特色化選抜も試験は終了し、あさっての発表を待つばかりです。受験生の皆さんは、気が気ではないと思いますが、一般入試に向けて努力を怠らないようにしましょう。
さて、特色化については発表後にまとめるとして、すでに終了した私立高入試を総括したいと思います。
今年から始まった、前期・後期選抜ですが、前期については、おおむね予想通りの結果でしたが、後期はずいぶん波乱がありましたね。
上位各校の前期・後期の倍率を挙げてみます。(全て併願の倍率です。)
渋谷幕張 前期5.71倍、後期4.24倍(前期はTAG・A入試)
市川 前期3.98倍、後期23.81倍
東邦大東邦 前期1.79倍、後期1.84倍
昭和秀英 前期なし、 後期1.96倍
芝浦工大柏 前期1.48倍、後期2.21倍
専大松戸 前期2.47倍、後期4.80倍(E・A類合計)
日大習志野 前期1.65倍、後期6.02倍
国府台女子 前期1.21倍、後期1.30倍
成田 前期なし、 後期1.82倍
全体を通してみると、倍率2倍を切った学校が多くなり、昨年より楽な入試になりました。
うまく選んで受験できていれば、あまり不合格をもらわずにすむことも可能だったでしょう。
当ブログでは、進学コラム70「船橋高志望者の併願パターン」で、「私が考える理想的な前期受験パターンは、16日市川、17日東邦、18日芝浦工大柏です。」と書きました。
県船橋高レベルの受験生では、市川は不合格だった可能性が高いと思います。もはや市川は渋谷幕張と同じで、特別な思い入れがなければ、併願先に選ばない方が良いのかもしれません。
それに対して、東邦は合格できた可能性が高かったでしょうし、最悪でも芝浦工大柏は合格を確保できたと思います。
もしも、前期で東邦が不合格でも、後期では合格できた可能性も高かったでしょう。
やはり、選び方は大事だったと思います。
後期選抜の「台風の目」に挙げていた昭和秀英は、近年まれに見るほどの緩やかな入試になりました。
例年に比べて、入学者のレベルが低くなることが予想されますから、学校側は来年、何らかの対応をしてくるでしょう。今年の合格者はラッキーでしたね。
もうひとつの「台風の目」成田高校は、予想したほどの倍率低下はありませんでした。あとは、入学者のレベルがどの程度になっているかです。
前期・後期選抜になっても、比較的、予想通りの結果になったのですが、市川・日大習志野の後期については、完全に予想外でした。
市川が高倍率になるであろう(前期・後期含め)ことは、募集定員が62名→40名になった(現中3が11クラスもあり(中1・2は8クラス)、例年より多数の内部進学者がある)ことから、ある程度想像できました。
しかし、合格者数を昨年と比較してみると、
昨年の一般入試 563名(定員62名の9.08倍)
今年の前期・後期合計 280名(定員40名の7.00倍)
となっており、定員に対する合格者の比率も、昨年より絞っていることがわかります。
つまり、「定員が減ったから合格者が減った」以上の減り方になっているのです。これはなぜなのでしょう。
予想以上に「歩留まりが良くて」後期は絞ったのでは、という意見もありますが、公立の人気が高い千葉県では、歩留まりが本当に判明するのは、公立高一般入試の発表後です。
前期選抜と後期選抜の間にわかることは、「他の県内私立高への抜け」だけです。
前期選抜の結果、市川から他校に抜けるとしたら東邦しかありません。(渋谷幕張は入試が重なっていますから。)
しかし、昨年・今年と入試結果を見る限り、東邦は市川より上のランクではなくなっています。地理的要因や理系好き・医学部志望などの要因はあるにしても、さほど多くの生徒が東邦に抜けるとは思えません。
したがって、前期選抜での手続き率は良くて当たり前なのです。これをもって「歩留まりが良い」とは言えないでしょう。
何を意図して合格者(特に後期の)を絞ったのかは、関係者にしかわかりませんが、大学実績向上のため、入学者のレベルアップを意図して行われたのだとしたら、受験生はたまらないでしょう。
市川は、これを毎年繰り返して、渋谷幕張の後を追うつもりなのでしょうか。
来年度はどうしてくるのか、市川の出方に注目したいです。
さらに解せないのが日大習志野です。
日大習志野は、上位の私立高が多数あるだけに、対私立高の歩留まりは大体わかっているはずです。
後期に絞ったのは「予定通り」の結果としか思えません。
日大習志野は併願者を集めてなんぼの学校です。今年はせっかく志願者が増えたのに、つまらないことをして悪い評判を作ってしまったなという気がしてなりません。
併願校として、おすすめしやすい学校なんですが、残念です。
来年は改善してくることを期待します。
さて、いよいよ、あさっては特色化の発表です。その結果を見て一般入試を占ってみたいと思います。