さくら進学クリニック 『進学コラム』

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668.公立高校進路志望調査を読む

こんにちは、さくらです。

昨日の新聞に「公立高校の進路志望調査」が掲載されました。
これは中3生の志望状況を調査した数字です。
調査は冬休み明けに行っているので、私立入試の結果によって動く生徒の分は含まれていません。
実際の願書提出状況とは異なりますので気をつけてください。

今回は、この調査結果から公立1・2番手校の入試傾向を読み取ってみたいと思います。


はじめに1・2番手校(普通科、小金は総合学科)の志望状況をまとめます。
後ろの(  )は前年の志望調査の倍率です。

県千葉 (定員240名)  志望者484名   倍率2.02倍 (2.26倍)
船橋 (定員320名)  志望者840名   倍率2.63倍 (2.65倍)
東葛飾 (定員240名)  志望者583名   倍率2.43倍 (2.18倍)
千葉東 (定員320名)  志望者556名   倍率1.74倍 (1.99倍)
佐倉  (定員280名)  志望者474名   倍率1.69倍 (1.89倍)
薬園台 (定員280名)  志望者441名   倍率1.58倍 (1.31倍)
市千葉 (定員280名)  志望者560名   倍率2.00倍(1.97倍)
小金  (定員320名)  志望者626名   倍率1.96倍 (2.38倍)

公立御三家は3校すべて2倍を超えています。
2番手校では市千葉がギリギリで2倍に届いています。

倍率だけでは状況が見えにくいので、過去2年間の志望者数と比較してみます。
一昨年(2021)→ 昨年(2022)→ 今年(2023)の順です。( )は前年比

県千葉  448名  → 542名 ( +94名) → 484名 ( -58名)   
船橋  740名  → 848名 (+108名) → 840名 ( -8名)
東葛飾  503名  → 524名 ( +21名) → 583名 ( +59名)
千葉東  495名  → 638名 (+143名) → 556名 ( -82名)
佐倉   495名  → 529名 ( +34名) → 474名 ( -55名)
薬園台  379名  → 367名 ( -12名) → 441名 ( +74名)
市千葉  566名  → 551名 ( -15名) → 560名 ( +9名)
小金   599名  → 763名 (+164名) → 626名 ( -137名)

昨年は+が多かったのが、今年は-が優勢という感じです。
昨年大きく増えた学校は大きく減少しています、まあ県船橋のような例外もありますが。
一昨年は新制度1年目で上位校は敬遠され、昨年は生徒が戻ってきましたが、戻りすぎた学校は調整されているのでしょう。


次に、過去5年間の「調査」と「実際の志願状況」を比較して、今年の傾向を考えていきたいと思います。
調査での志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率) 志願倍率 の順に記載していきます。(志願者数は2020年までは前期選抜の志願者数)

志願率とは私の造語で「調査での志望者数」のうち「実際に志願した数」の割合です。
志願者数 ÷ 調査での志望者数 ×100 で計算し、志望した生徒の何%が実際に出願したのかを示しています。

志望調査はあくまでも「志望」であり、実際には志望した生徒全員がその高校を受験するわけではありません。
上位校では模試や私立の結果などから志望を下げる生徒も出てくるので、実際の志願者数は調査よりも減るのが普通です。
そこで、高校ごとの志願者の減り具合を調べてデータを修正し、より精度の高い予想をしようというわけです。

実際に志願率を出してみると、学校ごとの特徴も見えますが、年ごとのばらつきも大きく予想は容易ではありません。
そのあたりもふまえて、あくまでも「おおまかな予想」として参考にしていただきたいと思います。
(正直言って、けっこう外します。過去のデータはあくまでも過去の傾向なのです)

ところで、2020年までは前期・後期の2回入試が行われていたので、倍率は定員が違うので参考になりません。
そこで、入試が1回だったらと想定して、志願倍率を 前期選抜の志願者数 ÷ 総定員 で計算し直しています。
実際の前期選抜の倍率とは異なりますのでご注意ください。


