こんにちは、さくらです。
公立上位校受験の手引きの3回目、「3.私立高校の入試システム」をお届けします。
3.私立高校の入試システム
千葉県の私立高校は選抜方法の違いで2種類に分けられます。
1.入学試験の成績で合否が決まる高校
2.中学校の成績をもとに、12月の入試相談でほぼ合否が決まる高校
1.のタイプの高校はいわゆる上位校で、私の知る限り普通科では
渋谷教育学園幕張・市川・昭和学院秀英・専修大学松戸・芝浦工業大学柏
日本大学習志野・成田・麗澤・千葉日本大学第一 の9校しかありません。
(国府台女子学院は英語科のみ1のタイプで、普通科は2のタイプです)
このタイプの高校はほぼ入試の得点のみで合否が決まります。
中学校の成績はほとんど(まったくといってもよい)関係ありません。
合否の目安に偏差値を使う意味があるのも、掲示による合格発表があるのも、このタイプのみです。
2.のタイプの高校は安全校として使われることの多い学校で、県内私立高校の大半はこのタイプです。
このタイプは中学校の成績が基準を満たしていれば、12月の入試相談でほぼ合格が約束されます。
逆に、基準を満たしていなければ安全校としての受験はできなくなります。
(高校によっては、相談を通さなくても受験すること(フリー受験)はできたりします)
入試の成績は合否にほとんど反映されないので、このタイプの高校に偏差値は意味がありません。
ただし、コース分けがある高校では、上位コースでの合格には入試での得点が重視されることが多いです。
例えば八千代松陰の場合、相談で内定がもらえるのは普通コースのみで、IGSコースでの合格には入試で合格基準を超える必要があります。
多くの受験ガイド本には入試相談の基準が掲載されています。
自分の成績が基準に達しているかどうか、早めに確認しておきましょう。
ここで入試相談について詳しく説明しておきます。
入試相談は公的な制度ではありません。
12月中旬に中学校の先生が受験予定の生徒の成績表を持って私立高校に出向き、一人ひとりの合格の可能性を相談するというものです。
そこで、「この生徒なら大丈夫」とか、「この生徒には入試で頑張ってもらわなくては」とか合格の可能性について確認するわけです。
(実際の現場を見たわけではないので、セリフはあくまでも私の想像です)
もちろん12月ですからまだ願書も出していません、これは中学校と私立高校の裏取引(言葉は悪いですが)ということになります。
相談結果の扱いは私立高校によってさまざまですが、OKをもらえば「ほぼ合格が内定される学校」(県内私立の大半はこのパターン)、「入試の点数に加点してくれる学校」など、いずれにしても「非常に有利」に受験できることになります。
入試相談の基準は、私立高校から「単願は9科○○以上、併願は○○以上」という具合にあらかじめ中学校側に通知されています。
その基準をもとに中学校では11月に三者面談が行われますので、入試相談のある私立の合否は三者面談の段階でほぼわかることになります。
逆にいえば、三者面談の行われる11月までには、入試相談のある私立高校についてはどこを受験するのか決定しておかなくてはならないわけです。
入試相談という制度は、中学校側にとっては事前に合格が読めることで浪人を出さずにすみ、私立高校側も早い段階から受験生を確保するという、いわゆる「青田買い」の効果があるわけで、双方の利害関係が一致した結果の裏取引ということができるでしょう。
あまり良いイメージは感じられない制度かとは思いますが、自分に有利になるように活用していければ心強い制度になるはずです。