さくら進学クリニック 『進学コラム』

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640.公立高校進路志望調査を読む

こんにちは、さくらです。

※2月15日 追記:今年の志願者数・倍率と志願率を更新しました。(青字)

今朝(もう昨日ですが)の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されました。
これは中3生の志望状況を調査した数字です。
調査は冬休み明けに行っているので、私立入試の結果によって動く生徒の分は含まれていません。
実際の願書提出状況とは異なりますので気をつけてください。

今回は、この調査結果から公立1・2番手校の入試傾向を読み取ってみたいと思います。


はじめに1・2番手校(普通科、小金は総合学科)の志望状況をまとめます。( )は昨年の志望調査の倍率

県千葉 (定員240名)  志望者542名   倍率2.26倍 (1.87倍)
船橋 (定員320名)  志望者848名   倍率2.65倍 (2.31倍)
東葛飾 (定員240名)  志望者524名   倍率2.18倍 (2.10倍)
千葉東 (定員320名)  志望者638名   倍率1.99倍 (1.55倍)
佐倉  (定員280名)  志望者529名   倍率1.89倍 (1.77倍)
薬園台 (定員280名)  志望者367名   倍率1.31倍 (1.35倍)
市千葉 (定員280名)  志望者551名   倍率1.97倍 (2.02倍)
小金  (定員320名)  志望者763名   倍率2.38倍 (1.87倍)

公立御三家は全て2倍を超えています。
千葉東も2倍は超えていないものの、昨年から大幅にアップしています。(1.99倍ですからほぼ2倍ですが)
2番手校では小金がすごいことになっています。

倍率だけでは状況が見えにくいので、一昨年(2回入試最後)、昨年(1回入試最初)の志望者数と比較してみます。
一昨年(2020)→ 昨年(2021)→ 今年(2022)の順です。( )は前年比

県千葉  528名 → 448名 ( -80名) → 542名 ( +94名)   
船橋  845名 → 740名 (-105名) → 848名 (+108名)
東葛飾  481名 → 503名 ( +22名) → 524名 ( +21名)
千葉東  611名 → 495名 (-116名) → 638名 (+143名)
佐倉   482名 → 495名 ( +13名) → 529名 ( +34名)
薬園台  384名 → 379名 ( -5名) → 367名 ( -12名)
市千葉  549名 → 566名 ( +17名) → 551名 ( -15名)
小金   621名 → 599名 ( -22名) → 763名 (+164名)

県千葉、県船橋、千葉東は一昨年の志望状況に戻った感じです、東葛飾・佐倉は続けて微増って感じですか。
やっぱり昨年は、入試制度の変更で安全志向の志望状況だったということでしょう。
1回入試の様子がわかったので、今年は受験生の希望がそのまま反映されているんだと思います。


次に、過去5年間の「調査」と「実際の志願状況」を比較して、今年の傾向を考えていきたいと思います。
調査での志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率) 志願倍率 の順に記載していきます。(志願者数は2020年までは前期選抜の志願者数)

志願率とは私の造語で「調査での志望者数」のうち「実際に志願した数」の割合です。
志願者数 ÷ 調査での志望者数 ×100 で計算し、志望した生徒の何%が実際に出願したのかを示しています。

志望調査はあくまでも「志望」であり、実際には志望した生徒全員がその高校を受験するわけではありません。
上位校では模試や私立の結果などから志望を下げる生徒も出てくるので、実際の志願者数は調査よりも減るのが普通です。
そこで、高校ごとの志願者の減り具合を調べてデータを修正し、より精度の高い予想をしようというわけです。

実際に志願率を出してみると、学校ごとの特徴も見えますが、年ごとのばらつきも大きく予想は容易ではありません。
そのあたりもふまえて、あくまでも「おおまかな予想」として参考にしていただきたいと思います。

ところで、2020年までは前期・後期の2回入試が行われていたので、倍率は定員が違うので参考になりません。
そこで、入試が1回だったらと想定して、志願倍率を 前期選抜の志願者数 ÷ 総定員 で計算し直しています。
実際の前期選抜の倍率とは異なりますのでご注意ください。


