東葛飾高校の「医歯薬コース」「県立中学校設置」と並んで、上位校改革の目玉になるのが佐倉高校の「理数に関する学科設置」です。
(名称は「理数科」と決まったわけではありませんが、便宜上、ここでは以降「理数科」と書きます)
第4学区にはこれまで理数科がなかったので、もっと早く設置していてもよかったように思います。
ところで、千葉県公立高校の理数科には2種類があります。
「入学後の転科を認めない学校」と「入学後の転科が可能な学校」です。
前者は、県船橋、市千葉、県柏といった都市部の高校に見られ、入試の偏差値は普通科の方が高くなっています。
後者は、佐原、成東、長生など郡部の高校に見られ、理数科の方が偏差値が高くなっています。
この場合、理数科は「特進クラス」的な色彩を持ちます。
理数科は数学と理科の授業が多くなっていますから、理数系に興味がある(好きである)必要があります。
しかし、高校入学後に興味が変わる場合だってあるでしょう。
中学時代は数学や理科が得意でも、高校で苦手になることもあり得ます。
(クラスに40人いれば、下位の10名ほどは授業がわからなくなる可能性が高いでしょう)
入学後の転科が認められていれば、文系に興味が移った場合には普通科に変わることができます。
転科の認められていない学校の場合は、入学後も理系志望で居続ける必要があり、数学や理科で落ちこぼれてしまうと悲惨なことになります。
入学する生徒のことを考えれば、入学後の転科が可能な方が好ましいと思います。
新たに設置される佐倉の理数科はどちらのパターンになるのでしょうか。
県の分類では第1〜第3学区を「都市部」、第4学区以下を「郡部」としていますから佐倉は郡部に属することになります。
そうなると、「転科が可能」になるのかもしれません。
仮に「転科が可能」な形での設置だと、それは、佐倉高校に「特進クラス」ができることを意味します。
これまでも佐倉には地理的な理由で(佐倉以東の生徒を中心に)少なくない数の御三家レベルの生徒が入学していたと思われますが、理数科の設置によってその傾向が加速するかもしれません。
「わざわざ遠くの県千葉・県船橋に行かなくても、佐倉の理数科で事足りる」ということになりそうです。
これまで以上に県千葉・県船橋レベルの生徒が入ってくようになると、当然、大学実績は上がるでしょう。
しかも、理数科設置によって予算と教員が増えるので教育効果も期待できます。
佐倉はすでに公立2番手校グループの中では「頭ひとつ」抜けている存在ですから、実績向上によって1番手校グループに近づくかもしれません。
4番目の1番手校が佐倉にできることは、佐倉以東の地域には歓迎されるのではないかと思います。
(もっとも、地理的に佐倉に近い佐原高校や成東高校では、上位生を佐倉に持って行かれてしまうことになるでしょうが)
「佐倉の理数科設置」に最も危機感を抱くのは「現在の、4番目の1番手校」千葉東でしょう。
現状でも御三家に引き離されまいと「独自問題」実施で頑張っているのに・・・。
(千葉東の説明会に出られた方は、同校の「やる気」を感じられたと思います)
佐倉の理数科設置後は千葉東からも目が離せません。