11月も下旬に入り、中学校では期末考査が行われている頃かと思います。
2学期は、なぜか冬休みに入る1ヶ月も前に、期末考査が終わってしまいます。このコラムを見続けてきた人なら、その理由はおわかりでしょう。
そう、12月に入ると「入試相談」があるからです。
「入試相談」までに、成績を出さなくてはならないため、2学期の期末考査は11月末にあるのです。(歪んだ入試制度のために、中学校のスケジュールも歪んでしまったということです。)
期末考査が終われば、もう学校の勉強は気にしなくて良くなりますから、自分の受験勉強に専念できるでしょう。
さらに、この時期には、ほとんど三者面談も終わっていることでしょうから、受験校が決まっていれば、勉強の絞り込みもできるようになります。
つまり、期末考査が終わったこの時期から、冬休みいっぱいまでが、最も充実した受験勉強ができる時期なのです。
しかし学校では、私立の単願推薦が決まり、事実上「受験は終わった」生徒が出始め、逃げたい衝動に駆られやすくなってきます。
単願推薦を決めた生徒は「受験から脱落した者だ」(失礼)ぐらいに思って、自分は「自分の志望を貫き通す」と、強い意志を持つことが大切です。
意志を固めたら、次は学習計画です。
私立高前期入試まで2ヶ月を割ったこの時期、「5教科まんべんなく」なんて勉強をしていたら、成果を出すことは難しいでしょう。
上に書いたように、受験校に合わせた絞り込みが大切です。
自分が受験する学校の入試傾向をよく知った上で、自分が力を入れるべき教科・単元をピックアップしましょう。
そのためにも、もしまだ過去問に手をつけていないようなら、そろそろ過去問に取りかかりましょう(特に私立の)。週末や休日を利用すれば、1日で1年分こなすことは難しくないはずです。(というか、今から始めるのなら、せめてそのくらいやらないと間に合いません。)
数年分こなして、ざっと出題傾向がわかったら、自分が強化すべき部分を考えましょう。
その際、自分が引っかかった問題が、「皆ができる問題」なのか「ほとんどの人ができない問題」なのかを判別しましょう。
一部の著しく高倍率の学校を除いて、入試では「皆ができる問題」を、きっちり得点すれば合格点に達することができます。つまり、「ほとんどの人ができない問題」を、得点できるようになる必要はないということです。
得意教科の得意単元ならいざ知らず、残り時間の少なくなったこの時期に、その手の問題に取り組むことは、大変なロスになるでしょう。
「皆ができる問題」の中で、できていない部分の強化をしていくようにしましょう。
また、公立高校が第一志望なら、冬休みまでの1ヶ月で、理科・社会を完成に近づけましょう。
冬休みが明けると、1週間で私立高入試ですから、冬休みあたりから私立入試を意識してしまい、理科・社会には取り組みにくくなります。受験生の心理としては当然でしょう。
したがって、冬休み前に、理科・社会はメドを付けておかないと、公立に向けて不安を残すことになってしまいます。
理科・社会は暗記中心の科目ですから、まとめて勉強時間を取るよりは、短い時間をたくさん取った方が効果が出ます。そういう意味では、過去問をこなしながら、合間に強化していくことができます。
過去問を頑張っているから、今は「これでOK」ではなく、平行してやっていかないと上位校合格は難しいのが実情だと思いましょう。
入試前の2・3ヶ月で、大きく実力は変わります。今まで努力してきたことも、最後の2・3ヶ月で無になってしまうこともあるのです。
期末考査が終わったその日から、ラストスパートと思って頑張りましょう。もう悩んでいる場合ではないのです。
昨年もこの時期に、アドバイスを書いていますから、参考にしてみて下さい。
No.46「三者面談後の学習。」