さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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進学コラム119「千葉県私立高入試の概要 その1」

今回は千葉県私立高入試について解説します。

県内私立高入試が「前期選抜」と「後期選抜」になって2年が過ぎました。
初年度は、様子見をする学校や、非常識な高倍率になる学校など、学校によって対応に差がありましたが、2年目は前期・後期の役割がはっきりしてきて、落ち着いたように思います。


まず始めに、私立高校の入試システムについて説明しておきましょう。

千葉県内の私立高校は、入試システムの違いで、

1.学力試験の成績で合否が決まる学校。
2.中学校の成績をもとに、「入試相談」によって合否が決まる学校。
の、2種類の学校に分けられます。


1.のタイプの学校は、いわゆる上位校で10校程度しかありません。
2.のタイプの学校は、公立高校の「安全校」として使われることの多い学校で、私立高の大半はこのタイプです。


2.のタイプの学校は、「学校の成績」が基準を満たしていれば、ほとんど合格が約束されます。
逆に、基準を満たしていなければ、「安全校」としての受験はできなくなりますから、悩む部分はほとんどありません。
自分の成績が、「安全校」としたい学校の基準に達しているかどうか、確認すればよいだけです。
ほとんどの「受験案内(ガイド本)」には、入試相談の基準が掲載されていますので、早めに確認しておきましょう。
入試相談の詳細については、左サイドバーの「Q&A」を見てください。


上位公立高志望の受験生は、1.のタイプの学校を併願する可能性が高いでしょう。
県内の上位私立高校は、ほとんどが付属中学を併設していて(中学がないのは日大習志野のみ)、高校からの定員が少ない学校が多いため、狭き門になっています。
当然、倍率も高めなので、公立入試の前に合格を確保するのは、周到な作戦がないと難しくなってきています。
かつて、「県船橋を受験できる力があれば、市川はまず落ちない。」という時代がありましたが、昨年・一昨年では、県船橋受験者のうち、市川に合格できたのは半数にも満たないでしょう(データがあるわけではありませんが、実際には半数どころか・・・だと思います。)。
特に、保護者の方には、私立高のレベルの変わりようを十分に理解してほしいと思います。


公立が第1志望の場合(当ブログでは基本的に、「公立が第1志望」の場合の話しかしませんが。)、私立高は「挑戦校」「次善校」「安全校」という選び方をします。
必然的に、「公立高を不合格になった生徒」「挑戦したら受かってしまった生徒」が入学してきますので、生徒のレベルは「不合格になった公立高」より低く、「挑戦した生徒が受けるはずだった公立高」より高いレベルになります。
したがって、私立高のレベルは、公立高の間を埋めるような形になっています。

具体的には、「公立1番手校」「私立1番手校」「公立2番手校」「私立2番手校」「公立3番手校」・・・という順番にレベル分けされています。(詳しくは、No.28〜31「公立私立階段理論」で書きましたので(少し古い話もありますが)、参考にしてください。)


「公立1番手校」には、県千葉・県船橋東葛飾の公立御三家、千葉東を(微妙ですが)入れてもよいでしょう。


「私立1番手校」には、渋谷幕張・東邦・市川・昭和秀英が入ります。

「私立1番手校」は、「公立1番手校」と併願しても、合格を勝ち取るのは楽でなくなってきています。(特に渋谷幕張・市川の2校は厳しい。)
それでも、現状では「公立1番手校」と「私立1番手校」の両方に合格した場合、ほとんどが公立に進学していると思われるので(もちろん、私立に進学する場合、公立は受けませんが)、「私立1番手校」は「公立1番手校」の下のレベルになるわけです。

現実には、「公立1番手校」の受験生でも、「私立1番手校」を受けない人も多いでしょう。
「受かっても(公立に受かれば)進学しない」にもかかわらず、「合格するのは難しい」とくれば、初めから受けないでおこうと思っても不思議ではありません。


