さくら進学クリニック 『進学コラム』

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「234.2011年の千葉県公立高校入試を振り返る」

こんにちは、さくらです。

「さくら進学クリニック」では、6月下旬ごろまで「千葉県高校受験の基礎知識」をお送りしていきます。
中3にはなったけれど受験のことはよくわからないという「受験初心者」の人も、ここでしっかり知識を身につけて「受験のエキスパート」になってください。


1回目の今回は「2011年の千葉県公立高校入試を振り返る」です。
「特色化選抜と一般入試」から「前期選抜と後期選抜」へと制度が変わった2011年入試ですが、実際、受験生にとって何がどう変わって、どう変わらなかったのかチェックしてみたいと思います。


2011年入試の制度上の変更点は大きく次の3点でした。


1.前期・後期の定員枠変更(前期で最大50%が60%に拡大)
2.前期選抜でも全校で県作成の5科共通問題を実施
3.入試日程を少し遅くした(前期で10日、後期は5日)


定員枠変更については、前期では定員枠が拡大したぶん倍率が下がり、後期では定員が減ったぶん倍率が高くなることが予想されました。
また、後期の定員が少ないため「何とか前期で終わりたい」と、前期の段階から志望を下げる受験生が増えるのではと予想される一方で、前期定員枠拡大から前期は強気の出願が増えるのではという予想もありました。


千葉県全体(全日制)の倍率の変化を見てみましょう。


2010年 特色化選抜・・受験者数39,486名、合格者数17,863名、倍率2.21倍
2011年 前期選抜・・・受験者数37,928名、合格者数20,872名、倍率1.82倍


2010年 一般入試・・・受験者数22,413名、合格者数16,941名、倍率1.32倍
2011年 後期選抜・・・受験者数16,313名、合格者数12,487名、倍率1.31倍


前期選抜は定員が増えたぶん、確実に倍率が下がっています。
それに対して、後期選抜では予想されたような倍率上昇はありませんでした。


前期選抜の不合格者数が17,056名で後期選抜の受験者数が16,313名ですから、前期と後期の間で公立受験をやめた生徒が743名(4.4%)いたことになります。
後期選抜の定員枠が少なくなるので、前期が不合格なら後期はあきらめて私立に決めてしまう受験生が多く出るのではないかという予想もありましたが、実数としてはさほど多くなかったといえるでしょう。


次に、上位校の倍率の変化を見てみましょう。


「前期選抜」


学校名   09年 → 10年 → 11年 (倍率変化の学校ごとの要因)  
県千葉  3.63→3.40→3.35 (千葉中からの進学者による定員2クラス減)
船橋  3.90→3.66→3.00 (前年までの高倍率)
東葛飾  3.04→2.90→3.32 (県船橋からの流入?)
千葉東  3.09→3.61→2.67 (前年の高倍率と上位校唯一の独自問題実施)
佐倉    3.15→3.04→2.36 (高倍率の常連校)
薬園台  3.10→3.06→2.71 (高倍率の常連校)
市千葉  3.20→3.78→2.57 (前年までの高倍率)
県柏    2.54→2.94→1.92 (前年の高倍率)


前期選抜は、上位校でも定員枠拡大の効果から倍率が下がった学校が多くなっています。(上がったのは東葛飾のみ)
ただし下がり幅は学校間の差が大きく、制度変更による倍率変化よりも、学校ごとの要因による変化の方が大きかったようです。


注目されるのは、上位校で唯一倍率が上がった東葛飾です。
東葛飾は地理的な要因もあり、高倍率常連の県船橋とは対照的に比較的落ち着いた倍率の入試が続いていました。
それが一転、県千葉と並ぶ高倍率になってしまいました。
県千葉は定員2クラス減という特殊要因がありましたから、実質的には東葛飾が「人気No.1」だったと言ってよいでしょう。


なぜ、落ち着いた入試の続いていた東葛飾が、突然こんなことになったのでしょう
2011年は後期の定員が減った関係で、受験生の「安全志向」が進むのではないかと予想されていました。
公立御三家レベルの受験生が「定員2クラス減の県千葉」「倍率トップ争い常連の県船橋」を避けて「落ち着いた入試の続く東葛飾」を選択したとしても不思議はないでしょう。
特に、船橋と柏は東武線で30分しか離れていないので、県船橋から大量の受験生が東葛飾に流れたと考えられます。


しかし、安全志向は「きっかけ」にはなっても「決め手」にはならないのです。
それは後期選抜を見ればわかります。


「後期選抜」


学校名   09年 → 10年 → 11年 
県千葉  1.92→1.90→2.34
船橋  2.31→2.10→1.96
東葛飾  1.77→1.89→2.64
千葉東  1.77→2.11→1.59
佐倉    1.94→1.88→1.82
薬園台  1.98→1.80→1.90
市千葉  1.79→2.09→1.85
県柏    1.27→1.67→1.24


後期選抜は定員枠が少ないぶん倍率の差が出やすくなっているようで、前期で倍率が高めだった学校は「より高く」、低めだった学校は「より低く」なっています。


千葉県の公立入試制度では、前期選抜の結果が出た後に後期選抜の出願校を決めることができます。
したがって、前期で受験した学校の倍率が高ければ、後期は倍率の低い学校に変えて出願することができるのですが、前期で倍率の高かった東葛飾は高いまま、低かった県船橋は低いままでした。
例年なら、県船橋の方が若干「合格最低レベル」が上なので、レベルが上の学校に変更するのは勇気が必要だったのかもしれませんが、結果的に「県船橋に変えていたら合格だっただろう」という受験生は少なからずいたのではないかと思います。


人は「決めるまでは悩むけれど、一度決めてしまうと変えられない」もののようです。
もっとも、上位校の受験生はモチベーションを高めるために「志望校への思い入れ」を強くしていくものですから、学校選択の段階では「安全志向」で選んでも、選んでしまえば思いが強くなり変えられなくなるのかもしれません。(特に東葛飾は特色の強い学校ですし)


前期の倍率の低めだった千葉東・県柏も、流れが変わることなく後期も低めの倍率になっています。


前期・後期を通して倍率を見る限り、制度変更の影響は少なく、学校ごとの要因の差が大きく関係しています。
2012年入試では前期・後期も2年目になりますから、入試制度変更の影響については気にする必要がなくなるでしょう。


変化があったという点では、前期選抜の定員枠が60%になったことで、確実に入試の中心は後期(一般入試)から前期に移りました。
前期を受験した生徒のうち、後期も受験した生徒は計算上43%しかいません。(実際には「後期のみ」受験の生徒もいたでしょうが)
私立第一志望の生徒もいることを考えると、後期選抜を受験したのは中学校全体の3分の1程度だったと思われます。


また、前期発表のすぐ翌日が後期の願書受付だったり、後期の試験時間がなぜか1科目40分しかなく(前期は50分)、結果的に問題数が少なくなったことでミスが命取りの入試になったりと、後期選抜は受験生には精神的負担を強いるものであったように思います。
さらに、後期試験終了後には千葉テレビの解説放送もなく、翌日は新聞に問題が掲載されることもなく、2次募集的な扱いをされた感がありました。


こういった状況を見た現受験生が、後期選抜を避ける方向に(より「安全志向」に)動く可能性はあるのではないかと思います。


2011年の公立高校入試を全体的に振り返りましたが、次の機会には学校ごとの総括もしたいと思います。
次回は私立高校入試を振り返ります。


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