さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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No.13 「三者面談、傾向と対策。」

いよいよ秋の三者面談の季節がやってきました。
1学期とは違い、この秋の三者面談では、受験校がほぼ決まることになります。そんな大切な三者面談で、受験生本人が納得のいく結論を導き出すための、予備知識をいくつかあげてみたいと思います。

三者面談の目的

まず、なぜ11月に三者面談があるのでしょう。
それは、12月中旬に私立高校の入試相談があるからです。

このHPでよく出てくるように、私立高校には「学力試験で合否を決める学校」と「入試相談で(中学校の成績で)合否をほぼ決める学校」の2種類があり、学校数は後者のほうが多いため、一部上位校を除くと、私立高入試は12月中旬の段階で大勢が決してしまうわけなのです。

したがって、中学校としては、12月中旬の入試相談までに「どの生徒」が「どの高校」を受験するのか、はっきりさせておかなくてはならないのです。
入試相談を通すと、必ず受験するのが原則ですから、少なくとも相談のある高校に関しては、この段階までに、生徒全員の受験校を確定しておかないと困るわけです。

中学校の進路指導では、特に押さえにする学校(いわゆる「すべり止め」の学校)で、入試相談のある学校を強く薦められます。(あらかじめ、ほぼ合格が内定しているわけですから、押さえとしては絶対安心なわけですね。)結果としてほとんどの生徒が入試相談を利用しているのが現状でしょう。

つまり、11月の三者面談とは「押さえの私立高を決める」ことが最大の目的なわけです。ただ、中学校の先生にしてみれば、どうせ面談をやるなら、他の受験校も確定させておいたほうが手間が省けるので、「ここで受験校はすべて決定ですよ。」というような言い方をするわけなのです。(もちろんそうでない先生もたくさんいますが。)

・受験生側と先生側の意識の差

三者面談では、受験生と中学校の先生との間に意識の差が見られがちです。先生は先生の立場で進路指導をしなくてはならないので、どうしても譲らないこともあるでしょう。先生側の考えをあらかじめ知っておけば、その対策も立てやすくなるはずです。

まず、先生の第一の目標は、「一人の脱落者もなく、全員がどこかの高校に合格すること。」でしょう。「合格する」という意味では、先生と生徒の希望は一致しているわけですが、生徒の希望はあくまでも「希望する高校に合格すること。」であり、先生の希望は「とにかくどこでもいいから、どこかに受かってほしい。」ということで、質的には大きな隔たりがあります。
したがって、先生は本人の希望よりも「いかに合格しやすいか」という点を重視して進路指導をしてきます。その意味では、前出の入試相談のある高校を薦めるのは当然の作戦でしょう。

第二の目標は「いかに受験する学校数を減らさせるか。」です。中学校の先生は、生徒が受験する学校の数だけ、内申書を用意しなくてはなりません。特に私立高校の書類は学校ごとに仕様がバラバラで、用紙は生徒から渡されるため、失敗するわけにはいかず、大変気を使って作成にあたらなくてはなりません。これを短期間に大量に用意しなければならないわけですから、先生たちのご苦労は並々ならぬものがあると思います。先生にとってみれば、生徒1人が受験校を1校減らしてくれれば、クラス全体で40枚も内申書を減らせるわけですから、何とか受験校を減らそうと必死に説得してきます。

受験校を減らすという意味でも、相談のある高校を受けさせることは、大変意味のあることになります。「学力試験で合否を決める学校」では、押さえの学校としては不安が残りますから、より確実にもうひとつぐらい、ということになりそうですが、相談があれば、その1校で押さえは十分ということになります。また多くの高校では「第二志望」という形の相談をしていますので、「ここを押さえに受けるなら、あとは公立1校しか受けられませんよ。」などという攻撃も可能になります。

つまり、中学校の先生としては、いかに入試相談のある高校を受けさせるように誘導するかが、三者面談における最大のポイントといえるでしょう。

さらに、先生の二つの目標を、同時に達成できる夢のような方法があります。それは私立高校の「専願」(「単願」とも言う)です。形式は「推薦」の場合と「一般入試」の場合とがありますが、いずれにしても、一部上位校を除く多くの高校では、入試相談で話が通れば、ほぼ合格が内定されて、その場合受験するのは、その1校のみということになります。

特に、通知表の成績の良い生徒を中心に、先生が、さかんに「専願」での受験を薦めてくることがあります。この場合は、安易に飛びついて決めてしまわずに、自分はその高校に進学することで満足なのかよく考え、塾などに通っているなら、そちらでも相談してみるのも良いと思います。

三者面談を成功させるために

ここまで、学校の先生がまるで敵であるかのようなことばかり書いてきましたが、もちろんほとんどの先生はあなたの味方です。しかし、あなたが自分の希望をはっきりと言えなければ、先生は自分の思惑にしたがって、高校を薦めてくるということなのです。大切なことは、

「自分はどこの高校に行きたいのか、はっきりと伝えること。」です。

その際、先生にとっての最大の関心事は「押さえの私立高校」ですから、第一志望の学校だけでなく、押さえにしたい私立高校も、必ず合わせて伝える必要があります。
できれば、公立・私立とも受験したい学校をすべて挙げて(いわゆる併願パターンですね)、先生の意見を聞いたほうが良いでしょう。特に押さえの私立高校については、「入試相談の基準」「本人の現時点での成績」をもとに先生がアドバイスするはずですので、先生の薦める学校の中から選択するのが良いでしょう。

その上で第一志望の学校については、自分の気持ちを強く伝えましょう。特に公立高校が第一志望なら、一般入試の願書を出すのは2月ですから、現状で合格ラインにとどいていなくても、冬休みいっぱいくらいまでは、希望を下げずに努力をし続けて、頑張れるところまで頑張ることもできます。その旨を、しっかりと先生に伝えて、理解を求めてください。
その場合、遅くとも冬休み明けには、公立の受験校をどうするのか最終判断をし、無理そうであるなら志望を下げることもつけ加えてください。公立高校は入試問題の性格上、受験生の実力がほぼ出ます。(もちろん個々には、予想以上にできたたり、失敗したりはありますが。)実力が足りないのに、無謀な挑戦をしても、良い結果が得られることはまれです。最終的には、実力相応の学校を受験するほうがよいと思います。

本人の意思が固いことが伝われば、よほど実力的に無理な学校を希望しなければ、きちんとした建設的なアドバイスがもらえるはずです。

多くの生徒にとって、高校受験は、自分自身の意志で決める「人生最初の選択」でしょう。つまり受験する高校が決まるということは、「人生の第1歩を自分の足で踏み出した」ことになるのです。
それだけの重みを噛み締めて、よくよく考えて、話し合って、三者面談に臨んでください。

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