さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

 千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです
 受験勉強のやり方など勉強に関するアドバイスは、もうひとつのブログ さくらweb進学塾 に掲載しています
 高校受験Q&A、上位校の入試状況などは さくら進学クリニック にまとめています

 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

 さくら進学塾のホームページ に進学コラム特別編「公立上位校受験は普通の高校受験とは違う」を掲載中です

 さくら進学塾では3月より新年度授業を開始しています
 現在、中2・中3生を募集しています
 詳しくは>>さくら進学塾のホームページ をご覧ください

進学コラム126「併願パターンの研究・後期編」

今回は「併願パターンの研究・後期選抜編」です。


前期・後期選抜も2度の入試をへて、後期選抜は「入学者数の調整」というカラーが濃くなってきたように思います。
実際、後期の定員は削られる一方で、今年も東邦・専大松戸芝浦工大柏・成田が後期の定員を削っています。
受験生側も、後期選抜とは「そういうものだ」という認識を持って併願パターンを立てていきましょう。


後期選抜が「入学者数の調整」的色彩を持つということは、前期の結果等で後期の合格者数が変わってくるということです。
例えば、市川の後期の合格者数は、一昨年が32名(定員20名)だったのに対し、昨年は172名(定員35名)と5倍以上に増えました。(定員も1.75倍になっていますが)
市川の場合は極端な例ですが、要するに、やってみないとわからない入試が「後期選抜」だということです。


また、募集定員の数字も、あまりあてにならないので注意してください。

昨年の例を挙げてみます。(数字は「市進の受験ガイド」より)


渋谷幕張(後期定員20名)合格者数128名(以下同様に表記)
市川      (35名)172名
東邦      (40名)158名
昭和秀英   (30名)191名
芝浦工大柏 (50名)76名
専大松戸   (50名)254名
日大習志野 (70名)145名
国府台女子 (10名)36名
成田      (120名)483名 ※成田の併願は後期のみ


渋谷幕張昭和秀英専大松戸は、定員に対して5倍以上の合格者を出している反面、芝浦工大柏は定員の1.5倍程度しか合格者を出していなかったりします。

これには受験者数も関係していると思われます。
合格者数の多い3校は受験者数も多く(渋幕427名、秀英500名、専松698名)、受験者が多ければ、辞退する人数も多いということでしょう。
対して、芝柏の受験者は132名。これでは100名を超える合格者は出せません。


このあたりは、学校ごとに傾向があるので、昨年・一昨年のデータを見て、合格者を多めに出す学校なのか探っておくとよいでしょう。


更に注意したいのは、前期の発表から後期の願書提出まで、日数が少ない学校が多い点です。


最もタイトな日程になる芝浦工大柏の場合、前期発表が20日、後期願書締切が21日と、1日の猶予しかありません。
前期入試前の15日までは郵送のみ受付で、前期発表後の20・21日は窓口のみ受付になっていますから、「前期の結果を見てから・・・」という受験生は、願書持参で発表を見に来いということでしょう。


渋谷幕張も19日発表、21日締切と2日しかありません。(ここも19日に限り窓口受付OKです。)
渋幕・市川・東邦・秀英の「私立1」は、渋幕の窓口受付を除くと受験料はすべて銀行振り込みです。
17・18日は土日なので、銀行で振り込んでから願書を郵送と考えると、3・4日あっても決して余裕はありません。
特に東邦は「22日必着」なので要注意です。
願書の受付はいつまでで、郵送なのか窓口なのか、受験料は振り込みなのか持参なのか、しっかり把握しておきましょう。


中学校の先生に調査書を用意してもらうことを考えれば、事前にパターンを組んでおかなければ、願書提出が間に合わなくなってしまう恐れもあります。
入試ギリギリになって、バタバタと慌ただしくするのも、受験生の心理を考えるとマイナスでしょう。

最終的な三者面談では、前期で○○高が不合格なら、後期は××高を受けるなど、細かいパターンをしっかり作って、中学校の先生に「しっかり」伝えましょう。
(もう終わってしまった人も心配は無用です。入試相談は12月中旬ですから、今から先生に相談しても十分間に合います。)


また、日大習志野(再受験無料、そのかわり締切は一般より1日早い)、昭和秀英(再受験半額)、専大松戸(2回受験でも3回受験でも同じ3万円)など、複数受験する場合には、受験料の優遇がある学校もあります。
無料なら再受験しないと「もったいない」感じがしますが、とらわれすぎるのもどうかとは思います。(特に日習は、後期はけっこう合格者を絞る傾向にありますから。)


さて、後期選抜を受験するということは、「前期で納得のいく結果を出せなかった。」、または、「前期で次善校に合格したので、後期でチャレンジ校を受けてみたい。」の、どちらかでしょう。

船橋受験者には、後者は少ないと思われるので、後期受験者=リベンジ組と考えて、パターンを考えてみたいと思います。(後期にしか併願入試のない、成田や千葉日大一を受験したいという場合もありえますが、県船橋との併願者は少ないでしょう。)


「前期で「私立1」のどこにも合格できなかった場合」


何度も書いているように、県船橋レベルの受験生では「私立1」の合格率は低いと思われるので、「私立1」のどこにも合格できなかったという事態は、十分に想定しておいたほうがよいでしょう。
その場合、まず、後期で「私立1」に再チャレンジするのか、あきらめて公立入試に向けて切り替えていくのかを、考えましょう。

後期選抜は、やってみないとわからない入試ですから、「博打」的な要素が強くなります。
予想外の結果が、良い方向にも悪い方向にも出る可能性がありますから、果敢に挑戦するのもよいのですが、1週間後には特色化選抜がやって来るので、後期に不合格を連発したら、意気消沈して特色化まで失敗となりかねません。
精神面で不安のある(弱気になりやすい)受験生は、「後期はパス」という選択もありだと思います。


