昨日、公立高校の「特色ある入学者選抜(特色化選抜)」が行われました。導入当初、あまり乗り気でなかった(募集枠の小さかった)上位校も、さすがに3年目で観念したのか、募集枠を大きくしてきた学校が多かったこともあり、大半の学校で倍率が下がりました。
そんななか、県立船橋(普)は、応募者が601名→568名と減少したにもかかわらず、募集枠30%据え置きのまま、1学級減になったため、倍率は5.89→6.76と、全校で最高倍率になりました。これには「船橋高校は、まだまだ抵抗してみせるぞ!」という感じがして、個人的には好感を持ってしまいます。
また、今年から独自問題を導入した、東葛飾(317→477 ただし倍率は6.48→4.26とダウン)、佐倉(399→567 4.62→5.91)はともに大きく応募者を伸ばしています。特に東葛飾は募集枠も大きく拡大したこと(15%→35%)もあり、翳りの出ていた人気を回復するまでになるのでしょうか。
佐倉は上位校の中で唯一の「内申がよければ受かる」学校だったのですが、今まで内申に自信がなく敬遠していた層が、どっと集まったのだと思われます。逆に言えば、今までこれだけ多くの優秀な生徒を取り逃がしていたということになるわけで、もったいない話というか、やっぱりお役所仕事というか・・・。
ところで、特色化選抜は、各校の募集枠がまちまちなので、倍率だけを取ってみても、それだけでは人気の変化を読み取ることは出来ません。(前出の東葛飾のように応募者が増えているのに、倍率は下がったりしますから。)
ぜひ、受験生に見てもらいたいのは全募集定員に対する、応募者の数です。
例えば、県立千葉では定員320名に対し、706名の応募がありました。特色化で予定通り128名が合格すると、578名の不合格者が出ます、この不合格者が全員一般入試を受験すると、残りの定員192名を578名で争うことになり、倍率は実に3.01倍!。実際には千葉高では、昨年も特色化→一般入試で100名ほど抜けているので、3倍はいかないと思いますが、100名抜けても2.49倍ですから、これは大変な激戦になることが予想されます。(ちなみに千葉高の場合、1学級減になったことも大きな原因でしょう。)千葉高以外では、県立船橋も、かなりいきそうなので、受験生は周到な準備が必要だと思います。
それに対し、小金では定員280名に対し、応募は273名!つまり定員割れです。実際には、昨年も定員320名で306名しか応募がなかったのですが、一般入試では受験生が動いて来たので、1.15倍にはなったので、今年も定員割れはないでしょうが、かなり楽な入試になることは間違いないでしょう。小金は人気凋落傾向に歯止めがかからない状況で、すでに常磐線沿線の2番手校の座を、県立柏に譲り渡していますから、学校関係者もそろそろ動かないと、(実際には少しは動いて、1学級減らしたうえに、特色化の枠を40%→50%にしたのですが、この有り様です。)国府台の二の舞です。
こんなふうに一般入試まで、視野に入れてみてみると、今後の動き方も見えてくると思います。
でも、受験生の人たちに言いたい、「今、ドキドキしながら、期待して8日の発表を待っていてはいけませんよ。」特色化は所詮は宝くじです、当たりを待っていても、ほとんどはハズレです。8日までの1週間弱、ドキドキして勉強が手に付かず、挙句の果てに特色化不合格で、ガックリしたりしているようでは、一般入試も結果は見えているでしょう。一般入試に向けて、すぐに勉強にかかれる人が、結局合格を勝ち取れるのです。甘い夢ばかり見ていては、この激戦を勝ち残るのは難しいのです。合格を手にするその時まで、気を緩めることなく頑張っていきましょう。