さくら進学クリニック 『進学コラム』

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552.公立高校進路志望調査を読む

こんにちは、さくらです。

今朝の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されました。
これは中3生の志望状況を調査した数字です。
調査は県内私立入試の前に行っているので、私立前期の結果によって動く生徒の分は含まれていません。
実際の願書提出状況とは異なりますので気をつけてください。

今回は、この調査結果から公立1・2番手校の入試傾向を読み取ってみたいと思います。


はじめに1・2番手校(普通科)の志望状況をまとめておきます。

県千葉  (定員240名)  志望者528名   倍率2.20倍
船橋  (定員320名)  志望者845名   倍率2.64倍
東葛飾  (定員240名)  志望者481名   倍率2.00倍
千葉東  (定員320名)  志望者611名   倍率1.91倍
佐倉   (定員280名)  志望者482名   倍率1.72倍
薬園台  (定員280名)  志望者384名   倍率1.37倍
市千葉  (定員280名)  志望者549名   倍率1.96倍

この倍率は前期・後期を合計した全定員に対する倍率です。
前期選抜における倍率ではありません。
前期選抜は定員の6割しか募集しないので、前期の倍率はこれよりも高くなります。


次に、過去4年間の「調査」と「実際の志願状況」を比較して、今年の傾向を考えていきたいと思います。
調査での志望者数 → 前期選抜での志願者数 (増減数、志願率) 前期実質倍率 の順に記載していきます。

志願率とは私の造語で「調査での志望者数」のうち「実際に前期選抜に志願した数」の割合です。
調査で志望した高校に実際にどの程度(何%)が出願したのかを示しています。
これは 前期選抜志願者数 ÷ 調査での志望者数 ×100 で計算しています。

志望調査はあくまでも「志望」であり、実際には志望した生徒全員がその高校を受験するわけではありません。
上位校では模試や私立前期の結果などから志望を落とす生徒も出てくるので、実際の志願者数は調査よりも減るのが普通です。
そこで、高校ごとの志願者の減り具合を調べてデータを修正し、より精度の高い予想をしようと考えたわけです。

実際に志願率を出してみると、学校ごとの特徴も見えますが、年ごとのばらつきも大きく予想は容易ではありません。
そのあたりもふまえて、あくまでも「予想」として参考にしていただきたいと思います。
(「数字遊び」のような部分もありますので、本当に参考程度に笑って見てやってください)


まずは1番手校から。

県立千葉 (前期定員144名)
2016年  533名 → 471名 ( -62名、88%)  3.24倍
2017年  584名 → 474名 (-110名、81%)  3.22倍
2018年  524名 → 432名 ( -92名、82%)  2.92倍
2019年  539名 → 458名 ( -81名、85%)  3.15倍
2020年  528名 → 428名 (-100名、81%)  2.97倍

県千葉は千葉中からの進学者が2クラス分いるので募集定員が少なく、構造的に高倍率になりやすい学校です。
ここ3年間を見ると志望者数がほとんど変わっていませんから、2018年と2019年の間くらいに落ち着きそうです。
志願率が昨年並みの85%なら前期志願倍率は3.12倍になります。

追記:前期選抜の志願状況が出ましたので、志願倍率と志願率を追加しました(青字部分が追記分です)
志願率はけっこうはずれてますね、倍率予想なんてそうそう当たらないということです


県立船橋 (前期定員192名)
16年  788名 → 649名 (-139名、82%)  3.35倍
17年  797名 → 653名 (-144名、82%)  3.34倍
18年  790名 → 672名 (-118名、85%)  3.45倍
19年  801名 → 631名 (-170名、79%)  3.27倍
20年  845名 → 650名 (-195名、77%)  3.39倍

昨年は800名の大台を越えましたが、ふたを開ければ志願者は前年を下回り、予想の難しさを感じる結果となりました。
今年は志望者がさらに増えているので、昨年と同様に志願率は低めになると予想されます。
志願率が昨年並みの79%でも前期志願倍率は3.48倍になります。
普通科は2014年から1学級増になっていますが、まったく関係なく厳しい入試となりそうです。


東葛 (前期定員144名、18年までは192名)
16年  581名 → 536名 (-45名、92%)  2.78倍
17年  518名 → 487名 (-31名、94%)  2.49倍
18年  630名 → 590名 (-40名、94%)  3.04倍
19年  435名 → 432名 ( -3名、99%)  2.99倍
20年  481名 → 433名 (-48名、90%)  3.01倍

東葛飾は地理的要因で他校に変更しにくいのか、志願率は県千葉や県船橋より高めです。
昨年は定員減で敬遠されたのか大きく志望者を減らしましたが、抜けた生徒はわずか3名で志願率は99%に達しました。
今年は志望者が50名近く回復していますから、例年並みの志願率に戻りそうです。
志願率が95%なら前期志願倍率は3.17倍になり3倍台を回復しそうです。


千葉東 (前期定員192名、18年までは216名)
16年  674名 → 635名 (-39名、94%)  2.91倍
17年  679名 → 618名 (-61名、91%)  2.80倍
18年  742名 → 701名 (-41名、94%)  3.18倍
19年  704名 → 612名 (-92名、87%)  3.15倍
20年  611名 → 518名 (-83名、85%)  2.70倍

