こんにちは、さくらです。
今朝の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されました。
(今年は例年より遅く、この時期に出されても受験校決定の資料にはなりにくいですが)
これは中3生の志望状況を調査した数字です。
調査は県内私立入試の前に行っているので、私立前期の結果によって動く生徒の分は含まれていません。
実際の願書提出状況とは異なりますので気をつけてください。
今回は、この調査結果から公立1・2番手校の入試傾向を読み取ってみたいと思います。
まずは、公立1・2番手校(普通科)の志望状況をまとめておきます。
県千葉 (定員240名) 志望者584名 倍率2.43倍
県船橋 (定員320名) 志望者797名 倍率2.49倍
東葛飾 (定員320名) 志望者518名 倍率1.62倍
千葉東 (定員360名) 志望者679名 倍率1.89倍
佐倉 (定員280名) 志望者517名 倍率1.85倍
薬園台 (定員280名) 志望者500名 倍率1.79倍
市千葉 (定員280名) 志望者535名 倍率1.91倍
県柏 (定員280名) 志望者402名 倍率1.44倍
この倍率は前期・後期を合計した全定員に対する倍率です。
前期選抜における倍率ではありません。
(前期選抜は定員の6割しか募集しないので、前期の倍率はこれよりも高くなります)
次に、過去3年間の「調査」と「実際の志願状況」を比較して、今年の傾向を考えていきたいと思います。
調査での志望者数 → 前期選抜での志願者数 (増減数、志願率) 前期実質倍率 の順に記載していきます。
志願率とは私の造語で「調査での志望者数」のうち「実際に前期選抜に志願した数」の割合です。
調査で志望した高校に実際にどの程度(およそ何%)が出願したのかを示しています。
これは 前期選抜志願者数 ÷ 調査での志望者数 ×100 で計算しています。
志望調査はあくまでも「志望」であり、実際には志望した生徒全員がその高校を受験するわけではありません。
上位校では模試や私立前期の結果などから志望を落とす生徒も出てくるので、実際の志願者数は調査よりも減るのが普通です。
そこで、高校ごとの志願者の減り具合を調べてデータを修正し、より精度の高い予想をしようと考えたわけです。
実際に志願率を出してみると、県千葉のように年ごとのばらつきが大きく予想が難しい学校と、
県船橋のように変動が少なく予想しやすい学校があることがわかってきました。
そのあたりもふまえて、あくまでも「予想」として参考にしていただきたいと思います。
(「数字遊び」のような部分もありますので、本当に参考程度に笑って見てやってください)
県立千葉 (前期定員144名)
2014年 569名 → 515名 (−54名、91%) 3.56倍
2015年 519名 → 406名 (−113名、78%) 2.76倍
2016年 533名 → 471名 (−62名、88%) 3.24倍
2017年 584名 →
県千葉は千葉中からの進学者が2クラス分いるので募集定員が少なく、構造的に高倍率になりやすい学校です。
一昨年は前期・後期になって初めて前期の実質倍率が3倍を下回りましたが、昨年すぐに3倍台を回復、今年はさらに50名ほど志望者が増えています。
志願率を見てみると年によるばらつきが非常に大きいことがわかります。
これでは信憑性のある予想はほぼできないといってよいでしょう。
志願率が昨年並みの90%程度なら前期の志願倍率は3.7倍ほどになりますが、80%なら3.2倍ほどになります。
県立船橋 (前期定員192名)
14年 700名 → 602名 (−98名、86%) 3.11倍
15年 771名 → 630名 (−141名、82%) 3.27倍
16年 788名 → 649名 (−139名、82%) 3.35倍
17年 797名 →
県船橋は昨年・一昨年と700名台後半が続き、今年は800名にあと一歩まできています。
県船橋は志願率のばらつきが少ないので予想精度の高い学校です。
志願率が83%程度なら、前期の志願倍率は3.4倍ほどになります。
