さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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進学コラム148「千葉県私立高入試の概要 その2」

今回は「私立1・2番手校」の、最近の特徴と入試の概要についてまとめてみたいと思います。


まずは「私立1番手校」から。(各校の倍率・志願者数などは「市進出版の高校受験ガイド」を参考にしています。)

学校名の後の数値は、受験ガイド本による偏差値で、(晶)は晶文社の高校受験案内、(市)は市進の高校受験ガイドの県標準偏差値(カッコ内は市進模試偏差値)です。


渋谷教育学園幕張 (晶)74(市)前期 特 後期 特(前期 男70女70 後期 男69女68)


過去3年間の倍率(県内私立高校は07年から「前期・後期」選抜制度になっています。)

07年 後期 3.50倍(前期は特待生試験のみ)
08年 前期 2.66倍 後期 3.34倍 
09年 前期 3.26倍 後期 3.94倍


東大合格者数は一昨年の35名には及ばず28名でしたが、県内トップの座はかろうじてキープ(県千葉は27名)しました。
これからも、この2校には「競い合って」、千葉県全体を引っ張ってもらいたいと思います。


入試では、08年から前期選抜を一般入試に変更しました。
08年の前期では、一般入試になって志願者が増えた以上に合格者を増やしたので、2.66倍と渋幕にしては低倍率になりました。
09年は、さらに120名ほど志願者が増え、渋谷幕張らしい倍率に戻りました。


難易度だけでなく、倍率も高い、「県内最難関校(公立含め)」という状況は変わらないでしょう。
合格するためには、公立御三家を特色化選抜で突破できるくらいの実力が必要だと思います。


それでも、高校入学後のことを考えれば、公立御三家志望者なら挑戦してみる価値はあります。
特に前期は5科入試なので、「私立レベル」の理科・社会の訓練をしておく必要があります。
私立レベルの理社となると出題校が限られるので、必然的に難関国私立高の問題にも取り組むことになり、難関国私立高受験者に太刀打ちできる実力を養えるでしょう。

ただし、安易な受験は不合格をもらうだけになります。
挑戦するなら、しっかり勉強をして、覚悟の上で受験しましょう。


・市川 (晶)73(市)前期 男73女72 後期 男72女72(前期 男68女67 後期 男67女66) 


過去3年間の倍率

07年 前期 3.98倍 後期 23.81倍!
08年 前期 3.87倍 後期 2.44倍 
09年 前期 2.69倍 後期 2.70倍


市川は今年初めて、女子の卒業生を出しました。
千葉大の現役合格者(7名→18名)や、上智大の合格者(38名→57名)が増えているのは、女子のおかげでしょうか。
また、現役進学率も58%→63%と、わずかに上昇しています。
共学化からの難易度上昇を考えれば、来年以降も実績向上が期待できると思います。


市川は創立以来、「自分による教育=第三教育」を教育方針にしてきました。
それは、「自由放任」につながり、「低い現役進学率」を生んでいたようにも思います。
しかし、共学化と同時に、「現役進学率70%以上」などの数値目標を設定して、「勉強させる学校」になろうとしているように感じます。
今は、「私立1番手校」の中では、最も面倒見の良い(勉強させる)学校といえるでしょう。


入試では、男子校時代には毎年「1倍台」だった倍率が、「3倍は当たり前」の、受からない上位校に変わってしまいました。
09年前期選抜では、1月16日に移って来た日大習志野に200名ほど奪われた形になり、倍率も2倍台まで下がりました。
10年入試では日習との重複は解消されるので、再び高倍率になる可能性が高いでしょう。


レベル的には渋谷幕張に迫る状況です。
昔のイメージで受験すると、ひどい目に遭いますので、十分な準備と覚悟をして受験しましょう。


東邦大学付属東邦 (晶)73(市)前期 男72女72 後期 男71女72(前期 男65女66 後期 男64女65)


過去3年間の倍率(第一志望含まず)

07年 前期 1.79倍 後期 1.84倍
08年 前期 1.96倍 後期 2.42倍
09年 前期 2.07倍 後期 2.41倍


03年   1057名
04年    942名
05年    851名
06年    698名
07年前期 545名
08年前期 614名
09年前期 763名

志願者が一貫して減り続けていた東邦は、08年に増加に転じ、09年は日大習志野との重複が解消したこともあり、更に増加しました。
10年も日習とは重複しないので、昨年並みの受験生は確保すると思われます。


