こんにちは、さくらです。
12・13日で公立前期選抜を終えました。
結果は発表を見なければわかりませんが、残念な結果であれば後期に向けてすぐに動き出さなければなりません。
そこで今回は、前期選抜の受検状況から後期選抜の志願見通し(予想倍率)を考えてみたいと思います。
まずは簡単な予想倍率を出してみることからはじめます。
その学校の志望者 = 前期選抜受験者 だとするならば、前期の不合格者は後期選抜も受験すると思われます。
前期不合格者 = 後期志願者 と考えれば、 前期不合格者数 ÷ 後期定員 によって簡単な予想倍率を出すことができます。
ただし、前期発表前の現段階では前期不合格者数も正確な後期定員もわかりません。
そのため 前期不合格者数 = 前期受験者数 - 前期定員 で、 後期定員 = 総定員 - 前期定員 で計算しています。
(2日間を終えた後の正式な前期受験者数も執筆段階ではわからないので、1日目の受験者数を使用しています)
例えば、県立船橋高校なら
前期受験者数650名 - 前期定員192名 = 前期不合格者数458名
前期不合格者数458名 ÷ 後期定員128名 = 予想倍率3.58倍 といった具合です。
この段階では、倍率はかなり高めの数字になります。
実際には後期で受験校を変更する受験生もいるため、後期志願者数は前期不合格者数よりも少なくなるのがふつうです。
そこで、前期不合格者のうち後期も志願した生徒の割合を 後期志願者数 ÷ 前期不合格者数 = 再志願率 として計算し、
過去5年間の再志願率を参考に、後期志願者数を調整して倍率を予想してみたいと思います。
(実際の後期志願者には前期で他校を受験した生徒も含まれていますから、再志願という呼び方はふさわしくないかもしれません)
県立千葉 (前期倍率2.97倍、この倍率は前期受験者数÷前期定員で計算しています)
過去5年間の再志願率(年度の後の( )内は前期-後期の実質倍率)
後期志願者数 ÷ 前期不合格者数 = 再志願率(百分率に直しています)
2015年 (2.76-1.92倍) 196 ÷ 254 = 77.2%
2016年 (3.24-1.92倍) 211 ÷ 322 = 65.5%
2017年 (3.22-2.24倍) 231 ÷ 320 = 72.2%
2018年 (2.92-1.82倍) 197 ÷ 277 = 71.1%
2019年 (3.15-2.26倍) 218 ÷ 310 = 70.3%
県千葉は例年70%前後と再志願率が低めの学校です。
2015年が高めなのは、前期の倍率が2倍台とやや低かったため、後期も期待して再志願した生徒が多かったのだと思われます。
2016年に大きく下がっているのは、前年の低倍率を見て前期を受験したものの倍率が高かったため後期はあきらめたのでしょう。
2017年は前期倍率は前年とほぼ同じですが、前年の後期倍率が低かったのでやや強気の出願をしたと考えられます。
このように、前期の倍率や前年の後期倍率が低ければ再志願率は上がり、高ければ敬遠されて再志願率は下がる傾向があります。
2020年前期受験者数428名 - 前期定員144名 = 前期不合格者数284名
昨年の倍率はやや高めでしたが、前期倍率が3倍を切っているので、後期は例年並みの志願をしてくると考えられます。
そこで、再志願率を72%で計算してみます、
前期不合格者数284名 × 再志願率72% = 後期予想志願者数は204名になります。
後期予想志願者数204名 ÷ 後期定員96名 = 予想倍率2.13倍
県立船橋 (前期3.39倍)
2015年 (3.23-2.10倍) 277 ÷ 429 = 64.6%
2016年 (3.35-2.10倍) 284 ÷ 452 = 62.8%
2017年 (3.34-2.25倍) 301 ÷ 449 = 67.0%
2018年 (3.45-2.35倍) 311 ÷ 471 = 66.0%
2019年 (3.27-2.19倍) 283 ÷ 435 = 65.1%
県船橋は人気校ゆえに前期は挑戦組が多いようで、再志願率は毎年60%台でかなり低めになっています。
毎年高倍率が続き、再志願率が低いこともあって、倍率と再志願率との相関は見えにくい学校です。
2020年前期受験者数650名 - 前期定員192名 = 前期不合格者数458名
昨年とほぼ同じ65%が再志願すると、
前期不合格者数458名 × 再志願率65% = 後期予想志願者数は298名になります。
後期予想志願者数298名 ÷ 後期定員128名 = 予想倍率2.33倍
東葛飾 (前期3.01倍)
2015年 (3.02-2.56倍) 333 ÷ 387 = 86.0%
2016年 (2.78-2.04倍) 269 ÷ 341 = 78.9%
2017年 (2.49-1.87倍) 252 ÷ 286 = 88.1%
2018年 (3.04-2.52倍) 333 ÷ 392 = 84.9%
2019年 (2.99-2.09倍) 205 ÷ 287 = 71.4%
東葛飾は再志願率が80%台の年もあり、県千葉や県船橋に比べて高めの学校です。
地理的要因で他に抜けにくいことと、2番手の県柏・小金とのレベル差が大きいからと考えられます。
2016年は80%を割っていますが、前年の後期倍率がかなり高かったため弱気になる受験生が多かったと思われます。
2017年は前期が2.5倍を割るほど低めの倍率になりましたから、後期は強気の志願で再志願率が高くなっています。
2019年は併設中学からの進学者で定員が2学級減りました、そのため再志願率の傾向に変化があったかもしれません。
