3月7日、公立高校一般入試の合格発表がありました。
これで、上位校に関しては、2006年入試が終了したと言って良いでしょう。
上位校の最終的な倍率(受験倍率)を見てみると、
昨年に比べ、0.2倍以上上昇したのは、
八千代(普)1.58倍→2.21倍(+0.63)
薬園台(普)1.67倍→2.07倍(+0.4)
小金 1.31倍→1.55倍(+0.24)で、
逆に0.2倍以上下落したのは、
県立千葉 2.23倍→1.87倍(−0.36)
佐倉 2.00倍→1.74倍(−0.26)
東葛飾 1.82倍→1.62倍(−0.2)です。
最高倍率が予想されていた千葉東(2.11倍)は、受験生が大幅に抜けた結果、昨年の倍率(2.16倍)を下まわりました。
2006年の公立校入試の特徴は、「受かりそうな学校を受ける」だったと思います。
大幅に倍率が上がった学校は、いずれも近年、人気・レベルともに低下がささやかれていた学校で、安易に出願した受験生は、ひどい目にあったことでしょう。
しかし、私が思うように「安易な出願」が多かったのなら、この3校は倍率が上がったわりには、レベルが上がっていないかもしれません。(「烏合の衆」と言ったら、失礼でしょうか。)
逆に、倍率が下がった佐倉高校は、ここ数年で、「2番手校グループ」から、急速に抜け出た形になっていましたから、この揺り戻しは当然かもしれません。
昨年の2.0倍は、受験生を敬遠させるだけの効果が十分にあったのでしょう。
同じ倍率が下がった学校でも、千葉高校はもっと根が深い問題をはらんでいるように思います。
受験生が減少した原因として、渋谷幕張に抜けた可能性もあると思いますが、もしかしたら、「千葉高ブランド」が崩壊しつつあるのではないかと危惧しています。
今まで千葉高は「県内最上位校」として「特別な地位」にありましたが、渋谷幕張に東大実績で抜かれたことで、「公立御三家の一つ」に成り下がってしまったのかもしれません。
公立高校の序列の一つになってしまえば、受験生にとって「どうしても千葉高」という気持ちは薄れ、「安全策をとって船橋高校に」という選択が、しやすくなってしまうでしょう。
その証拠か、船橋高は公立御三家の中で唯一、今年も2倍を維持(2.09倍)しているのです。
もしもそうなら、数年のうちに、公立御三家のレベルは、かなり平均化されてしまうのかもしれません。
当然、そのときには、千葉県を代表する進学校は、渋谷幕張高校になっているのでしょう。
昨年、渋谷幕張が東大実績を大幅に伸ばしたことを、このコラムでは「歓迎すべき」ことのように書きましたが、それは渋谷幕張の「独走」を、歓迎したわけではありません。
個人的には、「千葉高ブランド」は、千葉県には、まだ必要だと思っています。
なぜなら、千葉県では東京や神奈川に比べて、私立中入試が成熟していると思えないからです。
今のまま、千葉高のレベルが下がり、渋谷幕張の一人勝ちになってしまうと、それが私立中高全体の「追い風」となって、今年の県内私立中入試のような「県内私立中バブル」が訪れるでしょう。
それは、私立中高の正しい競争を阻害するもので、千葉県の教育レベルの低下を招くおそれがあります。
千葉県では、まだまだ私立と公立の間で、切磋琢磨が必要だと思うのです。
そういう意味で、もう少し千葉高には頑張ってほしいのです。
今年の東大合格者数も、すでに入試が終わった前期分は、一部発表されているようです。
渋谷幕張は、昨年よりは、さすがに減って22名とか23名とか、言われているようですが、これでも昨年の千葉高の実績を超えています。
千葉高は例年発表が遅い学校なので、全く状況はわかりませんが、今年も厳しい戦いになっているのは、間違いないでしょう。
「変化の時代」を感じさせる、2006年入試でしたが、さて2007年はどうなっていくのでしょうか。
晴れて、高校生になる「元受験生」の方々へ。
もう、本当の意味の高校生活は始まっています。
せめて英語と数学は、この春休み中に、2ヶ月分くらい予習しておきましょう。
スタートダッシュが大切ですよ!