受験生側から見れば、倍率が低め(2倍前後)な東邦は、合格を狙っていける上位校といえます。(2人に1人が合格する「私立1番手校」は東邦しかありません。)
たとえ訓練目的の受験であっても、合格したほうがよいのは当然です。

また、東邦は理科を含む4科入試ですから、5科入試の渋谷幕張ほどではないにしても、難度の高い理科の問題をこなすことで、相当な訓練が積めるでしょう。


ただし、倍率が低いとはいっても、少数激戦の入試であるともいえます。
船橋に合格するより、東邦に合格する方が難しいという現実は認識しておきましょう。


ちなみに、東邦は併設大学が医、薬、理の3学部を持つ理系大学なので、普通の高校に比べて理系志望者(特に医薬系)が多いのが特徴です。(同校HPによると理系7割・文系3割だそうです)

ただし、東邦大学に内部進学する生徒はごく少数です。
(市進のガイドでは医9、薬9の計18名となっています。もっとも、東邦大医学部の定員は100名なので、大学にとっては、1割近い生徒を送り込む「付属」の存在は大きいでしょう。)


昭和学院秀英 (晶)73(市)前期 男72女72 後期 男70女71(前期 男65女66 後期 男63女64)


過去3年間の倍率

07年 後期 1.96倍(前期は第一志望推薦のみ)
08年 前期 3.51倍 後期 2.62倍 
09年 前期 2.74倍 後期 2.93倍


昭和秀英は、前出の3校に比べる受かりやすいようなイメージがありますが、倍率が3倍台になることが多く、決して受かりやすい学校ではありません。


前期・後期の始まった07年には、一般入試を後期のみにした影響で倍率が急低下しましたが、もう、2倍を切るような年は来ないと思った方がよいでしょう。

09年前期は、東邦と同様、日大習志野との重複が解消したことで、志願者を大幅に(約25%)増やしました。
しかし、合格者も大幅に増やしたため、結果的には3倍を切る倍率に落ち着きました。

10年も日習との重複はありませんから、昨年並の志願者が集まる可能性があります。(昨年の倍率が低めだったことで、さらに受験生が集まってしまうかもしれません。)
もしもそれで、例年並の合格者数になると、大変な高倍率になってしまいます。
昭和秀英を志望する受験生は、受験生の動向に気をつけておきましょう。


昭和秀英は、前期・後期ともに東邦と同日なので、個人的な意見としては、「公立1番手校」との併願なら、秀英より東邦のほうが(倍率と進学者のレベル差を考えると)お薦めです。
ただ、東邦より若干(本当に若干でしょう)難易度は下がるので、「公立2番手校」志望者が挑戦校として受けるのなら、良い目標になると思います。

付属中学のレベルは、市川・東邦より「1ランク下」なので、「運」で受かっても、入学後の努力次第で十分やっていけると思います。


昭和秀英は「私立1番手校」の中で、唯一、女子の多い学校です。
それだけに、現役進学率はやや高め(75%前後)です。
現役で進学するために、無理な挑戦をしていないと思われるので、超難関大学には弱い印象ですが、真面目で「コツコツ型」の生徒には向いている学校だと思います。(卒業生数を考えると、大学実績で市川・東邦に負けてはいないと思います。)

渋谷幕張と隣同士なので、気にする人はいるかもしれません。


「私立1番手校」の主要大学合格者数(現浪込み)(各校ホームページに掲載の数字)

渋谷幕張 東大28 一橋大10 東工大6  千葉大25 早大155 慶大121(卒業生342名)
市川    東大4  一橋大1  東工大5  千葉大20 早大113 慶大67 (卒業生406名)
東邦    東大4  一橋大2  東工大11 千葉大22 早大75  慶大52 (卒業生366名)
昭和秀英 東大1  一橋大1  東工大4  千葉大21 早大60  慶大33 (卒業生227名)



