さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

 千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです
 受験勉強のやり方など勉強に関するアドバイスは、もうひとつのブログ さくらweb進学塾 に掲載しています
 高校受験Q&A、上位校の入試状況などは さくら進学クリニック にまとめています

 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

 さくら進学塾のホームページ に進学コラム特別編「公立上位校受験は普通の高校受験とは違う」を掲載中です

 さくら進学塾では3月より新年度授業を開始しています
 現在、中2・中3生を募集しています
 詳しくは>>さくら進学塾のホームページ をご覧ください

進学コラム155「併願パターンの研究」

ご無沙汰している間に、三者面談の時期が近づいてきました。
今回は「併願パターン」の研究をしたいと思います(お待たせしました)。


県内私立高校の入試日程は、ほぼ固定されているので、併願パターンといっても、毎年そう変わるわけではありません。
しかし、今年は例年にない変更点があります。

昭和秀英が臨時定員増になっていて、倍率が大幅に緩和されそうなこと。」

「例年、県内最大級の入試を行う(2千人も受験する)日大習志野八千代松陰が、前期・後期ともに重複していること。」(後期は従来も重複していましたが)

そして、これは変更点ではありませんが、
「例年以上のインフルエンザ流行リスクがあること。」

これらを消化して併願パターンを組んでいくのは、近年にない難事業です(笑)。


昨年までと同様に、最も志望者が多いと思われるパターン、「上位公立高校が第一志望」である場合について考えていきます。
具体的には、「県立船橋高校(普通科)が第一志望」で、どこの私立に受かろうとも県船橋を受験し、合格したら県船橋に進学するという受験生の場合を考えます。


・「上位校のグループ分け」


まず、併願パターンを考えていくための基礎知識として、「上位校のグループ分け」(あくまで私の個人的分類です)についてお話しておきます。

千葉県の上位校を6つのグループに分類します。


「公立1番手校」 (今後「公立1」と略、以下同様)県千葉・県船橋東葛飾・千葉東
  「私立1番手校」 渋谷幕張・市川・東邦大東邦昭和秀英
「公立2番手校」 佐倉・薬園台・市立千葉・県柏
  「私立2番手校」 芝浦工大柏・専大松戸日大習志野、補欠で国府台女子学院・成田
「公立3番手校」 市立稲毛・八千代・船橋東・小金・幕張総合・成田国際など
  「私立3番手校」 八千代松陰流経大柏・千葉英和など、入試相談のある学校


以上のようにグループ分けすると、公立と私立が階段状(ジグザグ)にレベル分けされ、関係がわかりやすくなります。
公立高校が第一志望の場合、第一志望の上下のグループから併願する私立高校を選んでいけば、併願パターンができあがります。


例えば、「公立2」に属する佐倉が第一志望の場合、すぐ上の「私立1」に属する市川は「チャレンジ校」になり、すぐ下の「私立2」の日大習志野は「次善校」に、「私立3」の八千代松陰は「安全校」になるわけです。
「公立3」に属する船橋東が第一志望ならば、「私立2」の日大習志野に合格できたら、そのまま日習に入学してしまうか、公立を1ランク上げて「公立2」の薬園台にチャレンジすることが多いでしょう。

ただし、「私立1」の渋谷幕張が「公立1」の千葉東志望者には完全に「チャレンジ校」になっていたり、「公立2」の佐倉と県柏ではほぼ1ランクのレベル差があったりするなど、無理矢理な部分もあります。
このグループ分けは、併願パターンを考える上での「大まかな参考に」と考えてください。


・「県船橋受験生の安全校」


「安全校」は「必ず合格できる学校」でなくてはなりません。
県千葉、県船橋といった県内最上位校の受験生でも、中学校の先生は「必ず合格できる学校」として「入試相談」のある学校の受験を勧めるでしょう。
中学校の先生がOKを出してくれないと三者面談が終わりませんから、「安全校」は「私立3」の中から選ぶものだと思っておきましょう。


