さくら進学クリニック 『進学コラム』

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進学コラム90「千葉高付属中説明会」

県教委のホームページに、「千葉高校併設型中高一貫教育校の説明会について」という文書(pdf)が掲載されています。これは、3月13日に行われた、関係者(小学校担当教員とのこと)対象の説明会の内容を公開したものです。
これにより、今までベールに包まれていた千葉高付属中入試の全体像が、おぼろげながら見えてきました。


まずわかることは、県教委は「千葉高付属中と他の国公私立中との併願」を、基本的に認めない方針だということです。
千葉県の公立高入試では「合格したら必ず入学する」という不文律があります。(入学辞退できることを明示している特色化選抜でも、確約書の提出率は99.9%ですから、この不文律の効果は絶大です。)
これを実現させているのが、中学校の先生による指導です。中学校の先生は、再三にわたって「公立は辞退できない」ことを説いていきます。
これを千葉高付属中の入試でも適用したいということでしょう。
そのために、小学校が「県教委の出先機関のような役割を果たすよう、詳細な指示が「お願い」という形で記載されています。


では、その「小学校へのお願い」の、主な部分を抜き出しながら解説を加えていくことにします。


6月
ポスターを学校に掲示。希望者に募集案内を配付する。6年生の保護者に以下の内容を周知する。
①県立中学校への進学も選択肢の1つとなったこと。
②県立中学校と他の公立中高一貫校千葉市の場合市立稲毛高等学校附属中学校)との併願はできないこと。
③志願にあたっては必ずこの中学校へ進学することを前提に受検希望票を提出すること。
④県立中学校のコンセプトを理解し、自分の適性や将来の希望、6年間通学することをよく考えてから志願すること。
⑤志願する場合は、夏休みの保護者対象説明会に参加することが望ましいこと。


ここで特筆すべきは③です。県教委は、高校入試と同様に、「必ずこの中学校へ進学すること」を強調した指導を小学校側に要求するでしょう。
小学校側は保護者への説明で、「合格したら辞退はできない」と言うはずです。
あとは、公立高入試の不文律を知らない保護者が、どこまで学校の指導に従うのかということになります。


6月下旬
保護者対象説明会参加者数の取りまとめ。(保護者対象説明会参加希望者数を把握し、県教委へFAXで連絡する。)


8月上旬
入学者決定検査実施要項説明会に参加する(小学校教員対象)。実施要項(手続き書類)入手。


9月〜10月
受検希望者数の報告。(受検希望のある児童を把握し、その数を県教委にFAXで連絡する。)
受検希望のある児童の保護者に、手続き書類(ア保護者用説明書、イ受検希望票、ウ志願理由書)を配布する。
受検希望のある児童の保護者に、以下の内容を周知徹底する。
・イ、ウを提出しない場合は、出願できないこと。
・6月に周知した②③④について。

「受検希望者数の報告」は、公立高入試でやっている「希望調査」にあたるものでしょうが、願書も出さないうちに大体の受験生数を掴んでしまうなど、私立中入試では考えられないことです。
しかし、千葉高付属中は、昨年の稲毛高附属中を大きく上回る志願者が殺到する可能性がありますから、準備のことを考えれば賢い方法だと思います。

また、特色化選抜でおなじみの「志願理由書」が必要なようです。
小学生に入りたい理由など書かせて、どうしようというのでしょうか。どうせ、誰が読むわけでもない「ムダ」な書類なのに、親子で苦心して「もっともらしい理由」をでっち上げて、学校の先生が添削したりするんでしょう。
どうせ「書かせる入試」なんですから、記述力は入試でみれば十分だと思うのですが、この辺がお役所仕事なんでしょう。

そして、「以下の内容を周知徹底する。」です。
公立学校にとって、県教委の「お願い」=「強制」ですから、校長は自校から「絶対に辞退者を出さない」ように、各担任に指導を徹底させるでしょう。極端な場合、千葉高付属中受験者には他の国私立中受験を認めない、などと言い出す学校も出てくるかもしれません。
ただ、中学受験希望者は公立学校不信者が多そうですから(失礼!)、説得は大変そうです。「指導に従わないと、報告書(高校入試の調査書にあたる)を書かない。」などと、高飛車な言い方をすると、保護者が県教委に直談判するなど、もめる可能性もあるかもしれません。


以上が「小学校へのお願い」の主な部分ですが、ここまで書いてみると千葉高付属中とは、小学校側にとって、多大なる負担を強いる「迷惑この上ない」存在のように思えてきました。
ただでさえ忙しい小学校の先生に、つまらない雑用を増やして、児童と向き合う時間を減らすことのないよう願いたいものです。


結局、千葉高付属中の入試は、あくまでも公立中(公立高)入試であって、私立中入試とは別物だということです。


最後におわびです。前回書きました、「まず千葉高付の一次を受けてみて、不合格なら稲毛高附に鞍替えするという作戦は取れます。」というのは無理でした。訂正いたします。

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