さくら進学クリニック 『進学コラム』

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621.事例1「東邦大学付属東邦高校の場合」

こんにちは、さくらです。

前回は大学実績の見方を解説しました。
ただ、チェックすべき大学はわかったけど、高校が何を目指しているのかを読み取るというのはちょっと難しいなと思った人もいるかもしれません。
そこで今回は具体的な事例をあげてみたいと思います。
中学生が大学実績を見る際の参考になれば幸いです。


習志野市東邦大学付属東邦高校という学校があります。
5年前に高校入試を止めて完全な中高一貫校になったので、県内で唯一の高校受験で入ることのできない高校です。
そのため、今は高校受験ガイド本からも消え、受験生にはなじみのない高校になっているかもしれません。
以前は私立1番手校の一角として、県千葉や県船橋の次善校だったのですが・・・。(レベル的には市川と秀英の間といったところでした)

同校の今年の大学実績を、主にライバル校の市川や昭和秀英と比較しながら見たいと思います。

まずは国立大学から
東京大   東邦 3名  市川 22名  秀英 4名
東京工業大 東邦 7名  市川 11名  秀英 6名
一橋大   東邦 1名  市川 15名  秀英 8名
千葉大   東邦 25名  市川 38名  秀英 30名

偏差値どおり市川が強いです、東邦は東工大以外は秀英にも負けています。

続いて私立大学です
早稲田大  東邦 63名  市川 129名  秀英 79名
慶應義塾大 東邦 45名  市川 108名  秀英 48名
東京理科大 東邦 123名  市川 154名  秀英 93名

早慶も市川の圧勝です、東邦と秀英も頑張っているのは感じるんですが・・・。
東邦は理系に定評があるので、東工大理科大ではそこそこ結果を出せていますが、全体的にはパッとしない印象です。
高校入試を止めて「完全中高一貫にした意味はあったのか」と言われても仕方のない数字です。
県内私立1番手校は市川の強さばかりが目立ちます。

ただ、注意したいのは卒業生数です。
前回のコラムにも「市川は秀英の1.5倍も卒業生がいる」と書きました。

東邦 271名
市川 432名(東邦の1.59倍)
秀英 285名(東邦の1.05倍)

市川は卒業生が東邦や秀英の1.5倍以上いるのです。
卒業生数を考慮すれば、東邦は市川に対しても東工大理科大ではよくやっていると言えるでしょう。 
でも卒業生数を考慮しても、東大や早慶はまったく市川に及ばないじゃんと思うかもしれません。
その通りです。


ここでネタばらしをします。(県内私立校にちょっと詳しい人はもうわかってると思いますが)
東邦高校は医学部や薬学部を持つ東邦大学の付属校のため、医歯薬系への進学希望者が多いのが特徴です。
東邦大学医学部だけでも現浪合わせて21名が合格しています。(付属校なので内部進学も含みます)

そこで、医学部医学科の合格者数を見てみましょう

国公立大 東邦 20名  市川 18名
私立大  東邦 76名  市川 28名
昭和秀英はHPに医学部医学科19名とだけ記載されています(国公立と私立の合計だと思われます)

市川には卒業生が東邦の1.59倍いることを考慮すると、これは東邦の圧勝といってよいでしょう。
東邦は普通の進学校であることに加えて、医学部に強みを持つ高校なのです。
(たしかに市川には勝っているけど、人数的にはショボくない?と思うかもしれません。
 実は医学部は募集定員が少ないのです。慶応大学の場合、経済学部が定員1200名なのに対して医学部は110名です。
 どの大学の医学部も定員100名程度なので、医学部の実績というのはあまり数が出ないのです。)

特に私立大医学部については、県内では他の追随を許さないレベルだと言ってよいでしょう。
inter-eduの私立医学部医学科合格者数ランキングでは全国6位(現役合格率でも6位)となっています。
医学部志望なら早大や慶大の理工系学部は受験しないので、早慶の合格者数が少なめになるのも当然でしょう。
(慶大には医学部がありますが、こちらはそう簡単には合格できませんから)

医学部の実績というと国公立ばかり取り上げられがちですが、医師免許の取得が目的なら大学などどこでもよいのです。
家が開業医で、家業を継ぐために医学部を目指すのなら、国公立にこだわる必要はまったくありません。
県内トップ校の渋谷幕張や県千葉と比べても、渋幕の私大医学部合格者は45名、県千葉は39名なので東邦の圧勝です。
(卒業生数は渋幕は367名で東邦の1.35倍、県千葉は326名で1.20倍)

私大医学部は学費が非常に高額なため、受験できる人は限られてしまいます。
そのため、公立高校では私大医学部の受験者自体があまり多くないのではないかと思われます。
受験者が少なければノウハウも蓄積されないので、たまに受験者がいても「学校はあてにならない」ということになります。
(公立高校では医学部受験は国公立のみという生徒も多そうです、そうすると私立は理工系学部を受けて早慶の数が出るわけです)
東邦が高校入試を止めたことも、「もっと医学部受験に特色を出したい」ということが目的ならば理解できます。

ということで、東邦高校は東大や早慶の数はパッとしませんが、医学部では十分に結果を出していることがわかったと思います。
同校が医学部に強みを持つことは、ホームページで医学部の実績をあえて分けて掲載していることから容易に想像できます。
どの高校でも強みを強調してホームページを作っているので、そのつもりで見ていくとその高校が何を目指しているのかがわかってくるでしょう。
(だから、大学実績は受験ガイド本や週刊誌だけを見てはいけないのです。受験生は必ずホームページを見ましょう)

今回は高校入試を行っていない東邦高校をあえて取りあげました、大学実績の見方の例として参考にしてください。


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