さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム105「県立船橋高校を出て」

前回まで、県立船橋高校志望者の併願パターンについて書いてきました。
今回は、その県立船橋高校に進学すると、どういう将来が見えてくるものなのか、県船橋高の進路について考えたいと思います。

実は、同校の公式ホームページには、大学「合格者数」だけでなく「進学者数」まで掲載されています。これが、なかなか興味深いデータなのです。

公立・私立を問わず、今ではほとんどの学校がホームページを持ち、進路状況として「大学合格者数」を掲載しています。しかし、これはあくまでも「のべ」合格者数であり、1人で3つの大学に合格すると「3名」とカウントされてしまいます。これでは、実際に「どこの大学」に「どのくらい」進学しているのか知ることはできません。
少し前には、これを逆手にとった学校が、優秀な生徒に多数の大学を受験させて(センター試験利用なら、実際の受験は1回だけでOK。)、大学合格者数を水増しした事件などがありましたが、県船橋高校のように「進学者数」まで公表してしまえば、そんなことはできなくなります。
そういう意味では、同校の「進学者数」まで公表するということは、評価できることであり、これが他の学校にも広がってほしいと思います。
しかし、「進学者数」まで公表するということは、その学校の「実際」の姿を公表することになるので、現実には県船橋のような「県内トップレベル校」でないと、難しいかもしれません。せめて県内では「公立1」「私立1」「公立2」くらいまでは公表してくれると、受験生にとって非常に有用な資料になると思います。ぜひ、各校の皆さん、検討よろしくお願いします。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、県船橋高校は、県教委から「進学指導重点校」に指定されており、さらに、受験に必要な科目を学びやすい「単位制」を採っています。制度上は進学校としての指導体制を取りやすい環境にありますが、実際の進路状況はどうなのか検証したいと思います。


・検証1「公立高校は、国公立大志向が高いのか。」


個人的な思い込みなのかもしれませんが、公立高校は国公立大志向が高く、私立高校は私立大志向が高いように思います。学費に対するイメージからなのかもしれませんが、実際にはどうなのでしょうか。

船橋高校の19年度四大進学者357名中、国公立は108名と30%程度(現浪別では現31%、浪29%。)、18年度は345名中、117名と34%程度(現36%、浪29%。)です。
「卒業生の三分の一程度が国公立大進学(浪人含む)」という実績を、「多い」と考えるのか、「少ない」と考えるのかは、人によりけりなのでしょうが、家計の都合から「国公立大を狙える公立高校を」という目的で、県船橋高校を目指す生徒には物足りなさを感じる数字かもしれません。
ただ、県船橋高以外の学校がどの程度なのか、全くわからないので、これだけで評価するのは無理があるのかもしれません。
現役の国公立大率が少し高いのは、現役合格を親に要求されている生徒は、同時に国公立に入ることも要求されている(「国公立」+「現役」=「最も経済的」ですから)と考えていいのでしょうか。

ちなみに平成17年度の国内全大学生のうち、国公立大の学生の割合は22.6%です。この数字を考えれば30%は、決して少なくないとも思えますが、学校のレベルを考えると・・・。


・検証2「有名大学に入れるのは、クラスで何番までか。」


公立御三家の県船橋高校といえども、東大・東工大・一橋大といった超難関大に進学するのは簡単ではありません。19年の進学者数は東大4名(18年は2名)・東工大11名(9名)・一橋大4名(3名)と、3校合計してもわずか19名(14名)です。
船橋高は理数科も含めて8クラス構成ですから、これら超難関大に入りたければ、少なくとも「クラスで2・3番」(それでも、浪人は覚悟の上です。)には入っていなくてはなりません。
これは、ものすごく大変なことでしょう。「県船橋高校に合格すること」だけを目的に、受験勉強して入学した人には難しいでしょう。


