こんにちは、さくらです。
県立船橋は千葉県の公立高校では県千葉に次ぐ難関校であり、倍率上位常連の人気校です。
その県船橋からどんな大学に進学しているのか、それを探っていくのが今回のコラムの目的です。
県船橋の公式ホームページには大学合格者数だけでなく進学者数も掲載されています。
多くの高校が公表している大学合格者数は「のべ」の合格者数です。
例えば1人で早稲田大の政治経済学部、法学部、商学部に合格すると「早稲田大3名」とカウントされます。
これでは実際にどこの大学に何名が進学しているのか知ることはできません。
県船橋のように進学者数まで公表してくれれば、実際の進学状況を正確につかむことができます。
県船橋では過去3年間のデータを公表しているので、3年間の進学者数から進学状況を探っていきたいと思います。
(数字はすべて県船橋高校の公式ホームページによります)
ここでは現役と既卒(浪人)を合計した数字を扱います。
現役と既卒をどう評価するかは人によりさまざまだと思います。
今回は「県船橋からどんな大学に進学しているのか」という点に的を絞りたいので、現浪込みで話を進めていきます。
ところで、今回のコラムの目的は「高校受験生に将来の展望を語ること」にあります。
高校や大学を序列化することが目的ではありませんので、このコラムに対するコメントは節度のあるものを望みます。
(趣旨に反すると判断したコメントは私の判断で削除いたします)
◎どこの大学に多く進学しているのか
まずは進学者数の多い大学を見ていきましょう。
県船橋で進学者数の多い上位10大学をあげてみます。(現浪込みの数字です)
2017年 大学進学者数345名、現役245名、既卒100名
千葉大 44名(合格者数47名)
早稲田大 32名(92名)
東京理科大 28名(125名)
筑波大 21名(23名)
東北大 20名(20名)
明治大 14名(97名)
北海道大 11名(12名)
一橋大 10名(10名)
東京外語大 8名(10名)
中央大 8名(45名)
2016年 大学進学者数320名、現役227名、既卒93名
千葉大 42名(合格者数48名)
早稲田大 27名(79名)
筑波大 23名(24名)
明治大 20名(87名)
東北大 14名(14名)
慶應義塾大 14名(31名)
東京工業大 11名(10名)
横浜国立大 9名(9名)
東京大 8名(8名)
大阪大 7名(7名)
一橋大 7名(7名)
北海道大 7名(8名)
2015年 大学進学者数329名、現役224名、既卒105名
千葉大 44名(合格者数47名)
早稲田大 33名(98名)
筑波大 25名(27名)
東京理科大 19名(105名)
明治大 18名(109名)
東京大 13名(13名)
慶應義塾大 13名(37名)
立教大 12名(73名)
東北大 10名(10名)
上智大 10名(42名)
国立では千葉大や筑波大に、私立は早稲田大や東京理科大に多く進学していることがわかります。
県船橋は「地元国立大や上位私立大に多く進学する高校」だといってよいでしょう。
◎超難関大への進学状況はどうか
東京大、一橋大、東京工業大といった国立の超難関大への進学数はどうでしょうか。
東京大 2017年 7名
2016年 8名
2015年 13名
一橋大 2017年 10名
2016年 7名
2015年 9名
東京工業大 2017年 7名
2016年 10名
2015年 9名
3大学合計 2017年 24名
2016年 25名
2015年 31名
東大は2年続けて1桁ですが、2012年まで2〜4名が普通だったことを考えればよくやっているといえます。
(これ以前の5年間の東大合格者数は、10年2名、11年3名、12年4名、13年9名、14年10名です)
「頑張れば超難関大にも行ける高校」になった印象を受けます。
ただし、国公立大医学部(防衛医大を含む)の合格者数は15年12名、16年5名、17年10名と決して多いとはいえません。
医学部への対策は今後の課題だといえるでしょう。
県船橋は理数科含めて8クラス編成ですから、超難関大に進学するためには「クラスで3・4番」まででなければ難しそうです。
旧帝大や、国公立大医学部への進学者を考慮しても、「クラスで7・8番以内」を維持している必要があるでしょう。
(現在は臨時定員増で全学年9クラスになっています)
県内では難関校といわれる県船橋でも超難関大に進学するのは容易ではないということです。
まわりと同じような高校生活を送っていては、とても達成できそうもありません。
県船橋からも超難関大を目指せるようになってきましたが、相当な努力は覚悟しましょう。
◎国公立大への進学状況はどうか
景気が厳しい中「大学は国公立に」という希望は多いと思います。
国公立大(防衛大学校など準大学を含む)への進学者数、進学率と、5名以上の進学者のいる大学を見てみましょう。
2017年 国公立大進学者187名、国公立進学率54%(大学進学者数345名)
千葉大 44名(合格者数47名)
筑波大 21名(23名)
東北大 20名(20名)
北海道大 11名(12名)
一橋大 10名(10名)
東京外語大 8名(10名)
東京大 7名(7名)
東京工業大 7名(7名)
京都大 6名(6名)
信州大 5名(6名)
神戸大 5名(5名)
東京学芸大 5名(5名)
2016年 国公立大進学者183名、国公立進学率57%(大学進学者数320名)
千葉大 42名(合格者数48名)
筑波大 23名(24名)
東北大 14名(14名)
東京工業大 10名(11名)
横浜国立大 9名(9名)
東京大 8名(8名)
一橋大 7名(7名)
大阪大 7名(7名)
北海道大 7名(8名)
東京外語大 6名(7名)
電気通信大 5名(5名)
2015年 国公立大進学者179名、国公立進学率54%(大学進学者数329名)
千葉大 44名(合格者数47名)
筑波大 25名(27名)
東京大 13名(13名)
東北大 10名(10名)
一橋大 9名(9名)
東京工業大 9名(9名)
お茶の水女子大 8名(8名)
北海道大 6名(6名)
横浜国立大 5名(6名)
進学先を見ると千葉大・筑波大など地元国立大の他に、前出の超難関大や旧帝大など難関大が多く入っています。
「国公立ならどこでも」というより、「勉強を頑張って、行きたい国立大に」という意志を感じます。
過去9年間の国公立大進学率(大学進学者のうち国公立大の割合)の変遷も見てみましょう。
09年41%、10年45%、11年42%、12年50%、13年53%、14年52%、15年54%、16年57%、17年54%
2012年を境に国公立進学率が上がっているのがわかります。
大学進学者の半数以上が国公立であることは、公立高校として立派な実績だといってよいと思います。
国公立進学率が上がっているということは、「早いうちに私立専願に走らない」指導が徹底されてきたということでしょう。
(私立専願が必ずしもいけないとはいいませんが)
県船橋に進学すると「国立大に進もう」という雰囲気があるのは間違いないでしょう。
◎県船橋志望の受験生へ
ここまで県船橋の進学状況を見てきて「県船橋は難関大学を目指せる高校になってきた」ことがわかります。
しかし同時に、県船橋から「難関大学への進学は甘くない」ということもわかると思います。
現役で国公立大や早慶など上位私立大に進学するためには、少なくとも上位50%に入っている必要があるでしょう。
県船橋を目指している受験生は「合格したら勉強はひと休み」などと思ってはいけません。
高校入学後もしっかり勉強して上位をキープする必要があることを頭に入れておきましょう。
(県船橋だけでなく県千葉でも東葛飾でも千葉東でも同じです)
上位50%に入るということは、高校受験では「前期選抜での合格を目指そう」ということです。
合格することだけを目標にせず、上位50%に入ることを意識して強い意志を持って頑張ってください。
(もちろん「前期がだめでも後期がある」という気持ちも必要です)