さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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進学コラム188「千葉県私立高入試の概要」

今回は千葉県私立高入試について解説します。


千葉県内の私立高校は、入試システムの違いで、
1.学力試験の成績で合否が決まる学校
2.中学校の成績をもとに、12月に「入試相談」で合否が決まる学校
の、2種類に分けられます。


1.のタイプの学校は「いわゆる上位校」で10校程度しかありません。
このタイプの学校は、「入試の得点のみ」の勝負で、中学校の成績はほとんど関係ありません。


2.のタイプの学校は「安全校」として使われることの多い学校で、県内私立高校の大半はこのタイプです。
このタイプの学校は、「学校の成績」が基準を満たしていれば、12月の入試相談でほぼ合格が約束されます。
逆に、基準を満たしていなければ、「安全校」としての受験はできなくなります。


ほとんどの受験ガイド本には、入試相談の基準が掲載されています。
自分の成績が「安全校」にしたい学校の基準に達しているかどうか、早めに確認しておきましょう。

入試相談の仕組みなど、入試システムの詳細については、サイドバーの「高校受験に関するQ&A」を見てください。


千葉県では公立第一志望の生徒が多いため、私立高は主に公立高の「併願校」として受験されます。


第一志望の公立高に合格してしまえば、私立高に進学することはありませんから、結果的に、私立には「公立を不合格になった生徒」、または「挑戦したら受かってしまった生徒」が、多く入学してくることになります。(もちろん、単願合格の生徒もいます)
したがって、入学する生徒のレベルは「不合格になった公立高」より低く、「挑戦した生徒が受けるはずだった公立高」より高いレベルになります。


例えば、東邦大東邦の場合、県船橋受験生にとっては「次善校」になりますが、佐倉受験生にとっては「挑戦校」になるので、東邦に入学してくるのは「県船橋を不合格になった生徒」、または「佐倉を受けるつもりだったが、東邦を受けたら受かってしまった生徒」ということになり、入学する生徒のレベルは「県船橋より低く、佐倉より高く」なるわけです。


このように、千葉県の私立高のレベルは、公立高の間を埋めるような形になっています。


「さくら進学クリニック」では、「公立1番手校」「私立1番手校」「公立2番手校」「私立2番手校」「公立3番手校」・・・というように(勝手に)レベル分けして呼んでいます。


「公立1番手校」は、県千葉・県船橋東葛飾の公立御三家、さらに千葉東も入れてよいでしょう。
「私立1番手校」は、渋谷幕張・東邦・市川・昭和秀英の4校です。


「私立1番手校」の難易度は高値安定になっていて、県船橋東葛飾の受験生が合格を確保するのは、周到な作戦がないと難しくなってきています。
特に渋谷幕張・市川の2校は、県千葉レベルでないと「次善校」として成り立たない状況です。


かつて、「県船橋に受かる実力があれば、市川にはまず落ちない」という時代がありましたが、最近では、県船橋合格者のうち、市川にも合格できたのは半数にも満たないでしょう。(データの裏付けはありませんが)
船橋より市川・東邦の方が偏差値が高いのは「ウソ」ではないのです。
特に、保護者の方には、私立高の難易度の「変わりよう」を十分に理解してほしいと思います。


それでも、現状では「公立1番手校」と「私立1番手校」の両方に合格した場合、ほとんどが公立に進学していると思われるので(もちろん、私立に進学する場合、公立は受けませんが)、「私立1番手校」は「公立1番手校」の下のレベルになるわけです。


現実には、「公立1番手校」の受験生でも、「私立1番手校」を受けない人も多いでしょう。
「受かっても(公立に受かれば)進学しない」にもかかわらず、「合格するのは難しい」とくれば、初めから受けないでおこうと思っても不思議ではありません。


しかし、個人的には、次の2点のために受験することを勧めます。


ひとつは、「私立1番手校」を受験しないと、もしも公立に不合格になった場合、「私立2番手校」に進学しなくてはならなくなること。
その場合、「公立1→私立1→公立2→私立2」と、第一志望だった「公立1番手校」から3段階も下のレベルに進学することになります。
これでは、かなり不本意な進学になるでしょう。


例えば、今年の早稲田大の合格者数だけをみても、県船橋が122名なのに対し、地理的に、県船橋との併願者が多いと思われる「私立2番手校」の日大習志野は20名と、比較の対象になりません。(合格者数は、すべて各校HPより)
「私立1番手校」の東邦(これも地理的に)なら93名ですから、さほど遜色はないでしょう。


そんなこと言われても「受からなきゃ意味がない」と反論されそうですが、逆に、「受けなければ」受からないのです。
また、「受からない」ことにも価値はあります。


特色化選抜が導入されてから、公立上位校は「公立としては不適切」なほどの高倍率になるようになりました。
どんなに実力があっても、1回目の選抜(今年は前期選抜)に不合格になる可能性は少なからずあります。


