1月30日・31日に、特色化選抜の願書提出があり、今日の朝刊には、さっそく倍率が掲載されました。
昨年に比べ、上位校の倍率が下がっているようで、昨年に続き、最高倍率になった県立船橋(普)が4.62倍と、昨年の6.76倍から大幅ダウン。
他にも、県立千葉5.52倍→4.55倍、佐倉5.91倍→4.10倍、薬園台(普)5.12倍→3.70倍、県立柏4.46倍→3.43倍など、多くの上位校が、かなり下がっています。(昨年度の数字は、いずれも応募倍率です。)
ただし、特色化選抜は、募集定員枠が学校によって、まちまちなので、倍率だけ見ても、本質は見えません。
例えば、最初に名前を出した、県立船橋は、2倍近い大幅ダウンですが、実際の応募者は568名→517名と、倍率ほどには減っていません。船橋は定員枠を30%→40%に増やしたので、応募者減以上に、倍率が下がって見えているのです。
一般入試まであわせて、船橋高の倍率を考えてみると、特色化応募者517名のうち、定員の112名が合格すると、一般入試に405名が回ることになります。一般入試の定員は168名ですから、予想倍率は2.41倍になります。(実際には、当日欠席が出たり、特色化と一般入試の間で、受験者が動くので、この計算通りとは、いきませんが。)
昨年度の応募者数で、同じ計算をすると、一般入試の予想倍率は2.47倍になりますから、「若干下がった」程度にしかなりません。特色化の倍率が「大幅に下がった」ことだけを見て、今年は楽になったと喜べるほど、実際には楽になってはいないのです。
県立船橋は、最高倍率で取り上げられやすいだけに、志願者には「倍率が下がった」ことだけが、イメージされやすいので、船橋高志望者は注意が必要でしょう。
それに対して、本当に減っているのが、県立千葉で706名→582名と、実に124名も応募者が減っています。(千葉高は特色化の募集枠が、昨年と同じ40%ですから、倍率ダウンは、そのまま応募者ダウンです。)
千葉高が減った分、千葉東が588名→622名と増えているのですが、それでも、わずか34名です。100名近い受験生は、どこに流れているのか気になります。
東大実績で、渋谷幕張に完全に負けたことが、千葉高の人気ダウンにつながっているのかもしれません。(ということは、今年は渋谷幕張の歩留まりが良く、定員オーバーになるほど、入学手続きしているのかもしれません。)
ただ、それでも、千葉高は県内最難関校であることには違いありません。倍率が下がっても、少数激戦になるだけです。十分な準備をしておきましょう。(千葉高の受験生には野暮なアドバイスでしょうが。)
千葉高の124名ほどではありませんが、昨年高倍率だった上位校の応募者は減っています。前出の船橋(普)−51名、柏−53名、佐倉−42名と、受験生が、レベルアップしている学校を、避けていることがわかります。それは、特色化の定員が増えているかどうかは、関係ない傾向のようです。(船橋・柏・佐倉とも特色化は定員増です。)
そのぶん、薬園台(普)+88名、小金+91名、柏南+67名、八千代(普)+110名、船橋東+35名と、流出先になりそうな学校は、軒並み応募者を増やしています。
特色化選抜が導入され、1回しか受験できなかった公立高校が、2回受験できるようになって、チャンスが広がったと考えられていた状況から、公立上位校は、高倍率で、厳しい入試であることが、認識されてきた結果なのかもしれません。
ちなみに、応募者減に、歯止めがかからなかった小金が復活していますね、できれば柏高とデットヒートを繰り広げて欲しいものです。一方、国府台は−18名と、歯止めがかかっていません。伝統校だけに、何とか復活して欲しいものです。
また、御三家のひとつ、東葛飾は477名(4.26倍)→463名(4.13倍)と、こちらも人気低迷から、抜け出せてはいません。このままだと、大学実績でも、船橋に抜かれる日も近いかもしれません。
今年は、私立上位校も激戦でしたが、公立特色化も、決して楽ではない状況です。受験生は、一般入試まで見越した、準備の必要があるでしょう。
決して、「特色化で終わりにしたい」などとは思わないように。
さて、私立高校の結果で、残っていた日大習志野高校ですが、受験者1724名中、1069名合格(1.6倍)と、やはり、ありがたい存在だったようです。