さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム102「三者面談を成功させるために」

いよいよ10月、秋の三者面談の季節がやってきました。

1学期とは違い、秋の三者面談では受験校がほぼ決まることになります。
そんな大切な三者面談で、納得のいく結論を導き出すための、予備知識をいくつかあげてみたいと思います。


三者面談の目的


なぜ10・11月に三者面談があるのでしょう。

それは、12月中旬に私立高校の入試相談があるからです。

県内の私立高校には「学力試験で合否を決める学校」と「入試相談で(中学校の成績で)合否をほぼ決める学校」の2種類があり、大半の学校は後者に属するので、一部上位校を除くと、私立高入試は12月中旬の段階で大勢が決してしまいます。
そのため、中学校としては12月中旬の入試相談までに、「どの生徒」が「どの高校」を受験するのか、はっきりさせておかなくてはならないのです。

入試相談を通すと、必ず受験するのが原則ですから、少なくとも相談のある高校に関しては、この段階までに、生徒全員の受験校を確定しておかないと困るわけです。
中学校の進路指導では、特に「安全校」で入試相談のある学校を強く薦められます。(というか、入試相談のない学校は、「安全校」として認めてくれないことが多いでしょう。)入試相談でOKをもらえれば、ほぼ合格が内定されますから、受験生・先生とも安心というわけです。結果として、ほとんどの生徒が入試相談を利用しているのが現状でしょう。

つまり、秋の三者面談では「安全校を決める」ことが最大の目的なわけです。
ただ、中学校の先生にしてみれば、どうせ面談をやるなら、他の受験校も確定させておいたほうが手間が省けるので、「ここで受験校はすべて決定して下さい。」というような言い方をするわけなのです。


・受験生側と先生側の意識の差


三者面談では、受験生と中学校の先生との間に意識の差が見られがちです。先生は先生の立場で進路指導をしなくてはならないので、どうしても譲らないこともあるでしょう。先生側の考えをあらかじめ知っておけば、その対策も立てやすくなるはずです。


先生の第一の目標は、「一人の脱落者もなく、クラス全員がどこかの高校に合格すること。」です。
「合格する」という意味では、先生と生徒の希望は一致しているわけですが、生徒の希望はあくまでも「希望する高校に合格すること。」であり、先生の希望は「どの高校でもいいから合格してほしい。」ということで、質的には大きな隔たりがあります。
したがって、先生は本人の希望よりも、「いかに合格しやすいか」という点を重視して進路指導をしてきます。その意味では、前出の入試相談のある高校を薦めるのは当然でしょう。


第二の目標は「いかに受験する学校数を減らさせるか。」です。
中学校の先生は、クラスの生徒が受験する学校の数だけ、内申書を用意しなくてはなりません。私立高校の提出書類は学校ごとに仕様がバラバラで、予備の用紙があるわけでもないので、大変気を使って作成にあたらなくてはなりません。(最近は公立と同じ様式でよい、という学校も増えてきていますが。)
これを、短期間に大量に用意しなければならないわけですから、先生たちの苦労は並々ならぬものがあると思います。先生にとってみれば、生徒1人が受験校を1校減らしてくれれば、クラス全体で40枚も内申書を減らせるわけですから、何とか受験校を減らそうと必死に説得してきます。

受験校を減らすという意味でも、相談のある高校を受けさせることは、大変意味のあることになります。「学力試験で合否を決める学校」では、「安全校」としては不安が残りますから、より確実にもうひとつぐらい、ということになりそうですが、相談があれば、その1校で押さえは十分ということになります。また多くの高校では「第二志望」という形の相談もしていますので、「ここを押さえに受けるなら、あとは公立1校しか受けられませんよ。」などという誘導も可能になります。

中学校の先生にとっては、いかに「入試相談のある高校を受けるよう」指導するかが、三者面談における最大のポイントといえるでしょう。


先生の二つの目標を、同時に達成できる方法があります。それは私立高校の「専願(単願)」です。
一部上位校を除く多くの高校では、入試相談で話が通れば、「併願」よりも低い基準で合格が内定され、受験するのはその学校のみということになります。
通知表の成績の良い生徒を中心に、先生が「専願」での受験を薦めてくることがあります。「専願」で内定がもらえる学校は、自分の志望より低いレベルの学校である場合が多く、安易に飛びついて決めてしまわずに、自分はその高校に進学することで満足なのかよく考え、塾などに通っているなら、そちらでも相談してみるのも良いと思います。


三者面談を成功させるために


ここまで、学校の先生がまるで敵であるかのようなことばかり書いてきましたが、もちろんほとんどの先生はあなたの味方です。しかし、あなたが自分の希望をはっきりと言えなければ、先生は自分の思惑にしたがって、高校を薦めてくるということなのです。大切なことは、

「自分はどこの高校に行きたいのか、はっきりと伝えること。」です。

その際、先生にとっての最大の関心事は「安全校」ですから、第一志望の学校だけでなく、押さえにしたい私立高校も、必ず合わせて伝える必要があります。
できれば、公立・私立とも受験したい学校をすべて挙げて(いわゆる併願パターンですね)、先生の意見を聞いたほうが良いでしょう。


また、私立は前期・後期を通しての併願作戦を先生に伝えましょう。
前期試験が終わると、すぐに後期の願書提出・試験と続きます。学校によっては、前期試験が始まる前に、後期試験の願書も用意しておかなくてはなりません。(成田のように、前期試験が始まる前に後期の締め切りがある学校もあります。)前期の結果がどうだったら、後期をどうするのか、先生に話を通しておく必要があります。
受験したい学校名だけを伝えても、先生は自分に都合よく「前期だけで終わりかな」ぐらいに受けとってしまう可能性があります。後期も受けるつもりなら「前期がだめなら、後期も受けます。」と、はっきり伝えるようにしましょう。


「安全校」については、前出のように入試相談が絡みます。「入試相談の基準」「本人の現時点での成績」をもとに先生がアドバイスしてくれるはずなので、先生の薦める学校の中から選択するのが良いでしょう。

その上で第一志望の学校については、自分の気持ちを強く伝えましょう。特に公立高校が第一志望なら、一般入試の願書を出すのは2月ですから、現状で合格ラインにとどいていなくても、冬休みいっぱいくらいまでは、希望を下げずに努力をし続けて、頑張れるところまで頑張ることもできます。その旨を、しっかりと先生に伝えて、理解を求めてください。
その場合、遅くとも冬休み明けには、公立の受験校をどうするのか最終判断をし、無理そうであるなら志望を下げることもつけ加えてください。公立の一般入試では入試問題の性格上、受験生の実力がほぼそのまま出ます。(もちろん個々には、予想以上にできたたり、失敗したりはありますが。)実力が足りないのに、無謀な挑戦をしても、良い結果が得られることはまれです。最終的には、実力相応の学校を受験するほうがよいと思います。

本人の意思が固いことが伝われば、よほど実力的に無理な学校を希望しなければ、きちんとした建設的なアドバイスがもらえるはずです。


ところで、自分の中学校では内申点がどのくらい削られる(加点される)のか、学校から聞いているでしょうか。こればかりは、中学校が教えてくれなければわかりません。
まだ何も聞かされていないのなら、三者面談で担任の先生に聞いてみましょう。


多くの生徒にとって、高校受験は、自分自身の意志で決める「人生最初の選択」でしょう。つまり受験する高校が決まるということは、「人生の第1歩を自分の足で踏み出した」ことになるのです。

それだけの重みを噛み締めて、よくよく考えて、話し合って、三者面談に臨んでください。

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