早くもネタに困ってしまったので、少し高校受験とは違う話を・・・
大学受験の頃(もう20年も前ですが)、理学部生物学科を目指したことがありました。しかし、生物学科のある大学が少なくて、千葉から通えるのは、国公立は東大、千葉大、埼玉大、都立大、(筑波大、横浜市大はちょっと遠すぎ、お茶大は男なんで・・・)と、まだあるんですが、私立となると早稲田・教育、ICU・教養、東邦・理しかなかったと思います。あと理科大の理工に応用生物科学科がありましたが、いずれにしても選択の余地がほとんどない状態で困った記憶があります。
同じ理学部でも物理学科・化学科のある大学は結構あるんですが、生物・地学は何でこんなに少ないんだ、学問にもメジャーとマイナーがあるんだなと、高3での物理・生物の選択で生物を選んでしまったことを悔やんだりしたものです。
大学の学部学科を調べてみると、理系では国立私立ともに工学部が多いのがわかります。数えたわけではありませんが、全国の(駅弁と呼ばれる)国立大学の大半に設置されているはずです。理学部に比べて工学部が多いのは、明治期、また戦後に、日本が工業化による成長を目指していたことと無関係ではないでしょう。国策として技術者の大量養成を、目標にしていたことは明らかだと思います。また、経済成長とともに技術者の需要も増えてきたことから、私立大学にも工学部が多いのでしょう。実際、多くの工学部を出た技術者たちが、日本の成長を支えたのでしょうから、国の教育政策は誤っていなかったと言ってよいでしょう。
しかし、それは昭和までで、平成の現在、日本はもはや工業が国を支える状況ではありません。すぐに役に立つとはいえない基礎研究も必要な時代でしょう。このところ、日本人のノーベル賞受賞者がたて続けに出て、児童・生徒が基礎研究に対して興味を持てる環境になってきていると思います。すぐ役に立つ立たないにかかわらず、様々な基礎研究をできる場がもっと増えてもよいように思います。
私立では「お金にならない学問」は、学生が集まらないかもしれませんから難しいかもしれませんが、国立はもっと「学問の多様性」を提供することができるでしょう。お役所仕事では改革は難しいですが、幸い独立行政法人になったわけですから、未来を見据えた「研究のデパート」を作ってもらいたいものです。