船橋受験生の場合、地理的に考えると「安全校」は八千代松陰で決まりでしょう。(厳しめの生徒指導が嫌で、千葉英和を選ぶ人はいると思いますが)
ただし、今年は前期・後期とも日大習志野と重複するので、悩ましいところです。
入試相談のある学校(八千代松陰、千葉英和など)は、相談の基準を満たしていれば、前期で受けても後期で受けても合格は約束してくれるので、前期で重複するのなら「安全校は後期で」というのも、ひとつの方法だと思います。


女子であれば、国府台女子(普)や江戸川女子を「安全校」に使うことができるので選択の幅が広がります。

国府台女子(普)は「私立2」の補欠に入れていますが、前期選抜には「入試相談」があります。
学校側では「試験重視」と言っていて、実際、少ないですが不合格者も出ているので(09年は2名、08年は4名)「100%合格を約束」とはいえませんが、県船橋レベルの受験生が不合格になることは「まず無い」と思われます。
中学校の先生がOKを出してくれさえすれば「安全校」として使えるでしょう。


後期は「一般入試」ですから、「安全校」としては使えませんが、前期での成果が思わしくなかったときの、「限りなく安全校に近い次善校」として心強い存在になっています。


江戸川女子は「入試相談」でOKをもらえれば、2類(本当はローマ数字ですが、文字化けするのでアラビア数字で書きます)での合格は約束されます。
3類で合格するためには、入試でそれなりの点を取る必要がありますが、県船橋レベルの受験生なら十分可能でしょう。(そのあたりは、八千代松陰の「IGSコース」や、千葉英和の「特進コース」と同じです。)


ちなみに、江戸川女子は東京といっても、江戸川を渡ればすぐの「ほとんど千葉」です。
都内校なので入試日程が県内とかぶることがなく(都外生向け併願推薦が1月23日、一般入試は2月10日です)、県内私立高との併願作戦が立てやすいのが利点です。
今年は八千代松陰と重複する日大習志野でも、「安全校」を江戸川女子にしておけば、前・後期とも受験することができます。
また、江戸女は延納手続き無しで公立まで待ってくれるので、江戸女のみしか合格していなくても延納金は必要ありません。


大学合格実績も、早慶など難関私立にまずまずの数を出しています。
少なくとも県内の「私立3」レベルの学校よりずっと上といえるでしょう。(早慶に限れば、「私立2」の中に入ってもトップです)

女子校が嫌でなければ(さらに言えば、勉強面でも生活面でも厳しい校風が嫌でなければ)、江戸川女子はかなり使える学校といえます。


・「私立1番手校」を受験しよう


船橋志望の受験生にとって「私立1」の4校は「次善校」にはなりません。
正確なデータがあるわけではありませんが、県船橋合格者で「私立1」を併願した生徒の併願成功率は、50%を割っていると思います。(特に渋幕・市川は厳しいでしょう)

では、県船橋受験生にとって、「私立1」を受ける受けないは本人の「好みの問題」なのかというと、「進学コラム147 千葉県私立高入試の概要 その1」でも書きましたが、個人的には受けるべきだと思います。


それは、入学後のことを考えれば、高校受験の段階で後れを取りたくないからです。


船橋は県内トップレベルの高校です。
県千葉にも合格できる力がありながら、地理的条件から県船橋に入学した生徒が、1クラスに何人もいるでしょう。
中には国立大付属や開成・早慶付属など超難関校に合格しながら、県船橋に入ってくる生徒も(県千葉ほどではないにしても)いると思います。


高校はゴールではありません。
合格したときから次のレースが始まっていると思えば、スタートで出遅れることは得策ではないのです。
そのためにも、県船橋合格だけを目標にしないで、「私立1」合格も同時に目標にしたいものです。
私立高レベルの難度の高い問題を多くこなしていけば、県船橋高校でやっていけるだけの実力も同時に養えるでしょう