多くの受験生にとって、公立は第一志望校ですから、不合格になった場合は(個人差はあれど)ショックを受けることでしょう。
しかし今年は、前期発表の翌日(と翌々日)に後期の願書提出があります。
第一志望校を不合格になって「ショックを受けている」場合ではないのです。
ショックを受けて弱気になった結果、志望校を変更してしまっては、後になって悔やむ可能性が高いでしょう。


公立前期が初めての不合格ならば、ショックを受けて当然です。
私立高入試で不合格の体験をしておけば、多少なりともショックをやわらげることができるでしょう。
(もちろん、私立も公立も受かれば、それが一番良いのですが。)


公立上位校の受験生は、何回もの不合格を乗り越えて、第一志望の合格を勝ち取っていかなくてはいけません。
「落ちるかもしれないから、止めておく」というような姿勢では、初めから負けているようなものです。
「可能性があるなら、受けてみよう」という姿勢を持ちたいものです。


もうひとつは、「公立1番手校」は入学後の勉強も楽ではないということです。
高校は、あくまでも通過点です。
その先にある大学受験で、志望校に合格できなければ意味がありません。


その大学受験の勉強は、高校に入学した時点から始まっています。
「公立1番手校」は最上位グループですから、開成・早慶付属・国立大付属など超難関校を受験した生徒が(少数でしょうが)存在します。


そういう生徒たちは、レベルの高い受験勉強を経験してきています。
「公立1番手校」に受かることだけを目標に公立レベルの勉強をしてきた生徒が、超難関校を受験してきた生徒に、まともに太刀打ちできるとは思えません。
気のゆるむ入学直後に、すでに大きな実力差があっては、「気づいたときには、落ちこぼれていた」なんてことにもなりかねないでしょう。


上位校を狙う受験生は、受験のためだけに勉強してはいけないのです。


しかし、目標もなく勉強するのも難しいものです、そこで「私立1番手校」を受験しようということです。
市川・東邦レベルの勉強では、超難関校レベルの勉強をしてきた人と「対等」とはいかないでしょうが、少なくとも「公立1番手校」だけを目標にしてきた生徒には差をつけることが出来るでしょう。


もちろん、1度でも不合格をもらうと「もうだめだ」と弱気になってしまう人もいるでしょう。
(そんな人は、上位校受験には向かないと思いますが。)
個人個人、性格の違いなどもあるでしょうから、全員に「絶対にそうしなさい」とは言いません。
しかし、先のことを考えれば、中学生のうちに出来ることは、できる限りしておきたいものです。


「公立2番手校」は、佐倉・薬園台・県柏・市立千葉など、「公立御三家に準ずる」学校です。
(県柏は、3番手校で出てくる八千代より下ではないのかと言われそうですが、地理的に東葛飾に準ずる学校として入れています。)


「公立2番手校」の受験生が「私立1番手校」に挑戦しても、「非常に(絶望的に)」厳しい状況なので、「公立2番手校」志望者の併願作戦は、悩むことが少ないといえるかもしれません。


「私立2番手校」は、芝浦工大柏・専修大松戸・日大習志野の大学付属3校です。次点で成田、国府台女子学院を入れてもよいでしょう。


「私立2番手校」は、地理的に離れているので、大学付属3校の全てが通いやすいという地域は限られています。
そういう意味では、選択の余地は少なく、距離とレベルで自動的に決まってしまうでしょう。(県柏志望なら芝柏か専松、佐倉志望なら日習か成田といったように。)


国府台女子は前期は「入試相談あり」なので、厳密には「私立2番手校」には入りません。
(ただ、学校側は入試相談はしても、合否は試験重視と言っています。)


「公立3番手校」は、八千代・船橋東・市立稲毛・幕張総合・小金・その他の上位校ということになります。


「公立3番手校」の受験生は、「私立2番手校」に挑戦しても、それなりに可能性がありますから、ぜひ選択のひとつに入れておきたいものです。
「私立2番手校」の易しくない過去問に取り組んでみるだけでも、「公立と安全校だけ」の生徒には差をつけられるでしょう。


「私立3番手校」は、入試相談のある学校です。


入試相談のある学校は「安全校」として使われることが多いので、学校選びは中学校の先生主導になるでしょう。
「私立3番手校」でも、八千代松陰の第3志望など、必要とされる成績がかなり高い学校もあります。
早めに基準を調べておき、基準を下回らないよう学校の勉強も頑張りましょう。
(9科での成績を参考にする学校の場合、実技教科も要注意です。)


長くなってしまったので、学校ごとの概要は次回にまとめます。




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