さくら進学クリニック 『進学コラム』

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542.公立の過去問を解く際に

こんにちは、さくらです。

早いもので間もなく12月です、過去問研究は順調に進んでいますか。
今回は公立の過去問を解く際に気をつけて欲しいことを書きます。
(進学コラムでは通常は西暦を使っていますが、県の文書はすべて平成(令和)のため今回は元号を使っています)

下は千葉県の公立入試が前期・後期になって以降の前期の平均点です。
23年  258.9点
24年  258.4点
25年  232.3点
26年  251.9点
27年  266.5点
28年  257.5点
29年  276.1点
30年  294.3点
31年  279.6点

数字を並べただけでは変化がわかりにくいですが、グラフにしてみるとこんな感じです。

最も低かった25年以降、上、上、下、上、上、下、と見事なパターンで全体としては上昇傾向なのがわかります。
かつて入試が1回だった頃は平均点が300点前後でしたから、入試一本化に向けて300点を目指した動きなのかもしれません。
(このパターンでいくと、令和2年は一気に300点を目指してくるということでしょうかね(笑))

少なくとも、県は意識的に平均点を上げに来て(問題を易しくしようとして)いると見てよさそうですが、
毎年のように上下に動く様は(8年間横ばいがないわけですから)、入試一本化に向けて問題の難易度を試行錯誤しているとも思えます。

そういう状況で、2・3年分程度を解いて「公立の問題はこんな傾向」と判断するのは危険でしょう。
公立高校の過去問は声の教育社は4年分、東京学参は5年分が掲載されていますが、
少なくとも掲載分はすべて解いてみて、公立入試の変わっていく様を感じ取っておくべきでしょう。


合計点が動いていれば、教科ごとでも動いています。
特に変化が顕著なのは国語です。
ここ数年でどう変わってきたのか、県が公表している得点分布グラフで確認してみましょう。

この得点分布グラフは例年5月に発表される「千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」に掲載されています。
最新のもの(平成31年の)は、千葉県教育委員会ホームページの左サイドバーから
→ 「入試・検査」
→ 「平成31年度高等学校入学者選抜情報 」
→ 「28.平成31年度千葉県公立高等学校入学者選抜の結果について<報道発表>(令和元年5月29日)」と進み
平成31年度千葉県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果(PDF:1,941KB)」を見てください。


平成27年


90点以上 ほぼ0%  80点以上 約3%  70点以上 約13%
80点以上には90点以上を、70点以上には80点以上を含みます、以下「約」を省略します。
人数の比率(%)は私が目分量で読んだ数字で正確な数値ではありません、ご了承ください。

グラフは平均点付近を中心にきれいな三角形の山を描いています。
上位校受験者(高得点者)の得点状況を見ると90点以上の得点者はほとんどいないのがわかります。
80点以上でも受験生の3%しか存在していません。

27年前期の全受験者が39,310名ですから3%は約1,200名です。
公立御三家の受験者合計が1,598名なので、御三家でも80点に満たない受験生がけっこういたことがわかります。
反面、70点以上は13%もいて70点台の得点は難しくなかったこともわかります。

23年から27年までの5年間の国語はずっとこんな感じで、国語は高得点を取るのが難しい教科でした。


平成28年


90点以上 1%   80点以上 8%   70点以上 23%

27年では40〜50点台だった山のピークが、50〜60点台に少し右に動いています。
それでも、90点以上は全体の1%と少なく、まだまだ高得点を取るのは難しかったことがわかります。


平成29年


90点以上 2%  80点以上 13%  70点以上 34%

山のピークは完全に60点台に移り、27年と比べるとグッと右に寄った感があります。
80点以上が13%もいるので、80点台ならば佐倉・薬園台など2番手校でもゴロゴロいたはずです。


平成30年


90点以上 7%  80点以上 24%  70点以上 42%

山のピークは70点台になり、27年とはもはや全く別物のグラフになっています。
90点台が7%もいますから、むしろ高得点を取りやすい教科になったといえます。


平成31年


90点以上 1%  80点以上 6%  70点以上 18%

山のピークは50点台になり、一気に27年~28年に戻ったようなグラフになっています。
90点以上はわずか1%、再び高得点しにくい教科になったと言ってよいでしょう。


このように公立の国語はこの5年間で大きく難易度が変わっています。
27年~30年を見ると、県は難しかった国語を易しくしようとしたことがわかります。
しかし、31年を見ると「やっぱり前の形がいいか」と考えたのではとも思います。

いずれにしても、令和3年からの一本化に向けて試験問題のあり方を試行錯誤しているのでしょう。
だとしたら、再び易しくなることも、さらに難しくなることだってありうるでしょう。
上位校を目指す受験生は「傾向」なんて言葉を信じてはいけません、どんな問題が出ても「どんと来い」という気持ちでいましょう。

できるなら5年以上前の難しかった頃の国語も解いてみて、時間配分の厳しさを味わっておくとよいでしょう。
(8月のVもぎは時間が足りなくなる国語になっていて、受けた生徒はいい勉強になったように思います)


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