さくら進学クリニック 『進学コラム』

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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進学コラム187「千葉県公立高入試の概要」

今回は「千葉県の公立高入試」について解説します。


今年からの新しい入試制度(現段階でわかっていること)については、「進学コラム180 2011年入試からの新しい選抜制度について」にまとめていますので、そちらををご覧になって下さい。
(高校ごとの検査内容など詳しい選抜方法は、夏休み前には発表になるはずです。)


千葉県の公立高入試では2回の選抜(2011年から「前期選抜」と「後期選抜」)があります。
(複数回の入試があることは、千葉県だけでなく全国的な傾向ですが。)
ここで、皆さんに知っておいて欲しいことは、「入試が2回あることは、受験生にとってプラスではない。」ということです。
それは、簡単なシミュレーションで理解できます。


募集定員が200名、志願者が300名の高校があったとします。

入試が1回だけなら、300名のうち200名が合格し、100名が不合格になります。
倍率は300÷200=1.5倍です。


しかし、前期60%、後期40%の定員配分で入試が2回あると、
まず、前期選抜で300名のうち120名が合格し、180名は不合格になります。
前期選抜の倍率は300÷120=2.5倍です。

その後、不合格になった180名によって後期選抜が行われ、180名のうち80名が合格し、100名が不合格になります。
後期選抜の倍率は180÷80=2.25倍です。


定員も志願者も同じなのに、入試が1回だけなら100名だった不合格者が、入試が2回あるだけで(のべ)280名と3倍近くも出ることになるのです。
倍率も1.5倍ですむものが、2.5倍、2.25倍と「狭き門」になります。
入試が2回あって良かったと思うのは、特色化選抜の当日に体調を崩して、実力どおりの結果を出せなかった人くらいでしょう。
(昨年までの特色化・一般で50%ずつなら3.0倍、2.0倍ですから、今年は前期が若干楽になるぶん、後期でのプレッシャーが大きくなりそうです。)


「独自問題」でも「共通問題」でも、「内申重視」でも「試験重視」でも、受験生それぞれで「力が生かせる方式」の学校を選べばよいわけですが、入試が2回あることだけは、受験生に大変な不利益をもたらします。
複数回入試は、不合格者を大量生産する、受験生にとって「大変厳しい」制度だということを知っておきましょう。


また、前期選抜では入学者の60%までしか採らないわけですから、理論的には入学者の上位60%が合格することになります。
つまり、前期で合格する人は、「もともと余裕で合格できる人」なのです。(もちろん「運で合格する人」もいますが)
そして、「もともと余裕で合格できる人」は、別の言い方をすれば「もう1ランク上の学校を狙えた人」なのです。


その「もう1ランク上の学校を狙えた人」も、初めから上の学校を狙っていなかったわけではないはずです。
誰もが、1学期から夏休みいっぱいまでは、上を目指して頑張るものです。
しかし、2学期に入り、三者面談に向けて現実的な選択をした結果、「もう1ランク上の学校を狙えた人」になるわけです。


つまり、前期選抜で合格する人の多くは、「元々は望んでいなかった学校」に進学するわけです。


前期選抜が、「2学期の現実的な選択」の結果、受験校を決めていく制度である以上、現段階(夏休み前)の受験生は、前期選抜で合格することを目標にすべきではありません。
後期選抜までを視野に入れて、今の実力より「一歩上の学校」を目指しましょう。


さて前置きが長くなってしまいましたが、1〜4学区上位校における2010年入試の結果です。


学校名 特色化倍率(前年) 一般倍率(前年) の順に記載してみると、

県千葉 3.40倍(3.63) 1.90倍(1.92)
千葉東 3.61倍(3.09) 2.11倍(1.77)
市千葉 3.78倍(3.20) 2.09倍(1.79)
船橋 3.66倍(3.90) 2.10倍(2.31)
薬園台 3.06倍(3.10) 1.80倍(1.98)
八千代 3.42倍(3.37) 2.08倍(2.08)
東葛飾 2.90倍(3.04) 1.89倍(1.77)
県柏   2.94倍(2.54) 1.67倍(1.27) 
佐倉   3.04倍(3.15) 1.88倍(1.94)


上位校はすべて、特色化選抜3倍前後以上、一般入試2倍前後で、厳しい入試でした。
卒業生数増加のための臨時定員増などで、私立上位校の合格者が増えたせいもあってか、千葉東の応募者が大幅アップしました。
一般入試でも「2倍越え」の学校が増えています。


今年は、ほとんどの学校で前期60%、後期40%の募集比率になる可能性が高いですから、昨年に比べて「前期は若干下がり、後期は若干上昇する」可能性が高いでしょう。
そうなると、前期は2倍台半ばから3倍程度、後期は2倍台前半あたりになると思われます。


さらに、今年は県千葉の募集定員が80名減りますから(県千葉中からの進学者が出るため)、公立上位校全体の倍率は上がると考えられます。
県千葉志望からの繰り下げ組が、次々と「ところてん式」に、より下位の学校へと受験生を押し出していく可能性がありますから、倍率だけでなく受験生のレベルも上昇するかもしれません。


また、残念ながら前期で合格できなかった場合、後期の定員は少ないため高倍率が予想されます。
これは受験生にとって、大変なプレッシャーになるでしょう。
(さらに、前期発表の翌日にある、後期の願書提出が追い打ちをかけます。)


公立は「ランクを落として」受ければ大丈夫などという考えは、遠い昔の考え方だと思って下さい。
上位校の志望者は、前期で不合格になったときのことを想定に入れて、併願パターンを十分に検討しておく必要があります。


次に、この2・3年でぐっと問題が難しくなった一般入試について、「平成22年度公立高等学校入学者選抜の結果」を見ていきたいと思います。
過去5年間(18年度から)の平均点の推移をまとめてみます。


年度  国語   社会   数学   理科   英語   合計
18  63.8  60.1  52.5  60.4  66.1  303.0
19  63.5  64.2  54.3  59.0  51.7  292.7
20  60.9  50.5  51.5  51.2  51.0  265.1
21  48.8  40.8  46.7  46.5  40.1  222.9
22  56.1  48.6  45.7  38.8  48.4  237.6


昨年は、難しかった21年に比べれば、合計で15点ほど上昇しましたが、かつての公立校入試とは別物になってきたと考えてよいでしょう。
突然の難化に見舞われた21年の受験生に比べれば、22年の受験生は想定できていたでしょうから、準備ができていた受験生であればうまく立ち回れたのではないでしょうか。
(しかも、英語の難易度が戻っていましたから、ホッとすることもできたはずです。)


入試問題が難しくなったことで、結果的に、上位校でも「差がつく」入試になってきました。

かつての一般入試では、県千葉・県船橋など最上位校の場合、450点を超えるほどの高得点の勝負になるため、ケアレスミスが命取りになる「実力差の出にくい」入試になっていました。
しかし、ここ2年間のような難易度の問題ならば、「努力量の差」が得点の差に出やすくなったといえます。
この難易度であれば、上位校受験生にとっては、むしろ対策しやすい問題になったのではないでしょうか。


上位校の受験生は、細かいこと(ケアレスミス対策など)は気にせず、「実力アップに励めばいい」ということになります。
高校側も、しっかり勉強してきた生徒が合格してくれるのなら、満足のいく入試だといえるでしょう。
「問題が難しいことは悪いことばかりではない」と認識していてもよいのではないかと思います。


上位校を目指す受験生は、とにかく受験勉強に励みましょう。


次回は、私立高入試についてまとめたいと思います。


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