今年は昭和秀英・前期で定員が倍増になっているので、例年よりは挑戦しようという気になれるんじゃないかと思います。


・理想的な併願パターン


併願パターンの前に、県内私立高校の入試日程(併願のみ)を確認しておきます。


「前期選抜」
1月16日 市川・専修大松戸・千葉日大一・千葉英和
1月17日 東邦大付属東邦・昭和学院秀英専修大松戸・国府台女子学院・日出学園
1月18日 渋谷教育学園幕張・芝浦工業大柏
1月19日 日大習志野八千代松陰


「後期選抜」
1月27日 市川・専修大松戸・千葉英和
1月28日 東邦大付属東邦・昭和学院秀英国府台女子学院
1月29日 渋谷教育学園幕張・芝浦工業大柏・日大習志野・成田・八千代松陰
1月30日 千葉日大一


県内私立高入試は、後期選抜は二次募集的色彩が強く、前期選抜が中心になっています。
積極的に合格を取りに行きたい前期選抜では、「チャレンジ校的次善校」になる「私立1」と、「安全校的次善校」になる「私立2」を盛り込みながら、可能なら「安全校」になる「私立3」を入れていくパターンが理想でしょう。
ただ、今年はインフルエンザのリスクがあるので、「安全校」も含め、前期でできる限り押さえておきたいと考える人もいると思います。


昨年は、最も理想的な併願パターンとして、「日大習志野、東邦、八千代松陰」としましたが、今年は日習と松陰の併願はできません。
そのため、誰にでも薦められる併願パターンは作りにくくなってしまいました。
受験生自身が「最も受験したい学校」を決めて、そこから他の学校を追加していくパターンがよいと思います。


「私立1」では、倍率の低さから、ずっと東邦を薦めてきましたが、今年に限っては昭和秀英をお薦めします。
やはり、前期定員倍増(50名→100名)は魅力的です。
昭和秀英は高倍率でレベルを保ってきた学校なので、倍率が下がると「てきめんに」受かりやすくなると思われます。
昨年の前期選抜でも予想外の合格者増があり、思わぬ朗報に喜んだ受験生もいたと思いますが、今年はもっとすごいことになるかもしれません。


また、「今年は秀英が狙い目」とばかり秀英へ受験生が動いてしまうと、他の「私立1」で意外な難易度低下があるかもしれません。

特に、秀英と同日入試の東邦は、大きく食われてしまう可能性があります。
東邦は元々倍率の低めな学校(2倍前後)なので、少し食われただけで難易度に影響しそうです。
秀英が注目されている陰で、実は東邦も狙い目になるのかもしれません。(そう考えると、「倍率の低い東邦」と「定員増の秀英」が重複しているのは、「日習と松陰」よりも悩ましいのかも)


前期・後期になってから難易度急上昇の市川も、難しくなりすぎた反動で「どうせ受からないのなら、受かりそうな秀英に」という流れが起きる可能性があります。

今年の「私立1」は昭和秀英を中心にしながらも、市川・東邦に興味があるなら、果敢に挑戦していくのが得策なのかもしれません。(もちろん秀英と東邦の両方は受けられませんが)


「私立2」は、地理的に日大習志野と行きたいところですが、「安全校」の八千代松陰も外しにくいので、自分がどちらに重きを置くかで決めるとよいでしょう。


前期の倍率が1倍台半ばである日大習志野は、県船橋受験者にとって取りこぼす可能性が「限りなくゼロ」に近く、安心できる併願校といえます。
女子であれば、「安全校」は前出の江戸川女子にして、「安全校に近い次善校」として日習を前期で(前期が×でも後期で)確保するという作戦がとれるでしょう。