千葉東も昨年定員減でしたが、東葛飾ほどは敬遠されず志望者は700名を超えました。
それが敬遠されたのか出願では92名も減り、志願率は大きく下がりました。
今年は志望段階で昨年より93名少なくなっていますから、志願率は90%台に戻りそうです。
志願率94%なら前期志願倍率は2.99倍になります。


続いて2番手校を見ていきましょう。

佐倉 (前期定員168名)
16年  503名 → 453名 (-50名、90%)  2.70倍
17年  517名 → 467名 (-50名、90%)  2.78倍
18年  455名 → 453名 ( -2名、99%)  2.68倍
19年  539名 → 490名 (-49名、91%)  2.91倍
20年  482名 → 436名 (-46名、90%)  2.60倍

佐倉は昨年の高倍率が嫌気されたのか、志望者は50名以上減って500名を割り込んでいます。
一昨年に500名を大きく割り込んだときは、志願者がほとんど減らず驚異の志願率99.6%で倍率を維持しました。
今年もあまり抜けずに強気の志願になるのでしょうか。
志願率を95%として計算すると前期志願倍率は2.72倍になります。


薬園台 (前期定員168名)
16年  444名 → 406名 (-38名、91%)  2.40倍
17年  500名 → 451名 (-49名、90%)  2.67倍
18年  393名 → 353名 (-40名、90%)  2.09倍
19年  394名 → 378名 (-16名、96%)  2.24倍
20年  384名 → 342名 (-42名、89%)  2.04倍

一昨年、昨年と大幅な志願者減となった薬園台ですが、今年も復活はできていません。
昨年は志願者が例年ほど減らなかった(志願率が高かった)ため、何とか倍率は上昇しました。
学校関係者にとっては、今年も志願率次第の綱渡り的入試になりそうです。
志願率が昨年並みの96%なら前期志願倍率は2.20倍ですが、一昨年並みの90%なら2.06倍になります。
低倍率も3年続けばもうそれが学校の実力です、当然、合格基準偏差値にも影響してくるでしょう。
薬園台はこのままズルズルと2番手校の地位を失っていくのでしょうか。


市立千葉 (前期定員168名)
16年  414名 → 362名 (-52名、87%)  2.14倍
17年  535名 → 478名 (-57名、89%)  2.81倍
18年  443名 → 414名 (-29名、93%)  2.45倍
19年  521名 → 476名 (-45名、91%)  2.82倍
20年  549名 → 453名 (-96名、83%)  2.70倍

市千葉は見事な隔年現象だったのですが、今年はそれを破って2年続けて志望者増になっています。
普通科千葉市民しか受験できないので、薬園台から志望者が移ってきているとも思えません。
市立稲毛が定員200名で志望者207名とすごいことになっているので、市内では稲毛より強気に市千葉という流れでもあるのでしょうか。
稲毛がそんな感じなので、多少は稲毛に流れて志願率は下がるのかもしれません。
志願率が17年並みの89%なら前期志願倍率は2.91倍になります。


近年、実力上昇中の小金も見てみたいと思います。
小金 (前期定員192名)
16年  579名 → 522名 ( -57名、90%)  2.71倍
17年  604名 → 567名 ( -37名、94%)  2.94倍
18年  618名 → 544名 ( -74名、88%)  2.81倍
19年  660名 → 560名 (-100名、85%)  2.90倍
20年  621名 → 535名 ( -86名、86%)  2.79倍

過去4年間を見ると志望者は高値安定ですが、それでも昨年は志願でドンと100名が抜けています。
もともとの志望者が多く、実際の志願で大量抜けというのは、県船橋や県千葉と同じパターンで人気校の特徴です。
ここ2年間の抜け具合を見ると、小金の人気回復は本物だと言えそうです。今年も大量抜けになるのか注目です。
今年は志望者がほぼ一昨年と同じなので、志願率も一昨年並みの88%なら前期志願倍率は2.84倍になります。


昨年同様、郡部の理数科は厳しい状況になっています。(全体定員はすべて40名、( )内は前年)
長生  志望者35名(29名)  0.88倍
佐原  志望者33名(36名)  0.83倍
成東  志望者29名(30名)  0.73倍
匝瑳  志望者10名(18名)  0.25倍

「すべての学区に理数科を」という方針は理数科のレベル低下を招いたように思えてなりません。
希望者がいないところに学科だけ作っても・・・ということなんでしょう。
(実際には、理数科が実質的な理系選抜クラスでなくなったからなんでしょうが)
匝瑳の10名は壊滅状態といってよいでしょう、もう市立銚子のように普通科とくくり募集しかないのではないでしょうか。

今年、前期で100%(40名)募集する県船橋・理数は 志望者59名 1.48倍 と県船橋とは思えない倍率です。
入試が1回きりになれば、このように倍率は落ち着くわけです。
もっとも、ふたを開けたら普通科から流れてきてドッカンなんてこともあるかもしれませんが。


1・2番手校中心にざっと見てきましたが、これは過去のデータに基づいた予測にすぎません。
想定外の動きをする場合もありますので、あくまでも参考程度に見てください。

昨年までの入試結果は進学研究会や総進図書のホームページに掲載されています。
1・2番手校以外について調べたい場合は参考にしてください。

前期の願書提出まで残り1週間ほどです。
ここで悩むことでプラスになることはひとつもありません。
前期がダメでも後期があります、こんな調査の数字は気にせずに受験勉強頑張ってください。


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