12月に入り、中学校での三者面談も、ほぼ終わった頃かと思います。
前回のコラムで「前期に受験する1校1校に対して、「合格だった場合」「不合格だった場合」を想定してみることが大切です。」と書きましたが、考えてみていただけたでしょうか。
受験生は(保護者もですが)自分に都合のよい予測をするものです。
もちろん、その通りの結果になればよいのですが、受験は何が起こるかわかりません。
不測の事態を想定しておくだけで、心理的ショックを大幅に軽減することができます。
ぜひ、考えておいてもらいたいので、例を挙げておきたいと思います。
設定は前回までと同じで、「県船橋高校(普通科)志望」の受験生(女子)の場合です。
前期併願パターンは「推奨パターン」の1月16日日大習志野、17日東邦大東邦、19日八千代松陰でいきます。
18日 東邦大東邦 発表
○→19日の八千代松陰は棄権、後期選抜は1校も受験しない(私立高受験はこれで終了)。
×→後期も東邦を受験
東邦が○なら、日習の合否はどうでもいいので、以下は東邦が×だった場合。
19日 八千代松陰 受験、日大習志野 発表
○→後期は東邦のみ受験
後期の東邦が○でも×でも、特色化・一般とも県船橋を受験。
×→後期は安全を考え27日に国府台女子(普)を入れ、28日東邦、29日日習のパターンで。
後期全滅(私立の合格校が八千代松陰のみ)の場合、公立は薬園台に変更する。
20日 八千代松陰 発表(ここは入試相談があるので合格します)
前期で日習が○なら、後期受験は東邦のみで、その合否は公立の受験校選択に影響しないので、以下は東邦・日習とも×だった場合の後期選抜。
29日 日大習志野 受験、国府台女子・東邦 発表
どちらかでも○→30日 県船橋に特色化願書提出
国府台女子・東邦とも×→特色化選抜の願書・志願理由書を薬園台用に準備。
特色化の願書受付が30日(金)〜2日(月)のため、実際には事前に準備しておくほうがよいでしょう。
もちろん、学校の先生にも「後期で国府台女子・東邦とも×なら、薬園台に変える準備をする」ことを伝えておきます。
(先生によっては、こういう変更の仕方をいやがる方もいると思います。特に特色化までは時間的にタイトなので、特色化は予定通り受験するように言われるかもしれません。あらかじめ(年内に)相談しておきましょう。)
2月1日 日習 発表
国府台女子・東邦に続いて日習も×だった場合、特色化の願書は薬園台に提出。(一般入試も薬園台で)
6日 特色化選抜 受験・・・と続く
県船橋志望の生徒が、日大習志野を不合格になる可能性は非常に低いと思いますが、試験当日カゼをひくなど何が起こるかわからないので、最悪の事態も想定しましょう。
前期で日大習志野を不合格になった場合、日習の後期は合格者数を絞る傾向にあるので、果たして大丈夫なのか不安が残るところです。
例に挙げたように、女子の場合は後期に国府台女子が使えますが、男子の場合は難しいところです。
後期は日習をあきらめて成田にする手もありますが、前回も書いたように成田はあらかじめ願書を出しておかねばなりません。
そのあたりは、十分考えておきたいものです。
私立の結果次第で公立を変えることは(第一志望を変えることになるので)、あまり薦められることではありませんが、最悪のシナリオを想定する中で考えておくのは悪くないと思います。
実際、県千葉や県船橋を志望していて、八千代松陰など「私立3」に進学することになる生徒は、毎年1人2人ではないでしょう。
「公立1」に行くつもりが「私立3」になってしまうと、不本意な高校3年間になります。(特に友人関係において)
高校は「通過点」ですから、第1志望校にこだわりすぎて「多大なるリスク」を犯す必要はありません。
「公立1」が無理そうなら、「公立2」に変更するほうが賢明です。(薬園台にも県船橋レベルの生徒はゴロゴロいます)
ただし、この時期、安易な(下への)志望変更は危険です。(モチベーションが大幅に下がってしまうので、実力も確実に下がります。)
変更は、あくまで私立の結果次第(1月中旬以降)でする想定にしておきましょう。(先生に相談すると、「どうせ下げるなら、今から下げてしまおうよ。」なんて言ってくる方がたまにいますので注意。)
特色化選抜以降の想定はしていません。
特色化選抜以降は、原則として受験校を変えるべきではないと思うからです。(一般入試の志願変更は別です)
たまに、特色化で不合格になったら、一般入試は志望を下げるという人がいますが、愚かな考え方だと思います。
そもそも、一般入試より特色化のほうが合格するのが難しいのです。
難しい方が駄目だったからといって、易しい方をあきらめるのはおかしな話です。
「八千代志望なんだけど、東邦落ちたから津田沼にしよう」というようなことです。
こういう考えを持つ人は、そもそも、はじめから自信がないのでしょう。
特色化の結果に背中を押して欲しいだけなのです。
それなら、特色化の段階で志望を落とすべきでしょう。
第1志望校にこだわりすぎて、みすみすチャンスを無駄にしないようにしたいものです。