こんにちは、さくらです。
まもなく11月、先取り学習の終わりが見えてくる頃だと思います。
同時に、私立の受験校を絞り込んでいく時期でもあります。
私立の受験校が決まったら、過去問(過去の入試問題)の研究に取りかかりましょう。
というわけで、今回は「過去問の取り組み方」について講義します。
はじめにお断りしておきますが、過去問の取り組み方は語る人によって様々です。
ここに書いたことは私個人の考える方法で、考え方のひとつだと受け取ってください。
◎過去問研究の目的
過去問研究の目的は
出題傾向を知ること
自分の対応力と時間配分を知ること の2点です。
これをしっかり理解しておかないと、「ただ問題集を解いて終わり」となってしまいます。
目的を明確に把握して過去問に向かいましょう。
◎過去問に取り組む際の注意点
1.過去問はテスト形式で(テストとして)実施すること
必ず時間を計って実施し、実施後はすみやかに採点しましょう。
過去問には解答用紙がついているので、コピーして使うと臨場感が高まります。
特にマークシートの高校では必ず解答用紙を使用し、マークシートの練習をしておきましょう。
時間配分のトレーニングのためには、本番と同じ時間で実施しなければ意味がありません。
出題傾向には問題の難易度も含まれていますが、難易度は解答時間によって変わってきます。
時間が限られているからこそ難易度が高くなる問題もありますから、必ず時間内で実施するようにしましょう。
2.私立の過去問は冬休み前までに終わるよう計画を立てよう
過去問の目的は出題傾向を知ることだと書きましたが、知るだけでは目的は達していません。
よく出題される単元が苦手分野であったら、その単元を鍛えなければならないでしょう。
対策をしなければ、傾向を知った意味はないのです。
その対策をいつ行うのかといえば冬休みしかありません。
(冬休みが終われば10日ほどで私立前期入試なのですから)
したがって、冬休み前までに過去問研究を終え出題傾向をつかんでおく必要があります。
残り時間は2か月ほどしかないので、計画を立てて確実に消化していくようにしましょう。
私立受験校が3校程度で1校は入試相談ありなら、土日にまとめてやっても2か月あれば十分でしょう。
公立の入試は2月ですから、過去問を急いで進める必要はありません。
11月から2月まで、実力がついてきていることを確認しながら少しずつ進めていけばよいでしょう。
(過去問は4・5年分しか入っていないので、あまり早くやってしまうと入試前に困ることになります)
3.データはしっかり残しておこう
過去問の目的は傾向を知ることにあるのですから、気づいたことはすぐにメモしましょう。
人は忘れていく生き物です、すぐにメモしておかないとどんどん脳から消えてしまいます。
出題傾向だけでなく、「この問題は後回し」とか「これは捨て問題」など時間配分に関するメモも残しておきましょう。
過去問にはふつう合格最低点が載っているので、自分のその学校に対する対応力がわかります。
複数年度にわたって自己分析するために、得点は一覧表を作って記入しておきましょう。
学校や塾の先生に相談するときにも、一覧表を見せればアドバイスをもらいやすいでしょう。
4.解き直しに時間をかけすぎない
私立では難易度の高い問題が多く出題されるので、高得点を取るのは難しいでしょう。
間違えた問題をすべて解き直して理解しようとすると、大変な労力と時間が必要になります。
過去問の目的は出題傾向を知り勉強に生かすことにあるわけですから、すべての問題ができるようになる必要はありません。
解き直しは合格点に届く程度までで十分です。
(時間がかかりすぎるようなら、合格点に届かなくてもOKです)
私立は難易度が高いぶん合格最低点も低めであることが多いので「捨て問題」も存在します。
捨て問題の解き直しなど、まったくやる必要はありません。
解き直しに時間をかけるのなら、そのぶんの時間を頻出単元の苦手対策にまわしましょう。
昨年や一昨年に出た問題は、いくら解けるようになっても今年の入試には出ないのですから。
◎公立受験校で悩むなら、お正月の過去問で判断を
最後に、公立限定の過去問使用法をひとつ。
公立の受験校で悩んでいる人(例えば県船橋か薬園台か)は、お正月に3回分くらい過去問を解くとよいでしょう。
お正月から公立入試までは2か月弱あります。
この段階で志望校の合格点に20~30点足りない程度であれば、残り2か月で何とかなる可能性があるでしょう。
しかし、50点も60点も足りないようでは、ここから死にものぐるいで頑張っても上乗せは難しいと思います。
合格点の目安は塾や学校の先生に聞いてください、進学コラムでも4月に得点開示報告として掲載しています。
ただし、前期選抜の合格点は「上位60%ライン」の得点なので、それよりは少し下に見るとよいでしょう。
(どのくらい下に見るとよいのかと問われると、返答に困りますが)
朝から本番と同じ時間帯で実施して、しっかり採点して可能性を見極めてください。