さくら進学クリニック 『進学コラム』

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359.複雑な私立入試を分類してみる

こんにちは、さくらです。


千葉県の私立高入試は単願、推薦、入試相談など仕組みが複雑です。(これは千葉に限ったことではありませんが)
「この高校は併願推薦があるから大丈夫」なんて話を耳にしたことのある人もいるでしょう。


今回は複雑きわまりない千葉県の私立高入試をわかりやすく分類・整理してみたいと思います。
(私立の出願書類をすべて確認しているわけではありませんので、間違いがありましたらご容赦願います)


ここでは、普通の受験生が受験可能な入試について分類をします。
スポーツ推薦、帰国子女入試、特待生入試など、特別な条件・能力を必要とするものは除いて考えています。



募集区分を整理してみる


まずは、私立高入試における募集区分を整理してみます。
募集区分は大きく分けて次の3つがあります。


「推薦入試」と「一般入試」


一般入試とは出願に際して何の条件もない入試、つまり誰でも受験できる入試のことです。


推薦入試は推薦基準(多くは内申点による)をクリアしないと受験できない入試です。
さらに、出願に際して誰か(ふつうは中学校長)の発行する推薦書を提出する必要があります。


「単願(専願、第1志望)」と「併願」


単願とは合格したら必ず入学する約束で受験することです。
(高校により「専願」「第1志望」など呼び名が違いますが、ここでは「単願」に統一して記述します)


併願とは合格しても必ずしも入学しなくてもよい入試のことです。


「入試相談あり」と「入試相談なし」


入試相談のあるなしは選抜方法(合否の決め方)の違いです。
(入試相談については「さくら進学クリニック」の「高校受験Q&A」もご覧ください)


入試相談のある高校は内申点で合否がほぼ決まります。
合格の可能性は高校によって若干異なりますが、相談を通せば95%以上確実といってよいでしょう。
ただし、特進コースなどは入試の得点が基準を超えなければ、普通コースでの合格(スライド合格)になります。


入試相談のない高校は入学試験の成績で合否が決まります。
私の知る限り、入試相談のない高校は以下の11校です。
渋谷幕張、市川、東邦大東邦昭和秀英専大松戸芝浦工大柏、日大習志野、成田、麗澤、千葉日大一国府台女子(後期のみ)



募集区分を組み合わせて分類してみる


以上の3つの募集区分を組み合わせると、以下の8通りのパターンに分類できます。


1[入試相談あり][推薦入試][単願]
2[入試相談あり][一般入試][単願]
3[入試相談あり][推薦入試][併願]
4[入試相談あり][一般入試][併願]


5[入試相談なし][推薦入試][単願]
6[入試相談なし][一般入試][単願]
7[入試相談なし][推薦入試][併願]
8[入試相談なし][一般入試][併願]


[入試相談なし]の[併願]はいわゆる普通の入試になるので、7[入試相談なし][推薦入試][併願]は理論上ありえません。
したがって、私立高入試はこれをのぞいた7つに分類されます。


この中でわかりにくいのは、単願でも併願でも、[入試相談あり][推薦入試]と[入試相談あり][一般入試]の違いです。
単願でも併願でも、推薦入試でも一般入試でも、[入試相談あり]ならば合格を約束してもらえます。
受験生にとってこの2つに差はないように思われます。


実際、入試相談の基準を満たしていれば、[推薦入試]でも[一般入試]でも受験に際しての違いはありません。
事務的な違いは、上に書いたように[推薦入試]ならば推薦書が必要であることです。


推薦書は内申書の内容に対する校長先生のお墨付きのようなものです。(単願なら「必ず入学する」という意味も)
[入試相談あり][推薦入試]の高校は「お墨付きが欲しい」高校であり、
[入試相談あり][一般入試]の高校は「お墨付きなど無くても信用していますよ」という高校なのでしょう。
入試相談は公式でない内々の約束ですから、お墨付きがあった方が安心という気持ちはわからないではありません。


この2つが大きな違いになるのは、入試相談の基準を満たしていない受験生の場合です。


[入試相談あり][推薦入試]の高校は、[推薦入試]ですから推薦基準を満たさなければ出願することもできません。
基準を満たしていない受験生はどんなに実力があっても「門前払い」になります。