まずは1番手校から。

県立千葉 (定員240名)
    調査志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率)  志願倍率
2017年  584名 → 474名 (-110名、81%)  1.98倍
2018年  524名 → 432名 ( -92名、82%)  1.80倍
2019年  539名 → 458名 ( -81名、85%)  1.91倍
2020年  528名 → 428名 (-100名、81%)  1.78倍
2021年  448名 → 359名 ( -89名、80%)  1.50倍
2022年  542名 → 425名 (-117名、78%)  1.77倍

県千葉は千葉中からの進学者が2クラス分いるので募集定員が6クラスと少なく、構造的に高倍率になりやすい学校です。
18年から20年の3年間は志望者数がほとんど変わっていませんでしたが、昨年は大きく減らしました。
県千葉は最難関校なので、制度変更による安全志向の影響を最も受けたということでしょう。

トップ校のため、あきらめた層が抜けるだけで流入がないためか、志願率は例年低めの80%台です。
志願率が80~85%程度なら、志願倍率は1.8~1.9倍になります。(89%までいくと2倍を超えます)


県立船橋 (定員320名)
17年  797名 → 653名 (-144名、82%)  2.04倍
18年  790名 → 672名 (-118名、85%)  2.10倍
19年  801名 → 631名 (-170名、79%)  1.97倍
20年  845名 → 650名 (-195名、77%)  2.03倍
21年  740名 → 563名 (-177名、76%)  1.76倍
22年  848名 → 632名 (-216名、75%)  1.98倍

船橋普通科は本来は7クラスですが、2014年から臨時定員増で8クラスになっています。
定員を増やしても、それを上回る人気のため今回の調査でも最高倍率の2.65倍を記録しています。

県千葉と同様に抜けるだけで流入がほとんどないため、80%を切ることもある志願率低めの学校です。
人気校なので、志望したものの実力が及ばないという受験生が、後になるほどたくさん抜けるという事情もあるでしょう。
志願率が80%なら、志願倍率は2.1倍に、昨年と同じ76%でも2倍に届きます。
今年の県船橋は実際の入試でも最高倍率になりそうです。


東葛 (定員240名、18年までは320名)
17年  518名 → 487名 (-31名、94%)  1.52倍
18年  630名 → 590名 (-40名、94%)  1.84倍
19年  435名 → 432名 ( -3名、99%)  1.80倍
20年  481名 → 433名 (-48名、90%)  1.80倍
21年  503名 → 436名 (-67名、87%)  1.82倍
22年  524名 → 466名 (-58名、89%)  1.94倍

東葛飾は地理的要因で他校に変更しにくいのか、志願率は県千葉や県船橋より高く90%台です。
昨年は1番手校で唯一、志望者増だったためか、やや多めに抜けて志願率は90%を切りました。
2019年より東葛飾中からの進学者で2クラス定員が減り、県千葉と同じ240名の定員となっています。
その19年は定員減で敬遠されたのか大きく志望者を減らしましたが、その後抜けた生徒はわずか3名で志願率は99%に達しました。

定員が少ないため、志願者が少し動くだけでけっこう倍率も動きます。
志願率が90%なら、志願倍率は1.96倍になります。
志願率が92%を超えてくると倍率は2倍を超えます、過去の志願率を見ると可能性はなくはないでしょう。


千葉東 (定員320名、18年までは360名)
17年  679名 → 618名 (-61名、91%)  1.72倍
18年  742名 → 701名 (-41名、94%)  1.95倍
19年  704名 → 612名 (-92名、87%)  1.91倍
20年  611名 → 518名 (-83名、85%)  1.62倍
21年  495名 → 428名 (-67名、86%)  1.34倍
22年  638名 → 550名 (-88名、86%)  1.72倍

2018年をピークに毎年志願者を減らしてきた千葉東ですが、今年は反転してきました。

学区ナンバー2で抜ける分と流入する分が相殺されるためか、志願率は県千葉ほど低くありません。
年による動きもけっこうあるため、予想の難しい学校です。
志願率が85~90%なら、志願倍率は1.7~1.8倍になります。


