こんにちは、さくらです。
冬休みまで1か月になりました。
受験勉強は過去問研究が佳境に入っている頃でしょう。
ところで、私立は三者面談で決まりでも、公立は迷っているという人も少なくないと思います。
前回のコラムでも「公立の願書提出は2月です、現状で合格ラインにとどいている必要はありません」と書きましたし、
web進学塾でも「今は志望を変える時ではありません、絶対に志望を下げてはいけません!」と書いています。
しかし、もうすぐ冬休みです。
そろそろ、いつ、どのような形で公立受験校を確定するのか、決めておかねばならない時期です。
そんなわけで、今回は公立受験校を確定するためのポイントについて書きます。
12月以降で受験校確定の判断材料になるのは以下の5つです。
1.公立過去問の出来
2.12月・1月の模試
3.私立の入試結果
4.1月下旬発表の公立進路志望調査
5.公立前期の倍率と自己採点結果
1.公立過去問の出来
公立に限らず、受験校の合格レベルに達しているかの判断材料として最も信頼できるのは過去問の出来です。
過去問は実施時期が入試に近いほど判断材料としての信頼性が高まります。
したがって、11月ごろの得点より、冬休みのほうが信頼できる材料になります。
オススメしたいのは、お正月三が日に、入試と同じ時間帯で過去問を実施することです。
三が日で3年分(前期or後期の3回分)一気にこなせます。(夕方に解き直しすれば、夜は別の勉強もできます)
お正月は気持ちがゆるみやすいので、集中せざるを得ない過去問の実施はうってつけです。
実施する際に気をつけなければいけないことは、テスト形式で厳密に実施することです。
実施中に中座したりしては正確に実力を測ることはできません。
採点も厳密に行いましょう、採点を甘くしてしまったらデータの信頼性は失われてしまいます。
記述問題や作文は家族などにも見てもらうとよいでしょう。
お正月から公立後期までは2か月近くもあります。
その間も勉強した分の実力は上がりますから、2か月で20〜30点程度の上乗せは可能です。
合格の目安となる得点に20〜30点足りない程度までならば「受験資格がある」と考えてよいでしょう。
(もちろん、受験資格があると考えられるだけで、実際に合格できるかはやってみなければわかりません)
合格点の目安がわからなければ、塾や学校の先生に聞いたり、受験ガイドなどで調べましょう。
進学コラムでも毎年「得点開示報告」をしています、一番上の「記事一覧」から過去のコラムを探してみてください。
(上位校の過去5年分に限れば、さくら進学クリニックの「上位校の入試状況」にも掲載しています)
2.12月・1月の模試
このコラムを読んでいる人は、すでに何度も模試(Vもぎ・Sもぎ)を受けているでしょうから、
12月・1月の模試で決めるというより、ここまでの成績推移で決めるということになるでしょう。
12月には、Vもぎ・Sもぎとも後期選抜を想定した40分の模試を用意しています。
上位生は後期も受験する可能性が高いので、後期の対策も抜かりなくやっておきましょう。
(上位校の前期倍率は3倍前後なので、3人に2人は後期も受けることになります)
40分の模試はこの1回だけなので、ここで「10分短い試験」がどんなものなのか経験しておきたいものです。
3.私立の入試結果
県船橋か薬園台かで迷っていても、私立1番手校(市川or秀英)に合格すれば迷う必要はなくなるでしょう。
大学実績でも、生徒全体の実力でも、私立1番手校は薬園台よりも上だからです。
迷わず県船橋を選択できるはずです。
(経済的な理由などで、どうしても公立に進学しなければならない場合は別ですが)
模試での可能性が低くても、私立は試験一発勝負ですから結果はやってみなければわかりません。
合格可能性20%ならば「5人に1人は合格する」という意味です。
公立を迷っているなら、第一志望に準ずる私立高校を受けてみる価値はあるでしょう。
入試は結果がはっきり出ますから、過去問や模試のように微妙な結果で判断しにくいということはありません。
あいまいさを排除することができるぶん、受験校を決める踏ん切りはつきやすいでしょう。
4.1月下旬発表の公立進路志望調査
毎年1月下旬に、中学校を通じて集計した「公立高校の進路志望調査」が発表されます。
希望調査であることと、私立入試前の調査であることから、正確な受験者数が予測できるほどのデータではありません。
しかし、前年の調査と比較することで、志願者が増えそうなのか減りそうなのかは予測できます。
(前年度のデータは進学研究会や総進図書のホームページから入手できます)
また、レベルの近い学校間の比較もできます。
「県船橋か東葛飾か」「佐倉か薬園台か」などで迷っている場合は、倍率が低くなりそうなほうに出願することができます。
公立高校進路志望状況については、昨年の進学コラム「公立高校進路志望調査を読む」も参考にしてみてください。
5.公立前期の倍率と自己採点結果
4.までは主に前期選抜における判断材料でしたが、これは後期選抜のみにおける判断材料になります。
後期には後がありませんから「挑戦」よりも「合格」を意識した学校選択になるでしょう。
後期では「前期の入試結果」が信頼性の高い判断材料になります。
前期で倍率が高かった学校は後期でも高倍率になる可能性が大です。
レベルの近い学校間で迷っている場合は、前期の倍率が低かったほうに動くのもよい作戦でしょう。
(後期では志願変更が可能なので、ギリギリまで倍率を確認して動くことができます)
さらに有効な材料になるのは「前期の自己採点結果」です。
前期と後期は半月しか離れていませんから、実力が大きく変わることはないでしょう。
したがって「前期の自己採点での得点≒後期に取れそうな得点」だと考えられます。
前期選抜は後期選抜に向けた「最高の模擬試験」になるのです。
前期の得点が目安となる得点に大きく届かないようなら、後期でも合格できる可能性は高くないでしょう。
気をつけたいのは、前期選抜の平均点も合格最低点もこの段階ではわからないことです。
テレビや新聞の解説を見たり、学校や塾の先生に予想してもらって判断するしかありません。
以上、公立受験校を確定するためのポイントを書いてみました。
大切なことは、「どの段階で」「どうなったら」「どの学校に確定するのか」を冬休みいっぱいくらいまでに決めておくことです。
確定の仕方を決めておけば、後々悩むことはなくなります。
確定の仕方を決めたら先生や親に伝えておきましょう。
そうすれば、あとになって自分勝手にルール変更することが難しくなります。
(人間はいざとなると踏ん切りがつかなくなって、自分勝手にルールを変えてしまったりするものなのです)
あとは合格目指してひたすら勉強するだけです。
頑張りましょう。