まずは1番手校から。

県立千葉 (定員240名)
    調査志望者数 → 実際の志願者数 (増減数、志願率)  志願倍率
2018年  524名 → 432名 ( -92名、82%)  1.80倍
2019年  539名 → 458名 ( -81名、85%)  1.91倍
2020年  528名 → 428名 (-100名、81%)  1.78倍
2021年  448名 → 359名 ( -89名、80%)  1.50倍
2022年  542名 → 425名 (-117名、78%)  1.77倍
2023年  484名 →

県千葉は千葉中からの進学者が2クラス分いるので募集定員が6クラスと少なく、構造的に高倍率になりやすい学校です。
トップ校のため、あきらめた層が抜けるだけで流入がないためか、志願率は低めで80%台前半が多いです。

昨年は94名増でしたが、今年は58名減少になっています。
昨年から始まった「思考力を問う問題」の実際の問題を見て、これはキツイと敬遠されたのかもしれません。
志願率が80%なら倍率は1.61倍、85%なら1.71倍です。


県立船橋 (定員320名)
18年  790名 → 672名 (-118名、85%)  2.10倍
19年  801名 → 631名 (-170名、79%)  1.97倍
20年  845名 → 650名 (-195名、77%)  2.03倍
21年  740名 → 563名 (-177名、76%)  1.76倍
22年  848名 → 632名 (-216名、75%)  1.98倍
23年  840名 →

船橋普通科は本来は7クラスですが、2014年から臨時定員増で8クラスになっています。
定員を増やしても、それを上回る人気のため今回の調査でも最高倍率の2.63倍を記録しています。

県千葉と同様に抜けるだけで流入がほとんどないため、80%を切るほどの志願率低めの学校です。
人気校なので、志望したものの実力が及ばないという受験生が、後になるほどどんどん抜けるという事情もあるでしょう。
志願率75%で倍率は1.97倍、80%だと2.10倍と2倍を超えます。(76.2%で2倍に届きます)
最近の志願率を見ると、2倍に届くか届かないかといったところでしょうか。


東葛 (定員240名、18年までは320名)
18年  630名 → 590名 (-40名、94%)  1.84倍
19年  435名 → 432名 ( -3名、99%)  1.80倍
20年  481名 → 433名 (-48名、90%)  1.80倍
21年  503名 → 436名 (-67名、87%)  1.82倍
22年  524名 → 466名 (-58名、89%)  1.94倍
23年  583名 →

東葛飾は地理的要因で他校に変更しにくいためか、志願率は高めで90%を超える年もあります。
2019年より東葛飾中からの進学者で2クラス定員が減り、県千葉と同じ240名の定員となっています。
その19年は定員減で敬遠されたのか大きく志望者を減らしましたが、その後抜けた生徒はわずか3名で志願率は99%に達しました。

長期低迷中だった薬園台を除けば、東葛飾は上位校で今年唯一大きく志望者数を増やしている高校です。
思考力問題の採用で敬遠されそうなものですが、人気が出る特別な理由でもあるのでしょうか。

定員が少ないため、志願者が少し動くだけでけっこう倍率も動きます。
志願率85%で倍率は2.07倍、90%だと2.19倍です、82.4%で2倍に届くので大台を越えそうです。
今年の最高倍率は県船橋ではなく東葛飾になるでしょう。


千葉東 (定員320名、18年までは360名)
18年  742名 → 701名 (-41名、94%)  1.95倍
19年  704名 → 612名 (-92名、87%)  1.91倍
20年  611名 → 518名 (-83名、85%)  1.62倍
21年  495名 → 428名 (-67名、86%)  1.34倍
22年  638名 → 550名 (-88名、86%)  1.72倍
23年  556名 →