日大習志野は前期が低倍率で受かりやすいのに比べ、後期は倍率が高くなることが多く、受けるのなら前期から受けたいところです。
特に今年の前期は、重複する八千代松陰に相当の受験生を食われると思われるので、1倍台前半の倍率になる可能性があります。
逆に後期は、前期で松陰を確保した層が回ってくると考えられるので、倍率が上がるかもしれません。
日大習志野八千代松陰も」ということなら、日習は前期で受験し、松陰は後期でという作戦が得策でしょう。


東武線・新京成線の沿線の受験生であれば、「安全校」を八千代松陰にして、「私立2」は専大松戸芝浦工大柏にするという作戦もありでしょう。

ただし、専大松戸は「私立2」で最も倍率が高くなることが多く、県船橋受験生といえども不合格になる可能性が「それなりに」あります。
「E類ならバンザイだけど、最悪、A類でもいいかな。」なんて甘く考えていると、ひどい目に遭うことがありえます。
専大松戸は前期試験を2回受験できるので、できれば2回受験したいところですが、2日目は秀英や東邦と重複するので、これも悩ましいところです。
また、専大松戸の後期は、かなり合格者を絞るので、受けるのなら前期で合格を確保したいところです。


芝浦工大柏は、例年、倍率が高くならないので、実力相応の結果が得られる可能性が高いでしょう。
常磐線方面なら、専大松戸より芝浦工大柏の方が安心です。


やっぱり今年は、理想的な併願パターンは「これだ」と絞りきれないのですが、「私立1は昭和秀英で」とだけは断言できるので、「私立2」で受かりやすい日大習志野を優先するなら、「17日秀英、19日日習、23日江戸女(女子の場合)」か、「17日秀英、19日日習、後期29日松陰」のパターンがよいでしょう。(県船橋受験生なら、日習の前期は95%大丈夫だと思います)

インフルエンザが心配などで、早めに(前期で)「安全校」を八千代松陰で確保したいなら、「16日専松、17日秀英、19日松陰」か「17日秀英、18日芝柏、19日松陰」になるでしょう。


体力的なことも考えて、前期4日連続になるパターンは作っていませんが、もちろん、空いている日に魅力を感じる学校があれば、受験してOKです。
実力に自信があるのなら「16日市川、17日秀英、18日渋幕、19日松陰」と、チャレンジ中心の前期選抜になってもよいのです。


学校選びは、本人の希望が何より大切です。
特別な思い入れのある学校があれば、その学校を受験しましょう。
思い入れのある学校を中心に組むのが、あなたにとっての「理想的な併願パターン」なのです。
「合格しやすいから」という理由だけで学校を選んでしまうと、受験勉強に対するモチベーションが下がりますし、もしも入学してしまったら後悔することになりかねません。


今年は重複で悩むことが多くありそうなので、前期だけで考えるのではなく、前期・後期を通して、確保したい学校を盛り込んでいくとよいでしょう。
とはいえ、前期の結果次第で、後期に受験したい学校は変わってきたりもします。


そんなわけで、次回は「後期選抜編」をお送りします。


ランキングに参加しています。よろしければクリックお願いします。

にほんブログ村 受験ブログ 高校受験へ

人気ブログランキングへ

blogram投票ボタン

 《コメントについてのお願い》
 ・コメントはできるだけ最近のコラムにお願いいたします、古いコラムにコメントしていただいても気づかない場合があります
 ・コメント欄はコラムに対するご意見やご質問、受験情報を書き込んでいただくものです
  読者のコミュニケーションの場ではありませんので、掲示板的な書き込みはご遠慮ください
 ・情報は中学校や高校からなど確証のあるものをお願いいたします、うわさ話などの不正確な情報は書き込まないでください
 ・受験勉強のやり方など勉強に関するご相談は「さくらweb進学塾」に書き込みをお願いいたします
 ・ネット上に個人情報をさらすことはトラブルの元になります
  ご相談以外で、成績、志望校、部活動などの個人情報を書き込まないようにしてください
 多くの受験生や保護者の方が見ています、他人を不快にしない、役に立つコメントをお願いいたします
 不適切なコメントと判断した場合、削除させていただく場合があります