さくら進学クリニック 『進学コラム』

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692.公立高校進路志望調査を読む

こんにちは、さくらです。

昨日の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されました。
これは中3生の志望状況を調査した数字です。
調査は1月5日に行っているので、私立入試の結果によって動く生徒の分は含まれていません。
実際の願書提出状況とは異なりますので気をつけてください。

今回は、この調査結果から公立1・2番手校の入試傾向を読み取ってみたいと思います。


はじめに1・2番手校(普通科、小金は総合学科)の志望状況をまとめます。
後の(  )は前年の志望調査の倍率です。
県千葉 (定員240名)  志望者446名   1.86倍 (2.02倍)
船橋 (定員320名)  志望者823名   2.57倍 (2.63倍)
東葛飾 (定員240名)  志望者542名   2.26倍 (2.43倍)
千葉東 (定員320名)  志望者528名   1.65倍 (1.74倍)
佐倉  (定員280名)  志望者470名   1.68倍 (1.69倍)
薬園台 (定員280名)  志望者487名   1.74倍 (1.58倍)
市千葉 (定員280名)  志望者531名   1.90倍 (2.00倍)
小金  (定員320名)  志望者697名   2.18倍 (1.96倍)

倍率だけでは状況が見えにくいので、過去2年間の志望者数と比較してみます。
一昨年(2022)→ 昨年(2023)→ 今年(2024)の順です。( )は前年比
県千葉  542名  → 484名 (-58名) → 446名 (-38名)   
船橋  848名  → 840名 (-8名) → 823名 (-17名)
東葛飾  524名  → 583名 (+59名) → 542名 (-41名)
千葉東  638名  → 556名 (-82名) → 528名 (-28名)
佐倉   529名  → 474名 (-55名) → 470名 (-4名)
薬園台  367名  → 441名 (+74名) → 487名 (+46名)
市千葉  551名  → 560名 (+9名) → 531名 (-29名)
小金   763名  → 626名 (-137名) → 697名 (+71名)

今年は私立の志願状況にあまり動きがありませんでしたが、公立も50名以上動いているのは小金のみと動きが少ないない印象です。
2倍を大きく超えている県船橋東葛飾は高倍率の常連でこんなものでしょう。
2番手校では小金と市千葉の人気が根強いです。


次に、過去5年間の「調査」と「実際の志願状況」を比較して、今年の傾向を考えていきたいと思います。
調査での志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率) 志願倍率 の順に記載していきます。(志願者数は2020年までは前期選抜の志願者数)

志願率とは私の造語で「調査での志望者数」のうち「実際に志願した数」の割合です。
志願者数 ÷ 調査での志望者数 ×100 で計算し、志望した生徒の何%が実際に出願したのかを示しています。

志望調査はあくまでも「志望」であり、実際には志望した生徒全員がその高校を受験するわけではありません。
上位校では模試や私立の結果などから志望を下げる生徒も出てくるので、実際の志願者数は調査よりも減るのが普通です。
そこで、高校ごとの志願者の減り具合を調べてデータを修正し、より精度の高い予想をしようというわけです。

実際に志願率を出してみると、学校ごとの特徴も見えますが、年ごとのばらつきも大きく予想は容易ではありません。
そのあたりもふまえて、あくまでも「おおまかな予想」として参考にしていただきたいと思います。
(正直言ってけっこう外れます(笑)、過去のデータはあくまでも過去の傾向なのです)

ところで、2020年までは前期・後期の2回入試が行われていたので、倍率は定員が違うので参考になりません。
そこで、入試が1回だったらと想定して、志願倍率を 前期選抜の志願者数 ÷ 総定員 で計算し直しています。
実際の前期選抜の倍率とは異なりますのでご注意ください。


まずは1番手校から。

県立千葉 (定員240名)
    調査志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率)  志願倍率
2019年  539名 → 458名 ( -81名、85%)  1.91倍
2020年  528名 → 428名 (-100名、81%)  1.78倍
2021年  448名 → 359名 ( -89名、80%)  1.50倍
2022年  542名 → 425名 (-117名、78%)  1.77倍
2023年  484名 → 380名 (-104名、79%)  1.58倍
2024年  446名 →

県千葉は中学があるため募集定員が6クラスと少なく構造的に高倍率になりやすいのですが、近年はやや敬遠されがちです。
トップ校のため、あきらめた層が抜けるだけで流入がないせいか、志願率は低めで80%前後の年が多いです。

最近は22年をピークに2年続けて志望者が減っています。
22年から始まった「思考力を問う問題」の影響があるのかもしれません。
志願率が80%なら倍率は1.49倍、85%なら1.58倍になります。


県立船橋 (定員320名)
19年  801名 → 631名 (-170名、79%)  1.97倍
20年  845名 → 650名 (-195名、77%)  2.03倍
21年  740名 → 563名 (-177名、76%)  1.76倍
22年  848名 → 632名 (-216名、75%)  1.98倍
23年  840名 → 569名 (-271名、68%)  1.78倍
24年  823名 →

船橋普通科は本来は7クラスですが、2014年から臨時定員増で8クラスになっています。
定員を増やしても、それを上回る人気のため今回の調査でも最高倍率の2.57倍です。
入試が1回になって上位校が多く敬遠された21年を除けば、ずっと志望者800人台をキープしています。

ただし、志望したものの実力が及ばない受験生がどんどん抜けるので、志願率は80%を切る状況です。
特に昨年は70%も切り、志望者の3分の1近くが抜けていなくなるというすごい年でした。
(なぜ昨年そうなったのか、理由がまったくわからないというところも受験の難しいところです)
見かけの倍率はすごく高いですが、実際にはそこまで厳しいわけではありません。