[入試相談あり][一般入試]の高校は、[一般入試]ですから誰でも受験することができます。
ただし、基準を満たしていなければ相談は通らないので合格の約束はもらえません。(フリー受験とも言われます)
合格するためには実力で合格点を取らなければなりません。
合格する確証はないので、もちろん安全校としての使用はできません。


(基準を満たしていない受験生のフリー受験を可能にするために、
3[入試相談あり][推薦入試][併願]と8[入試相談なし][一般入試][併願]の両方を行う高校もあります)


「安全校は八千代松陰の併願推薦で大丈夫でしょう」などと言う塾の先生がいたら、上記の区別が理解できていない証拠です。
優しく教えてあげてください。(このコラムを紹介してあげてもよいでしょう)
ちなみに、八千代松陰の[併願]は[入試相談あり][推薦入試]ではなく[入試相談あり][一般入試]です。



実際の運用のされ方で最終的な分類をしてみる


[入試相談あり]の高校はふつう[単願]も[併願]も行っていますが、[単願]だけを行っている高校はないので、
1[入試相談あり][推薦入試][単願]と3[入試相談あり][推薦入試][併願]は組み合わせて行われています。


同様に
2[入試相談あり][一般入試][単願]と4[入試相談あり][一般入試][併願]の組み合わせ、
5[入試相談なし][推薦入試][単願]と8[入試相談なし][一般入試][併願]の組み合わせ、
6[入試相談なし][一般入試][単願]と8[入試相談なし][一般入試][併願]の組み合わせが存在します。


というわけで、最終的な分類をしてみます。


1[入試相談あり][推薦入試][単願]+3[入試相談あり][推薦入試][併願]の高校
・・・日出学園国府台女子(前期のみ)など


[入試相談あり]なので基準を満たしていれば合格の約束がもらえます。
[推薦入試]なので推薦書が必要で、基準を満たさないと出願できません。


この派生バージョンとして
1[入試相談あり][推薦入試][単願]+3[入試相談あり][推薦入試][併願]+8[入試相談なし][一般入試][併願]の高校
・・・流通経済大柏千葉敬愛など


基準を満たせない場合は[入試相談なし][一般入試]として実力勝負の受験ができます。
前期は1+3で、後期は8という高校もあります。


2[入試相談あり][一般入試][単願]+4[入試相談あり][一般入試][併願]の高校
・・・八千代松陰、千葉英和など


[入試相談あり]なので基準を満たしていれば合格の約束がもらえます。
[一般入試]なので推薦書は必要ありません、基準を満たさなくても実力勝負で受験ができます。


5[入試相談なし][推薦入試][単願]+8[入試相談なし][一般入試][併願]の高校
・・・市川、成田など


[単願]は[推薦入試]なので推薦書が必要で、基準を満たさないと出願できません。
[単願]も[併願]も[入試相談なし]なので合格の約束はもらえません、入試の得点で合否が決まります。


6[入試相談なし][一般入試][単願]+8[入試相談なし][一般入試][併願]の高校
・・・東邦大東邦昭和秀英など


[単願]は[一般入試]なので推薦書は必要ありません、誰でも受験ができます。
[単願]も[併願]も[入試相談なし]なので合格の約束はもらえません、入試の得点で合否が決まります。


ところで、日大習志野の前期A入試([入試相談なし][単願])では、「出願基準がある」のに「推薦書は不要」です。
この場合は[一般入試]とも[推薦入試]とも規定しにくくなります。
(2015年から「志望理由書」を提出するようになるので、自己推薦形式の[推薦入試]だともいえます)
このような変則パターンもあるので、すべての高校をきれいに分類できるわけではありません。


8[入試相談なし][一般入試][併願]の高校
・・・渋谷幕張専大松戸など


[単願]の入試は行われていないので第1志望でも優遇措置はありません。
[入試相談なし]なので合格の約束はもらえません、入試の得点で合否が決まります。


以上、私立入試を分類してみましたがすっきりできたでしょうか。
受験を考えている高校の募集要項をよーく見て、どれに当てはまる高校なのか見極めてください。



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Tel帳についての説明や使い方はさくらweb進学塾にまとめています。



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