続いて2番手校を見ていきましょう。

佐倉 (定員280名)
17年  517名 → 467名 (-50名、90%)  1.67倍
18年  455名 → 453名 ( -2名、99%)  1.62倍
19年  539名 → 490名 (-49名、91%)  1.75倍
20年  482名 → 436名 (-46名、90%)  1.56倍
21年  495名 → 419名 (-76名、85%)  1.50倍
22年  529名 → 456名 (-73名、86%)  1.63倍

佐倉は東葛飾と同様に地理的要因で他校に変更しにくいのか、志願率は高く90%程度です。
18年に500名を大きく割り込んだときは、志願者がほとんど減らず驚異の志願率99.6%で倍率を維持しました。
ただ昨年は安全志向で多少敬遠されたのか、志願率85%と例年より低めでした。
それでも、倍率が大きく崩れることのない、安定した人気を保っている学校です。
志願率が90%程度なら、志願倍率は1.7倍くらいになります。


薬園台 (定員280名)
17年  500名 → 451名 (-49名、90%)  1.61倍
18年  393名 → 353名 (-40名、90%)  1.26倍
19年  394名 → 378名 (-16名、96%)  1.35倍
20年  384名 → 342名 (-42名、89%)  1.22倍
21年  379名 → 359名 (-20名、95%)  1.28倍
22年  367名 → 388名 (+21名、106%) 1.39倍

なかなか志願者低迷から抜け出せない薬園台ですが、今年も状況は改善されていません。
来年から校舎の大規模改修工事の予定があり、なんでこんな時にって感じです。
志願率が90~95%でも、志願倍率は1.2~1.3倍程度です。

ところで、船橋市内で薬園台の次になる船橋東も定員320名で志望331名(昨年は357名)と超危機的状況です。


市立千葉 (定員280名)
17年  535名 → 478名 (-57名、89%)  1.71倍
18年  443名 → 414名 (-29名、93%)  1.48倍
19年  521名 → 476名 (-45名、91%)  1.70倍
20年  549名 → 453名 (-96名、83%)  1.62倍
21年  566名 → 418名 (-148名、74%) 1.49倍
22年  551名 → 458名 (-93名、83%)  1.64倍

じわじわと志望者が増えてきた市千葉もこのあたりが天井でしょうか。
昨年はすぐ下の稲毛の倍率が低かったため、受験生が流れて志願率も倍率も下がりましたが、今年は例年並みの志願率に戻るかもしれません。
(もっとも、ここは例年並みなんてわからないほど志願率が動くのですが)
志願率が80%なら志願倍率は1.6倍弱、90%なら1.8倍弱になります。


小金 (定員320名)
17年  604名 → 567名 ( -37名、94%)  1.77倍
18年  618名 → 544名 ( -74名、88%)  1.70倍
19年  660名 → 560名 (-100名、85%)  1.75倍
20年  621名 → 535名 ( -86名、86%)  1.67倍
21年  599名 → 483名 (-116名、81%)  1.51倍
22年  763名 → 624名 (-139名、82%)  1.95倍

あれよという間に超人気校になってしまった小金ですが、志望者数がすごいことになっています。
ライバル校の(だった)県柏の倍率が低そうなので、多少は流れて志願率は下がるかもしれません。
(人気校になったので、もう90%なんて志願率にはならないでしょうね…人気があるほど出願であきらめる人数も多くなるので志願率は下がります)
志願率が80%でも志願倍率は1.9倍、85%なら2倍に届きます。


1・2番手校をざっと見てきましたが、これは過去のデータに基づいた予測にすぎません。
今年に特有の要因などはまったく考慮されていないので、想定外の動きをする場合もあります。
あくまでも参考程度に見てください。

昨年までの入試結果は進学研究会や総進図書のホームページに掲載されています。
1・2番手校以外について調べたい場合は参考にしてください。


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