さくら進学クリニック 『進学コラム』

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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「237.学力検査の結果を読み解く その1」

こんにちは、さくらです。
トピックスにも書きましたが、昨年の千葉県公立高校学力検査の結果が発表になっています。
まだご覧になっていない方は、千葉県教育委員会のホームページから「平成23年度高等学校入学者選抜情報 」→「平成23年度千葉県公立高等学校入学者選抜の結果について」と進み、 「平成23年度千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」をダウンロードするか、その場で開いて見てください。(pdfファイルなので「Adobe Reader」が必要です)


ただし、受験生や保護者が見ても、それほど面白い資料ではないとは思います。
受験生にとっては、設問ごとの「正答率」や「無答率」などが、過去問を解くときの参考になる程度でしょう。
(毎年受験に携わっている者にとっては、指導していく上での方向性を示唆してくれる貴重なものなのですが。)


私が毎年注目している資料は、最後に掲載されている「受検者の得点分布」という簡便なグラフです。
これを見ると、「勉強に力を入れるべき科目」と「力を入れすぎるべきでない科目」とがわかってきます。
(もちろん、資料の受け取り方には個人差があるので、私の考えをそのまま鵜呑みにしない方がよいかもしれません。)
今回のコラムでは、今年の資料を見て思ったことを書き並べてみたいと思います。


千葉県公立高校入試は昨年から「前期選抜・後期選抜」になったので、共通問題による学力検査も2回になりました。
前期の平均が258.9点、後期の平均が258.1点とほぼ同じ数値になっていますが、科目ごとの特徴を見ても見事なまでに前期と後期で同じ傾向になっています。
これは新制度に向けて、入試問題のレベル・傾向を十分に吟味・検討して作成された結果だと思います。


そう考えると、昨年の2回の学力検査が「今後の学力検査のスタンダードになる」と言ってよいのではないでしょうか。
昨年の2回の学力検査を分析していくことで、今後の入試の傾向が捉えられるのではないかと思います。


さて、前置きが長くなってしまいましたが、「受検者の得点分布」を見ていくことにしましょう。


この「受検者の得点分布」というグラフは、得点10点刻みに受検者の人数比率をグラフ化したものです。(はっきり言って、大雑把なものです)
グラフの「点」は75点、85点など10点刻みの中間点に打ってありますが、これは「70点台」「80点台」という意味だと解釈しています。
(75点の「点」は「75点の人」の人数比率ではなく、「70点台の人」の人数比率だと考えるわけです。)


そのあたりをふまえて、実際に見てみましょう。
(人数の比率(%)は大雑把なグラフのため目分量です、正確な数値ではありませんのでご注意下さい。)


今回は「社会」「理科」「英語」を見ていきます。


「社会」(前年平均48.6点)



前期選抜(平均52.2点) 
山のピーク 50点台
90点台以上の比率 約3%
80点台以上の比率 約11%
70点台以上の比率 約23%



後期選抜(平均50.4点)
山のピーク 60点台
90点台以上の比率 約2%
80点台以上の比率 約10%
70点台以上の比率 約23%


社会は暗記科目だけに得手不得手の大きな偏りはできにくく、きれいな山型の分布になっています。
「山のピーク」は前期50点台、後期60点台ですが、山がなだらかなため前期・後期ともに40〜60点台といってもよいでしょう。
前期・後期ともに「努力量の差」が「得点の差」に現れる試験であると感じられます。


ただし、80点台は取れても、90点以上の高得点は取りにくい試験になっているので、上位校の受験生は「詰めの甘さ」が命取りになります。
十分な努力なしには90点以上の2・3%に入れないので、心して勉強に励みましょう。


「理科」(前年平均38.8点)



前期選抜(平均58.6点)
山のピーク 60点台
90点台以上の比率 約4%
80点台以上の比率 約16%
70点台以上の比率 約33%



後期選抜(平均57.0点)
山のピーク 50点台
100点の比率     約1%
90点台以上の比率 約7%
80点台以上の比率 約19%
70点台以上の比率 約33%


理科は前年の平均38.8点の反動からか極端に易しくなっています。
グラフの山が全体に右側に偏っているのを見ても、得点しやすい問題であったことがわかります。
前期・後期ともに平均点は5教科目中最高で、70点台以上が全体の3分の1もいます。
後期選抜に至っては100点が約1%も存在し、5人に1人は80点以上という大盤振る舞いな状況です。


昨年のこの状況は「あまりに異常」ですので、次の入試では同じようなことはないと考えた方がよいでしょう。
これを見て「理科なんて楽勝」などと思わないように。
むしろ、気を引き締めて「きっちり勉強して」おかないと、恐いことになってしまいそうです。


「英語」(前年平均48.4点)



前期選抜(平均52.1点)
山のピーク なし
90点台以上の比率 約6%
80点台以上の比率 約16%
70点台以上の比率 約28%




後期選抜(平均48.1点)
山のピーク 20点台(20〜40)
90点台以上の比率 約4%
80点台以上の比率 約12%
70点台以上の比率 約22%


英語は上下の差が出やすい科目で、前期選抜のグラフのように「台形型」の分布になるのが普通です。
中学校の3年間しか学んでいない科目なので、努力の度合いで差がつきやすいのかもしれません。
年によっては、「上」と「下」でピークが2つに分かれてしまい「M字型」のグラフになることもあります。


前期選抜では理科を超えるほど高得点者が多くなっています。
後期選抜では上位層がやや崩れてくるものの、それでも80点台以上が12%で理科に次ぐ数値になっています。
(しかも、よーく見てもらうと100点が(1%に満たないものの)確認できます。)


英語は理科・社会以上に高得点を狙える科目ですので、上位校の受験生は十分な学習量を確保しておきたいものです。



ここまで、「社会」「理科」「英語」を見てきましたが、この3科目に共通することは「80点台以上の高得点者が多めである」ということです。
しかも、この3科目は「暗記中心の科目」ですから、努力次第で高得点を確保することができるでしょう。
90点以上は難しくとも、限りなく90点に近づくことはそれほど困難ではありません。
上位校志望の受験生は、この3科目で確実に得点を重ねていけるようにしておきたいものです。


そのためには、1人でコツコツ勉強ができなくてはいけませんから、「受験の天王山」夏休みに向けて、しっかり学習習慣をつけておきましょう。


次回は「国語」「数学」「5教科合計」を見ていきます。



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