公立高校一般入試まで、いよいよ残り1週間となりました。今朝の朝刊には倍率が掲載されましたが、予想通り上位校の受験生には、厳しい倍率になりました。特に2.5倍近い倍率になった、千葉高、船橋高の受験生は、あまりの厳しさにモチベーションの維持が、難しいのではないかと心配してしまいます。
千葉高については前回のコラムで「100名抜けても2.49倍ですから、これは大変な激戦になることが予想されます。」と書いたのが、ほぼその通りになりましたが、こんなことが当たっても全然嬉しくないです。
県立高校の一般入試で2.5倍なんていうのは、県立学校としての目的を、まったく果たしていないと言っていいのではないでしょうか。県立高校は、県民の税金を使って作った、県民のための学校だということを理解しているんでしょうか。倍率が高いということは、それだけ不合格者がたくさん出るということで、昨年も書いたように思うのですが、例えば前出の千葉高、船橋高の2校だけでも、特色化選抜で既に1100人以上の不合格者を生み出しているのです。
千葉高 応募者706名−合格者130名=不合格者576名
船橋高 (普通科568名+理数科89名)−(89名+21名)=不合格者542名
(実受験者がわからなかったので、応募者でそのまま計算しています、棄権者・当日欠席者もいるはずなので、実際にはもう少し不合格者は少ないと思われます。)
そしてまた、一般入試でも、
千葉高 応募者471名−募集人員190名=不合格者281名
船橋高 (普通科465名+理数科51名)−(189名+19名)=不合格者308名
と、600名近い不合格者が生み出されるのです。もちろん、この中の大半は、特色化も含めて2回とも不合格になっていることでしょう。
高校受験はほとんどの生徒にとって、初めて自分自身で選択する人生の岐路でしょう。そこで、ここまで多くの生徒が、完膚なきまでに打ちのめされることは、どう考えても好ましいことではないでしょう。特に県のトップ校を受験するような生徒は、それこそ死に物狂いで、したいことも我慢して、受験勉強に打ち込んできているでしょうから、努力したぶん不合格になったときの喪失感は、非常に大きなものになるでしょう。これを公立の教育機関が行うのです、これを許してよいものでしょうか。
これは千葉県だけのことではなく、全国的に公立高校入試で、「画一的な入試からの脱却」とばかり、複数回入試を導入するのが流行っているようですが、入試は受験生にとっては「一生に一度きり」です。1回だけ試験をやって決めるのが、公平で良いのではないでしょうか。敗者復活戦みたいなのは、後に禍根を残す元でしょう。教育行政は「まず一本しっかりした柱を通した」うえで、細かい調整をしていくものでなければいけないでしょう。柱が「流行り廃り」で揺れ動いていては、教育は荒廃するだけです。何か今回は愚痴っぽくなってしましたが、志願変更終了後、もう少し一般入試についてコメントしたいと思います。