学区ナンバー2で抜ける分と流入する分が相殺されるためか、志願率は県千葉ほど低くありません。
年による動きもけっこうあるため、予想の難しい学校です。

実際、昨年は+143名の大幅増、今年は-82名の大幅減と動きが激しくなっています。
今年は思考力問題で敬遠された面もあるでしょう。
志願率が85%なら倍率は1.48倍、90%なら1.56倍です、1.5倍前後の1番手校としては緩めの入試になりそうです。


続いて2番手校を見ていきましょう。

佐倉 (定員280名)
18年  455名 → 453名 ( -2名、99%)  1.62倍
19年  539名 → 490名 (-49名、91%)  1.75倍
20年  482名 → 436名 (-46名、90%)  1.56倍
21年  495名 → 419名 (-76名、85%)  1.50倍
22年  529名 → 456名 (-73名、86%)  1.63倍
23年  474名 →

佐倉は東葛飾と同様の地理的要因のせいか、志願率は高めで90%を超える年もあります。
志望者が少なかった18年は驚異の志願率99.6%で倍率を維持しました。
倍率が大きく崩れることのない、安定した人気を保っている学校です。

今年は志望者がやや少ないので、志願率は高めになるのかもしれません。
志願率が85%なら倍率は1.44倍、90%なら1.53倍です。


薬園台 (定員280名)
18年  393名 → 353名 (-40名、90%)  1.26倍
19年  394名 → 378名 (-16名、96%)  1.35倍
20年  384名 → 342名 (-42名、89%)  1.22倍
21年  379名 → 359名 (-20名、95%)  1.28倍
22年  367名 → 388名 (+21名、106%) 1.39倍
23年  441名 →

薬園台は上位校としてはあり得ない1.3倍程度の低倍率が5年も続いています。
しかし長いトンネルからやっと抜けそうな兆しが見えてきたといった感じでしょうか?
今年は2017年以来6年ぶりの400名越えです。
志願率が90%なら倍率は1.42倍、95%なら1.50倍です、これなら再び佐倉と競えそうです。


市立千葉 (定員280名)
18年  443名 → 414名 (-29名、93%)  1.48倍
19年  521名 → 476名 (-45名、91%)  1.70倍
20年  549名 → 453名 (-96名、83%)  1.62倍
21年  566名 → 418名 (-148名、74%) 1.49倍
22年  551名 → 458名 (-93名、83%)  1.64倍
23年  560名 →

市千葉は例年並みなんてわからないほど志願率が動く高校です。
今年も含めて、ここ5年は志望調査段階では550名前後でほとんど変わらないのですが
ふたを開けてみれば、年によって全く異なる倍率になっていたりします。

志願率が80%なら倍率は1.60倍、85%なら1.70倍です。
すぐ下の市立稲毛(普通)が定員120名で志望者119名なので、けっこう流れるかもしれません。
でも、実際はふたを開けてみるまでわかりません。


小金 (定員320名)
18年  618名 → 544名 ( -74名、88%)  1.70倍
19年  660名 → 560名 (-100名、85%)  1.75倍
20年  621名 → 535名 ( -86名、86%)  1.67倍
21年  599名 → 483名 (-116名、81%)  1.51倍
22年  763名 → 624名 (-139名、82%)  1.95倍
23年  626名 →

あれよという間に超人気校になってしまった小金です。
昨年は県船橋東葛飾かというくらいの高倍率になりました。
もう90%なんて志願率にはならないのでしょう。
(人気があるほど出願であきらめる人数も多くなるので、志願率は下がる傾向です)

さすがに今年は、昨年の高倍率が敬遠されたのか大きく志望者が減っています。
東葛飾の倍率が高いので流入が増えて志願率はやや上がるかもしれません。
志願率が80%なら倍率は1.57倍、85%なら1.66倍です。


1・2番手校をざっと見てきましたが、これは過去のデータに基づいた予測にすぎません。
今年に特有の要因などはまったく考慮していないので、想定外の動きをする場合もあります。
あくまでも参考程度に見てください。

昨年までの入試結果は進学研究会や総進図書のホームページに掲載されています。
1・2番手校以外について調べたい場合は参考にしてください。


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