続いて、「私立2番手校」です。


芝浦工業大学 (晶)69(市)前期 男67女65 後期 男67女65(前期 男58女56 後期 男58女56)


過去3年間の倍率(前期はA・B合計)

07年 前期 1.48倍 後期 2.83倍
08年 前期 1.34倍 後期 1.74倍
09年 前期 1.34倍 後期 2.20倍


芝浦工大柏は、前期・後期とも入試最終日のためか、受験生の集まりはよくありません。(大学受験で工学系の人気が下がっていることも要因かもしれません。)
09年は、前期選抜を5科から3科に変更しましたが、あまり志願者増にはつながらなかったようです。
当然、倍率も上位校としては低くなっています。(ただし、前期はA推薦(第一志望)込みの倍率のため、B推薦(併願)の倍率はもっと高いと思われます。)
また、後期では志願者の抜け(他校に合格して受験をやめる)が多く、09年では志願者411名で受験者は132名でした。


低倍率が続いているので、学校側も何か方策を考えているかもしれません。
ここは例年、ホームページに募集要項が出るのが遅めなので、年間行事予定表を見て試験日を確認していたのですが、今年の行事予定表には「1月2月入試日程は未定です」とあるので、試験日を変えてくる可能性もあるでしょう。
芝柏志望の受験生は、募集要項に注意しておきましょう。


昨年も書きましたが、芝浦工大柏は中学受験では人気校です。
付属中学のレベルは高めなので、心して受験してください。


専修大学松戸 (晶)E70A68(市)前期 E男69女69 A男65女65(前期 E男61女61 A男56女56)


過去3年間の倍率

07年 前期 2.46倍 後期 4.23倍
08年 前期 3.44倍 後期 2.75倍
09年 前期 2.25倍 後期 7.85倍!


芝浦工大柏に比べ、専大松戸はE類A類の類型別募集と、最大3回まで受験できるシステムで成功しているといえます。

09年は、前期の合格者を増やしたため、倍率が大幅に下がりました。(志願者の増減による、単純な隔年現象ではないので注意してください)
そして、後期は大幅に合格者を絞ったため、超高倍率になりました。(07年の悪夢が再び・・・)
正直言って、ここの後期選抜は信用できません。(2次募集だと思いましょう。)


ちなみに、芝浦工大柏も専大松戸も、併設大学への進学率は10%台と低く、大学の付属であることを意識する必要はないと思います。


日本大学習志野 (晶)66(市)前期 男65女65 後期 男65女67(前期 男56女56 後期 男56女58)


過去3年間の倍率(前期はB入試(併願)の倍率)

07年 前期 1.65倍 後期 6.02倍!
08年 前期 1.53倍 後期 2.74倍
09年 前期 1.62倍 後期 2.51倍


「私立1・2番手校」で唯一、中学校を持たない日大習志野は、「新入生全員が同時にスタート」をアピールしていますが、前出の2校に「やや置いていかれた」感は否めません。


受験生の側から見れば、前期選抜の1倍台半ばという倍率は「合格をもらいやすい」併願校として、ありがたい存在になります。
実際、佐倉・薬園台の受験生なら、かなりの高率で日習に合格しているはずです。
京成、総武線沿線には、同レベルの競合校が少ないため、県船橋でも佐倉でも薬園台でも、日習を併願するというパターンが多いでしょう。


入試問題は、易しかった07年前期を除いて難しめなので、過去問をしっかり訓練しておけば、私立は「安全校」しか受けなかったという生徒に差をつけることができるでしょう。


日大習志野は、隣接する日大理工学部の付属という色彩を強く持っています。
理系志望の生徒の比率が高いということは知っておきましょう。(もともとは日大工業高校でしたし)
また、前出の2校に比べると、併設大学への進学率は25%前後と高めになっています。(これは、併設大学に学部が多いことと、隣接していること(昨年は推薦進学者の約半数が理工学部)も関係していると思われます。)


・成田 (晶)65(特進67)(市) 男63女64(男53女54)


過去3年間の倍率

07年 後期 1.82倍
08年 後期 2.07倍
09年 後期 1.34倍


成田は地理的に、佐倉の「次善校」という位置付けになるでしょう。
佐倉のレベルアップにともなって、成田の難易度もアップしてきたように思います。
倍率は2倍程度で落ち着いているので、合否は読みやすい学校といえます。