県千葉と同様に抜けるだけで流入がほとんどないため、志願率は低めになります。
志願率70%で倍率は1.80倍、75%だと1.93倍、78%で2倍を超えます。
最近の志願率を見ると、2倍には届かない可能性が高いでしょう。


東葛 (定員240名)
19年  435名 → 432名 (  -3名、99%)  1.80倍
20年  481名 → 433名 ( -48名、90%)  1.80倍
21年  503名 → 436名 ( -67名、87%)  1.82倍
22年  524名 → 466名 ( -58名、89%)  1.94倍
23年  583名 → 480名 (-103名、82%)  2.00倍
24年  542名 →

東葛飾は地理的要因で他校に変更しにくいためか、志願率は高めで90%を超える年もあります。
2019年より東葛飾中からの進学者で2クラス定員が減り、県千葉と同じ240名の定員となっています。
その19年は定員減で敬遠されたのか大きく志望者を減らしましたが、その後抜けた生徒はわずか3名で志願率は99%に達しました。

2019年から一貫して志望者数を増やしてきましたが、今年は減少に転じています。
昨年から思考力問題が導入され、志願者が志望調査より100名以上減った流れがまだ続いているようです。

定員が少ないため、志願者が少し動くだけでけっこう倍率も動きます。
志願率85%で倍率は1.92倍、90%だと2.03倍です。
今年は志願倍率2倍をギリギリ切るくらいかなと見ています。


千葉東 (定員320名)
19年  704名 → 612名 ( -92名、87%)  1.91倍
20年  611名 → 518名 ( -83名、85%)  1.62倍
21年  495名 → 428名 ( -67名、86%)  1.34倍
22年  638名 → 550名 ( -88名、86%)  1.72倍
23年  556名 → 429名 (-127名、77%)  1.34倍
24年  528名 →

学区ナンバー2で抜ける分と流入する分が相殺されるためか、志願率は県千葉ほど低くありません。
年による動きもけっこうあるため、予想の難しい学校です。

昨年は思考力問題が導入されたためか、実際の志願者を大きく減らして志願率は80%を割りました。
今年も志望調査では前年から28名しか減っていないので、志願率は低めになるのかもしれません。
志願率が80%なら倍率は1.32倍、85%なら1.40倍なので1番手校としては緩めの入試になりそうです。


続いて2番手校を見ていきましょう。

佐倉 (定員280名)
19年  539名 → 490名 (-49名、91%)  1.75倍
20年  482名 → 436名 (-46名、90%)  1.56倍
21年  495名 → 419名 (-76名、85%)  1.50倍
22年  529名 → 456名 (-73名、86%)  1.63倍
23年  474名 → 395名 (-79名、83%)  1.41倍
24年  470名 →

佐倉は東葛飾と同様の地理的要因のせいか、志願率は高めで90%を超える年もあります。
倍率が大きく崩れることのない、安定した人気を保っている学校です。
今年は志望者が昨年とほとんど変わっていないので、改めて計算しなくてもいいような…(笑)。
志願率が85%なら倍率は1.43倍、90%なら1.51倍です。


薬園台 (定員280名)
19年  394名 → 378名 (-16名、96%)  1.35倍
20年  384名 → 342名 (-42名、89%)  1.22倍
21年  379名 → 359名 (-20名、95%)  1.28倍
22年  367名 → 388名 (+21名、106%) 1.39倍
23年  441名 → 409名 (-32名、93%)  1.46倍
24年  487名 →

薬園台は上位校としてはあり得ない1.3倍程度の低倍率が続いていましたが、やっと上向いてきました。
23年は2017年以来6年ぶりの志望者400人越えを果たし、今年はさらに増やして佐倉を超えています。
志願率が90%なら倍率は1.56倍、95%なら1.65倍です。
倍率の急激な上昇に敬遠する受験生が増えて、志願率は少し下がるかもしれません。


市立千葉 (定員280名)
19年  521名 → 476名 (-45名、91%)  1.70倍
20年  549名 → 453名 (-96名、83%)  1.62倍
21年  566名 → 418名 (-148名、74%) 1.49倍
22年  551名 → 458名 (-93名、83%)  1.64倍
23年  560名 → 480名 (-80名、86%)  1.71倍
24年  531名 →

市千葉は例年並みなんてわからないほど志願率が動く高校です。
今年も含めてここ6年間、志望調査段階では550名前後でほとんど変わらないのですが
ふたを開けてみれば、年によって全く異なる倍率になっていたりします。
志願率が80%なら倍率は1.52倍、85%なら1.61倍です。


小金 (定員320名)
19年  660名 → 560名 (-100名、85%)  1.75倍
20年  621名 → 535名 ( -86名、86%)  1.67倍
21年  599名 → 483名 (-116名、81%)  1.51倍
22年  763名 → 624名 (-139名、82%)  1.95倍
23年  626名 → 488名 (-138名、78%)  1.53倍
24年  697名 →

あれよという間に超人気校になってしまった小金です。
22年は県船橋東葛飾かというくらいの高倍率になりました。
さすがに昨年は高倍率が敬遠されたのか大きく志望者が減りましたが、今年は再び増加に転じています。
志願率が80%なら倍率は1.74倍、85%なら1.85倍ですから、県船橋に迫る倍率になるかもしれません。


1・2番手校をざっと見てきましたが、これは過去のデータに基づいた予測にすぎません。
今年に特有の要因などはまったく考慮していないので、想定外の動きをする場合もあります。
あくまでも参考程度に見てください。


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