」の点数配分がはっきりしていないと、大きな不安材料になるでしょう。


そもそも、前期選抜での定員枠が半数を超えるわけですから、公立高入試の中心は明らかに「前期」になるのでしょう。
すなわち、「前期」が「一般入試」に、「後期」は「定員が多めな2次募集」のようになっていくと考えられます。
(実際、一足先に「前期・後期」になった私立高入試は、そうなりつつあります。)
それならば、昨年までの一般入試のように、全県で統一した選抜方法を採り、内申と学力検査の比率など、受験生にとって重要な選抜要件を明確に公表するべきでしょう。


内容的には、「前期・後期」と「特色化選抜・一般入試」は入れ替わっているのに、順序が一緒だからと、実施方法は「前期=特色化」「後期=一般」にしているところに、制度の歪みが出ているように思います。
とは言っても、決まってしまっていることを、どうのこうの言ってもしかたがないので、「各校が総合的に判定する選抜方法」を、昨年までの特色化選抜のような、あいまいな表現でなく、明確に、早めに発表してくれることを望みたいです。
(例えば、統一問題500点+独自問題300点+内申135点などと、点数配分を明確に公表してくれるなら、「各校が決定する」でもよいと思います。)


(2)後期選抜(現行の「一般入試」にあたる選抜)


ア 検査日程

検査日 平成23年3月2日(水)
発表日 平成23年3月8日(火)


平成22年の一般入試(検査2月25・26日、発表3月4日)より、5日ほど遅い日程になっています。


イ 募集人員

募集定員から、前期選抜の入学許可候補者内定者を減じた人数


ウ 検査内容

5教科(国語・数学・英語・理科・社会)の学力検査で、1教科40分、共通問題とする。
また、各高等学校が必要に応じて面接等を実施する。


エ 選抜方法

「5教科の学力検査の成績」、「面接等を実施した高等学校については、その検査の結果」、「調査書」等を資料とし、各高等学校が総合的に判定して入学者の選抜を行う。
なお、現行の算式1および2は継続して使用し、Kの値は1以上の数値とする。
現行の「学力検査等による入学者選抜」におけるA組、B組の判定の仕組みを継続する。


後期選抜では、現行の「一般入試」と、ほぼ同じ方式が採られるようなので、混乱は少ないと思われます。
ただし、40分の試験ということで、問題数や難易度設定など、多少の試行錯誤があるかもしれません。


全体的には、複数回の入試があることは変わらないため、高倍率になることは避けられず、不合格者が大量に出ることになります。
また、後期選抜での定員が減るため、前期で不合格になった受験生の気持ちが心配です。
前期選抜で60%も採ってしまうと、残った定員はわずか40%です。
定員の残りが半分を切っていると、受験生には「残る枠は少ない」と感じられるでしょう。


私立高入試で私立単願者が入試を終え、公立前期選抜で定員の6割が合格すると、残っている受験生はクラスの4分の1程度ではないでしょうか。
クラスの大半が受験を終え卒業気分になる中で、後期選抜に向けモチベーションを維持していくことは、大変、難しく苦しいことでしょう。
しかも、定員は今よりも減るわけですから、倍率は間違いなく上がると思われます。
上位校を目指す受験生は、現行制度以上に厳しい入試を強いられそうですので、心しておいた方がよいでしょう。


2 平成23年度県立高等学校入学者選抜の日程について


(1)前期選抜


ア 入学願書等提出期間

平成23年2月7日(月)〜平成23年2月8日(火)午後4時


イ 検査の期日

平成23年2月15日(火)、16日(水)


ウ 選抜結果の発表

平成23年2月22日(火)午前9時


エ 入学確約書の提出期間

平成23年2月22日(火)〜平成23年2月23日(水)正午


入試が遅くなったことで、確約書の提出期限が、ほぼ全ての国私立高校の発表後になります。
県千葉をはじめ、最上位グループでは辞退者が増えると思われます。


オ 入学許可候補者の発表の日時

学力検査等による入学者選抜とあわせて発表する。


(2)後期選抜


ア 入学願書等提出期間

平成23年2月23日(水)〜平成23年2月24日(木)正午


イ 志願又は希望の変更受付期間

平成23年2月25日(金)〜平成23年2月28日(月)正午
(ただし、2月26日(土)、27日(日)は除く。)


前出の、「制度の歪み」が志願変更でも感じられます。
昨年までも、特色化選抜の志願状況を見れば、一般入試の志願傾向は大体読むことができました。
さらに、後期選抜は募集の中心を前期選抜に譲った形になっているだけに、志願変更の必要性があるのか疑問です。
実施するならば、むしろ前期選抜の方が意義があると思います。


ウ 検査の期日

平成23年3月2日(水)


当初の案よりも1日だけ前倒しされました。
前出のように、志願変更を止めれば、あと2・3日は前倒しできるはずです。
中学校側からすれば、入試が2月中に終わるのか、3月にずれ込んでしまうのかは、卒業式の準備などを考えると大きな違いがあるでしょう。


エ 入学許可候補者の発表の日時

平成23年3月8日(火)午前9時


協議では、合格発表までの期間が長すぎるという意見も出たようです。
私立高入試では、発表は試験の翌日か翌々日が普通であることを考えれば当然でしょう。
後期選抜が40分の試験ということを考えれば、せめて4日程度で発表すべきだと思います。(平成23年のように週末にかかってしまうと、同じになってしまいますが)
(ただし、公立高入試では後日、結果が開示できるので、間違いのないよう慎重に選抜をしたいということはあるでしょう。)


以上が、現在、発表されている2011年からの新制度の概要です。
6月ごろに予定されている、「高校ごとの検査内容など詳しい選抜方法」が発表されましたら、また、解説したいと思います。


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