09年は、定員10名減にもかかわらず合格者を増やしたため、倍率が大幅に低下しました。
10年は例年並みの合格者数に戻ると思われます。
昨年、易しくなったことで志願者が増える可能性もありますから、倍率アップは間違いないと思っておいた方がよいでしょう。


成田は成田山が運営している学校ですが、宗教色は少なめです。


国府台女子学院(普通科 (晶)66(市)62(52)


過去3年間の倍率

07年 前期 1.21倍 後期 1.30倍
08年 前期 1.02倍 後期 1.22倍
09年 前期 1.01倍 後期 1.21倍


国府台女子学院は、中学入試では人気校なのですが、高校入試では「共学志向」のあおりで低倍率になっています。


08年から「入試相談あり」になった前期は、09年は受験者241名中、不合格者2名(08年は202名中4名)と、絶対合格というわけではありませんが、中学校の先生が「OK」と言えば「安全校」として受験できるでしょう。
前期の志願者数は、171名→203名→242名と、年を追うごとに増加しているので、「入試相談あり」にした効果は出ているように思います。


後期には入試相談は必要ないので、前期での結果が思わしくなかった(「安全校」しか受からなかった)場合の、安心材料に使うこともできます。(「公立2番手校」レベルなら、ほとんど合格できるでしょう。)
ちなみに、後期の志願者がジリ貧だった英語科では、10年から後期の入試を止めました。


女子校ということで、現役進学率が高い(80%以上)のが特徴です。
中学入学組の実力が高いこともあり、大学合格実績は入試レベルから考えると立派なものです。
倍率的に、私立上位校の中では「最も入りやすい」学校なので、女子校が嫌でなければ薦められます。

国府台女子学院は成田と同様に仏教系の学校です。
成田に比べると、宗教色は強めなので、文化祭や説明会などで確認をしておいた方がよいでしょう。


・江戸川女子 (晶)2類65、3類69(市)2類58、3類64(2類47、3類55)


江戸川女子は県内の学校ではありませんが、県内からの受験生が多く、隣接県受験者(実質的には千葉県内受験生)対象の併願推薦入試(B推薦、09年は1月23日実施)も行っているので、紹介します。


江戸川女子には普通科2類(私大クラス)、3類(国公立クラス、いわゆる特進クラス)、英語科があり、入試相談を行っています。
昨年から、入試相談で合格を約束する形式に変更されている(一昨年までは加点のみ)ので、「安全校」としても、安心して受験することができます。
ただし、3類では入試相談を通しても、入試の得点次第で2類での合格(スライド合格)になることもあります。

また、東京の学校は公立入試発表まで「延納金なし」が普通なので、江戸川女子も延納金はいりません。
県内上位校では2〜5万円も「捨て金」を払わされるので、経済的には助かります。


国府台女子も江戸川女子も、「共学志向」の逆風の中で、「現役合格」を売りに受験生集めをしている学校です。
それだけに、「勉強をさせる校風」ですので、自由を求める受験生には薦められませんが、「先生に言われたことは、ちゃんとやる」タイプの生徒には薦められます。


街の中にどーんと建っている、「お城(ホテル)のような建物」の学校です。
周囲の環境(繁華街)や校舎は、ぜひ一度見てから決めた方がよいでしょう。


「私立2番手校」の主要大学合格者数(現浪込み)(各校ホームページに掲載の数字)

芝浦工大柏 千葉大10 筑波大5 早大33 慶大14 理科大62(卒業生287名、うち併設大への内部進学者34名)
専修大松戸 千葉大12 筑波大4 早大22 慶大12 理科大46(卒業生442名、うち併設大への内部進学者44名)
日大習志野 千葉大13 筑波大5 早大21 慶大7  理科大46(卒業生422名、うち併設大への内部進学者96名)
成田     千葉大13 筑波大3 早大15 慶大4  理科大21(卒業生320名)
国府台女子 千葉大6  筑波大1 早大27 慶大6  理科大6 (卒業生316名)
江戸川女子 千葉大6  筑波大1 早大39 慶大20 理科大25(卒業生320名)
 

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