再チャレンジしていくのなら、基本は「前期で受けた学校を受験する」でよいと思います。


昨年の「私立1」各校の後期倍率を見ると、


渋谷幕張 3.34倍
市川    2.43倍
東邦    2.42倍
昭和秀英 2.62倍

と、渋谷幕張を除き、ほぼ横並びです。


前期では東邦を薦めましましたが、後期では、倍率を見る限り、東邦を選択するメリットは感じられなくなっています。
今年は後期の定員が10名減りますから(影響はわずかだとは思いますが)、倍率が下がる可能性は低いでしょう。
前期では難しくなってきている市川も、昨年の後期は意外な狙い目になりました。


前期・後期も3回目になるので、一昨年のような混乱(異常な倍率)になる学校はないと思われます。
「私立1」を「チャレンジ」ととらえるのなら、(前期ほど難易度が読めないにしても)行きたい学校に挑戦してみる価値はあると思います。
ダメ元で挑戦できる(心臓が強い)なら、27日市川、28日東邦、29日渋幕という「強気」パターンも、「番狂わせ」を期待できるかもしれません。(前期よりは可能性があるでしょう)


「前期で「私立2」にも合格できなかった場合」


船橋志望者が、前期で「私立2」に合格できない可能性はかなり低いので、このパターンに当てはまってしまう人は少ないでしょう。(佐倉、薬園台志望の受験生なら、少なからず出てくると思いますが。)

この場合、前期が不本意な結果に終わっているはずなので、後期では必ず合格できる「次善校」を受験し、安心して特色化に臨めるようにしましょう。


船橋志望で「私立2」を考えると、やはり後期も29日日大習志野でしょう。(というより地理的に日習しかない)
日習は後期の定員が70名と多めですが、昨年・一昨年は定員のわりに人数(昨年の合格者は145名)を取ってくれていません。
前期のイメージで受験すると痛い目に遭う可能性があります。
再受験無料なので、やってみる価値はあるのですが注意は必要です。


29日には成田もあり、ここは一般入試が後期のみなので定員も合格者も多く、偏差値通り合否の読める学校です。
船橋志望者なら「限りなく安全校に近い次善校」なので、地理的に近くに住んでいれば日大習志野よりは薦められます。

ただし、成田は後期の願書締切が1月10日と前期選抜の前なので、前期の結果にかかわらず願書を出しておかなくてはなりません。
前期で上位の学校に合格した場合、受験料2万円は無駄になります。
それでも、前期に多少でも不安があるのなら、保険だと思って願書を出しておくのは悪くないでしょう。


女子なら27日国府台女子(普通科)が安心です。
入試相談ありの単願・併願推薦入試の前期と違い、後期は実力勝負の一般入試です。
定員は10名と少ないですが、県船橋志望者が(佐倉・薬園台志望でも)不合格になることは、まずないでしょう。
昨年は受験者44名、合格者36名(1.22倍)でした。
「私立2」レベルで、倍率が1倍台前半という学校は、ここ以外ありませんから、最後の安心材料としてお薦めします。
願書受付が23日までと、ゆとりがあるのもGOODです。


低倍率の続く、30日芝浦工大柏も狙い目です。
今年は前期に20名も定員を移していますが、前出のように元々合格者が少なめだったので、実勢に合わせたともいえます。
日程的に重複も少ないので、近隣に住んでいればお薦めできます。
ただし、これも前出のように、願書提出までの日程がタイトなので、出し損ねてしまわないように注意してください。


前期・後期と分けて書いてきましたが、皆さんが考える場合は前期・後期を通してパターンを考えましょう。
前期に受験する1校1校に対して、「合格だった場合」「不合格だった場合」を想定してみることが大切です。
すべての場合をフローチャートにして想定していくと、不本意な受験結果を招く可能性を限りなく低くできるでしょう。


また、公立高校の受験校を決めかねている場合、私立の結果を見て決めることもできるので、想定に入れてパターンを組むのもよいでしょう。
例えば、県船橋にするか薬園台にするか迷っているなら、「私立1」の合格を確保できるか(少しハードルが高いですが)、薬園台か八千代かであれば、日大習志野に合格できるか、などを最終的な判断材料にするものです。
ギリギリまで頑張ってみて、届かないようなら志望を下げるとはいっても、判断材料には困るものです。
最後に背中を押してくれる材料に、私立の結果を使うのは、すっきり決心しやすいのでお薦めです。


11月中には、私立の受験校は決めることを求められると思います。
十分に検討して、決めたら「はっきりと」先生に伝えてください。

 《コメントについてのお願い》
 ・コメントはできるだけ最近のコラムにお願いいたします、古いコラムにコメントしていただいても気づかない場合があります
 ・コメント欄はコラムに対するご意見やご質問、受験情報を書き込んでいただくものです
  読者のコミュニケーションの場ではありませんので、掲示板的な書き込みはご遠慮ください
 ・情報は中学校や高校からなど確証のあるものをお願いいたします、うわさ話などの不正確な情報は書き込まないでください
 ・受験勉強のやり方など勉強に関するご相談は「さくらweb進学塾」に書き込みをお願いいたします
 ・ネット上に個人情報をさらすことはトラブルの元になります
  ご相談以外で、成績、志望校、部活動などの個人情報を書き込まないようにしてください
 多くの受験生や保護者の方が見ています、他人を不快にしない、役に立つコメントをお願いいたします
 不適切なコメントと判断した場合、削除させていただく場合があります