しかし、個人的には、次の2点のために受験することを勧めます。


ひとつは、「私立1番手校」を受験しないと、もしも公立に不合格になった場合、「私立2番手校」に進学しなくてはならなくなること。
第一志望だった「公立1番手校」と、進学することになる「私立2番手校」とは、3段階ものレベル差があります。これでは、かなり不本意な進学をすることになります。
例えば、今年の早稲田大の合格者数(すべて、各校HPより)だけをみても、県船橋が118名なのに対し、「私立2番手校」の日大習志野(地理的に、県船橋との併願者が多いと思われる)は17名と、比較の対象になりません。
「私立1番手校」の東邦(これも地理的に)なら90名ですから、さほど遜色はないでしょう。

そんなことを言っても、「受からなきゃ意味がない」と反論されそうですが、逆に、「受けなければ」受からないのです。
今までも(これからも)、上位校志望者は「大変に厳しい」入試を経験すると書いてきましたが、公立上位校の受験生は、何回もの不合格を乗り越えて、第一志望の合格を勝ち取っていかなくてはいけません。
「落ちるかもしれないから、止めておく」というような姿勢では、初めから負けているようなものです。
「受かるかもしれないから、やってみる」という姿勢を持ちたいものです。


もうひとつは、「公立1番手校」は、入学後の勉強も楽ではないということです。
高校は、あくまで通過点で、その先にある大学受験で志望校に合格できなければ意味がありません。
その大学受験の勉強は、高校に入学した時点から始まっています。

「公立1番手校」は、最上位グループなので、開成・早慶付属・国立大付属など超難関校を受験した生徒が(少数でしょうが)存在します。
そういう生徒たちは、「ハイレベル」な受験勉強を経験してきています。
「公立1番手校」に受かること「だけ」を目標に、公立レベルの勉強をしてきた生徒が、入学後、超難関校を受験してきた生徒に太刀打ちできるとは、とても思えません。
入試が終わって、気のゆるむ入学直後に、すでに大きな実力差があっては、「気づいたときには、落ちこぼれていた」なんてことにもなりかねません。
上位校を狙う受験生は、受験のためだけに勉強してはいけないのです。
県千葉高に合格しても、三流大学に進学しては無意味です。

しかし、目標もなく勉強するのも難しいものです、そこで「私立1番手校」を受験しようということです。
渋谷幕張・東邦レベルの勉強では、超難関校レベルの勉強をしてきた人と「対等」とまではいかないでしょうが、少なくとも「公立1番手校」だけを目標にしてきた生徒には、差をつけることが出来るでしょう。

もちろん、性格などの違いがあるでしょう(不合格をもらうと、「もうだめだ」と思ってしまう人もいるでしょう)から、全員に絶対そうしろとは言いませんが、中学生のうちに出来ることは、できる限りしておきたいものです。


「公立2番手校」には、佐倉・薬園台・県柏・市立千葉などが入ります。
「公立2番手校」の受験生が「私立1番手校」に挑戦しても、「非常に(絶望的に)」厳しい状況なので、「公立2番手校」志望者の併願作戦は、悩むことが少ないといえるかもしれません。


「私立2番手校」には、芝浦工大柏・専修大松戸・日大習志野の大学付属3校が入ります。次点で成田、国府台女子学院を入れてもよいと思います。(日出学園・麗澤・千葉日大一は、どうなんだという意見もあるかもしれませんが・・・。)
「私立2番手校」は、地理的に離れているので、大学付属3校全てが通いやすいという地域は限られています。
そういう意味では、選択の余地は低く、距離とレベルで自動的に選択されてしまうでしょう。(県柏志望なら芝柏か専松、佐倉志望なら日習か成田といったように。)
国府台女子は、昨年から前期は入試相談ありになっていますから、厳密には「私立2番手校」には入りません。(ただ、学校側は入試相談はしても、合否は試験重視と言っていますが。)


「公立3番手校」は、八千代・船橋東・市立稲毛・幕張総合・小金・その他の上位校ということになります。
「公立3番手校」の受験生は、「私立2番手校」に挑戦しても、それなりに可能性がありますから、ぜひ選択のひとつに入れておきたいものです。
「私立2番手校」の易しくない過去問に取り組んでみるだけでも、「公立と安全校だけ」の生徒には差をつけられるでしょう。


「私立3番手校」は、入試相談のある学校です。


長くなってしまったので、学校ごとの概要は次回にまとめます。

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