普通科は2014年から1学級増になっていますが、まったく関係なく厳しい入試となりそうです。
東葛飾 (前期定員192名)
14年 616名 → 545名 (−71名、88%) 2.81倍
15年 616名 → 584名 (−32名、95%) 3.02倍
16年 581名 → 536名 (−45名、92%) 2.78倍
17年 518名 →
東葛飾は上位校で唯一、大幅に志望者を減らしています(−63名)。
志願率が92%程度なら、前期の志願倍率は2.5倍ほどと上位校としては緩めの倍率になります。
千葉東 (前期定員216名)
14年 636名 → 603名 (−33名、95%) 2.77倍
15年 700名 → 624名 (−76名、89%) 2.84倍
16年 674名 → 635名 (−39名、94%) 2.91倍
17年 679名 →
千葉東はほぼ昨年並みの志望者数になっています。
1クラス定員増が続いているので、前期3倍を超える倍率にはなりませんが2倍台後半は維持しています。
志願率が93%程度なら前期の志願倍率は2.9倍ほどになります。
続いて2番手校を見ていきましょう。
佐倉 (前期定員168名)
14年 493名 → 452名 (−41名、92%) 2.68倍
15年 466名 → 428名 (−38名、92%) 2.54倍
16年 503名 → 453名 (−50名、90%) 2.70倍
17年 517名 →
佐倉もほぼ昨年並みの志望者数です。
志願率が90%程度なら前期の志願倍率は2.8倍ほどになります。
薬園台 (前期定員168名)
14年 421名 → 390名 (−31名、93%) 2.32倍
15年 529名 → 485名 (−44名、92%) 2.89倍
16年 444名 → 406名 (−38名、91%) 2.40倍
17年 500名 →
薬園台は昨年の大幅志願者減から、今年は反発して(+56名)500名の大台に乗せています。
志願率が92%程度なら前期の志願倍率は2.7倍ほどになります。
佐倉と同様に厳しめの年になりそうです。
市立千葉 (前期定員168名)
14年 445名 → 403名 (−43名、91%) 2.39倍
15年 458名 → 433名 (−25名、95%) 2.57倍
16年 414名 → 362名 (−52名、87%) 2.14倍
17年 535名 →
昨年は「そろそろ新校舎効果が切れてきたのででしょうか」と書きましたが、今年は大きく反発しています(+121名)。
志願率が90%程度なら前期の志願倍率は2.9倍ほどになりますが、志望者が多いのでもっと抜けるかもしれません。
県立柏 (前期定員168名)
14年 339名 → 315名 (−24名、93%) 1.86倍
15年 350名 → 319名 (−31名、91%) 1.90倍
16年 405名 → 358名 (−47名、88%) 2.13倍
17年 402名 →
県柏は2年続けて400名を超えてきました。
志願率が90%程度なら前期の志願倍率は2.2倍ほどになります。
ちなみに、ライバルの小金は志望者604名で25名の増加となっています。
志願率が昨年並みの90%なら2.8倍ほどになり、県柏よりも高倍率の状態が続きそうです
ところで、今年は上位校の理数科(定員はすべて40名)がすごいことになっています。
船橋 志望者55名 1.38倍
佐倉 志望者46名 1.15倍
木更津 志望者19名 0.48倍
今年新設の木更津は前期から定員割れになる人数です。
木更津高校の先生方は戦々恐々でしょう(まあ、実際には普通科から回せばいいのですが)
1・2番手校をざっと見てきましたが、これは過去のデータに基づいた予測にすぎません。
想定外の動きをする場合もありますので、あくまでも参考程度に見てください。
昨年までの入試結果は進学研究会や総進図書のホームページに掲載されています。
1・2番手校以外について調べたい場合は参考になさってください。
前期の願書提出まで残り1週間を切っています。
ここで悩むことでプラスになることはひとつもありません。
前期がダメでも後期があります、こんな調査の数字は気にせずに受験勉強頑張ってください。