千葉大レベルの国公立大で進学者が多めなのは、千葉大43名(35名)・筑波大9名(10名)・横国大9名(5名)で、この3校で合計61名(50名)です。北大・東北大といった旧帝大にも数名の合格者がいるので、前出の超難関大と合わせて、70から90名程度は千葉大レベル以上の国公立大学に進学できると考えてよいでしょう。
ということは、千葉大レベル以上の国公立大に入りたければ、「クラスで10番程度」までに入っていればよいということになります。(浪人込みで考えてですが。)
ただ、学部・学科によっては、早慶など難関私大を選ぶ生徒もいるでしょうから、私大進学者も含めて考えたほうがよいかもしれません。


その難関私大ですが、早稲田49名(48名)・慶応36名(14名)・上智20名(22名)と、3校合計82名(84名)です。
ここまでの、東大クラスの国立大・千葉大クラスの国公立大・早慶上智大までで考えるならば、「クラスで20番程度」までに入っていればよいことになります。
1クラス40名ですから、半分までに入っていればOKというのは、「なんとかなりそうだ」と思えるでしょう。(しつこいですが、浪人込みでです。)


結論、県立船橋高校に入学したら、上半分には入れるように頑張ろう。」

と、ここまで書いていて思いました、「上半分に入る」ということは、特色化の定員がちょうど50%ですから、高校受験では「特色化選抜で合格しろ」ということでしょう。
高校受験は、大学までの3年間(とは限りませんが)のスタートですから、スタートから「上半分に入る」ことを目標にしていれば、その後のレースを有利に進められるでしょう。


・検証3「合格して、入る大学・入らない大学。」


当たり前ですが、複数の大学に合格しても、実際に進学するのはひとつだけです。
合格者数だけでなく、進学者数まで載せてくれていることで、県船橋高レベルの生徒にとって、「合格したら入学する大学」と「安全校として受験する大学」が明確になっています。

主な大学の進学者数と合格者数(19年)をまとめてみると、

・国立大学

東大   進学4名/合格4名(進学率100%)(以下同様に記述)
東工大  11名/11名(100%)
一橋大  4名/4名(100%)

千葉大  43名/47名(91%)
筑波大  9名/12名(75%)
横浜国大 9名/12名(75%)

・私立大学

慶応大  36名/60名(60%)
早稲田大 49名/116名(42%)
上智大  20名/56名(36%)

東京理科大 20名/119名(17%)
明治大  14名/86名(16%)
立教大  13名/83名(16%)


国立大の進学率が高いのは、国立は私立の後に入試があるため、第一志望の受験生(私立に進学する生徒は受験しない)がほとんどであるからと思われます。(高校受験の公立高校と同じです。)

私立大の場合、国公立や他の私立に抜ける場合もあるでしょうが、同じ大学でも学部によって試験日が異なり、併願が可能であることも原因でしょう。
例えば、どうしても早稲田大に入りたいと思えば、政治経済学部も法学部も商学部も受験するでしょう。もし全部合格したとしても、入学するのはひとつだけなので進学率は下がります。
そう考えれば、慶応・早稲田は県船橋高生にとって「進学するに足る」大学と言ってよいかもしれません。

また、早慶に比べ理科大の進学率の低さには驚きました。渋谷幕張や東邦のホームページでは「早・慶・上・理」と、まとめて難関私大の扱いをされているのに、実際に進学するとなると、早慶とは明確な差があるようです。
理科大や明治・立教クラスは「安全校」に分類されるのでしょう。
「日・東・駒・専」の進学者を見ると、合計10名にも満たないので、県船橋高を卒業したら、「最低でも理科大・MARCH(明青立中法)には、入れないと恥ずかしい。」という認識があるように感じます。(現役で無理であれば、当然のように浪人するんでしょう。)


こうして進学先について見ていくと、やはり県船橋高校は、有名大学を目指す生徒には、大変勧められる学校といえます。(ただし、東大を目指したいなら県千葉高にしましょう。)
現在、県船橋高校を目指して勉強している受験生は、合格だけを目標にせず、上半分に入ることを目標に、強い意志を持って頑張ってください。



千葉県特色化選抜入試と研究 平成20年受験用 第1集 (2008) (公立高校入試問題シリーズ 701)

声の教育社 (2007/08)

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