後期定員が128名から98名になり「後期は定員がかなり少ないから厳しい入試になるだろう」と敬遠された感は否めません。
(やっぱり定員が3桁と2桁とではイメージが違うでしょう)
2020年前期受験者数433名 - 前期定員144名 = 前期不合格者数289名
今年は前期受験者数が昨年とほぼ同じなので、再志願率もほぼ同じ71%で計算すると、
前期不合格者数289名 × 再志願率71% = 後期予想志願者数は205名になります。
後期予想志願者数205名 ÷ 後期定員96名 = 予想倍率2.14倍
千葉東 (前期2.68倍)
2015年 (2.84-1.92倍) 290 ÷ 397 = 73.0%
2016年 (2.91-1.90倍) 285 ÷ 412 = 69.2%
2017年 (2.80-1.84倍) 272 ÷ 389 = 69.9%
2018年 (3.18-2.01倍) 302 ÷ 470 = 64.2%
2019年 (3.15-1.98倍) 260 ÷ 413 = 63.0%
千葉東も県千葉、県船橋と同様に再志願率が低めの学校です。
千葉東は学区2番手なので、他校の影響を受けるため再志願率はやや読みにくくなっています。
2018年と19年は前期倍率が3倍を超えたこともあり、再志願率は例年より下がりました。
2020年前期受験者数515名 - 前期定員192名 = 前期不合格者数323名
今年は3年ぶりに前期3倍を割っていますので、2017年並の70%が再志願すると考えると、
前期不合格者数323名 × 再志願率70% = 後期予想志願者数は226名になります。
後期予想志願者数226名 ÷ 後期定員128名 = 予想倍率1.77倍
佐倉 (前期2.60倍)
2015年 (2.54-1.85倍) 213 ÷ 259 = 82.2%
2016年 (2.70-2.31倍) 268 ÷ 285 = 94.0%
2017年 (2.78-2.10倍) 248 ÷ 299 = 82.9%
2018年 (2.68-1.80倍) 212 ÷ 283 = 74.9%
2019年 (2.91-2.46倍) 276 ÷ 321 = 86.0%
佐倉は地理的要因で抜ける先があまりないためか、再志願率が高めの学校です。
2016年は前年の後期倍率が2倍を割っていたため、強気の出願になったと考えられます。
2018年は倍率が低かった薬園台に抜けたのか、再志願率が例年になく下がっています。
全体的には年によるばらつきが大きく、倍率と再志願率との相関の読み取りにくい学校です。
2020年前期受験者数436名 - 前期定員168名 = 前期不合格者数268名
今年は昨年が高倍率で、流出先になる薬園台の倍率が低いので、多めに抜けるかもしれません、
それでも2018年のような70%台の予想はしにくいので、再志願率を80%として計算してみると、
前期不合格者数268名 × 再志願率80% = 後期予想志願者数は214名になります。
後期予想志願者数214名 ÷ 後期定員112名 = 予想倍率1.91倍となります。
でも佐倉はちょっと読めないですね。
薬園台 (前期2.04倍)
2015年 (2.89-2.03倍) 242 ÷ 317 = 76.3%
2016年 (2.40-1.94倍) 221 ÷ 236 = 93.6%
2017年 (2.67-2.03倍) 239 ÷ 281 = 85.1%
2018年 (2.09-1.45倍) 165 ÷ 183 = 90.2%
2019年 (2.24-1.73倍) 195 ÷ 208 = 93.8%
薬園台は前期の倍率が低いと再志願率は高く、倍率が高いと低くという、わかりやすい傾向の学校です。
2018年と19年は前期の倍率が例年になく低かったため、再志願率はかなり高くなっています。
2020年前期受験者数342名 - 前期定員168名 = 前期不合格者数174名
今年も前期の倍率が低いため強気の志願が考えられます、再志願率を90%で計算すると、
前期不合格者数174名 × 再志願率90% = 後期予想志願者数は157名になります。
後期予想志願者数157名 ÷ 後期定員112名 = 予想倍率1.40倍
市立千葉 (前期2.68倍)
2015年 (2.57-1.71倍) 198 ÷ 264 = 75.0%
2016年 (2.14-1.61倍) 187 ÷ 191 = 97.9%
2017年 (2.81-1.92倍) 227 ÷ 304 = 74.7%
2018年 (2.45-1.74倍) 207 ÷ 244 = 84.8%
2019年 (2.82-2.04倍) 229 ÷ 306 = 74.8%
市立千葉は学区3番手ということもあってか、再志願率が年によって大きく動く学校です。
2020年前期受験者数451名 - 前期定員168名 = 前期不合格者数283名
昨年が高倍率で、今年の前期倍率も高めなので、再志願率を昨年とほぼ同じ75%として計算してみると、
前期不合格者数283名 × 再志願率75% = 後期予想志願者数は212名になります。
後期予想志願者数212名 ÷ 後期定員112名 = 予想倍率1.89倍
小金 (前期2.78倍)
2015年 (2.70-1.97倍) 266 ÷ 327 = 81.3%
2016年 (2.71-1.78倍) 241 ÷ 329 = 73.3%
2017年 (2.94-2.00倍) 270 ÷ 373 = 72.4%
2018年 (2.81-1.89倍) 244 ÷ 348 = 70.1%
2019年 (2.90-2.23倍) 286 ÷ 365 = 78.4%
小金は2015年まで普通科、2016年から進学重視の総合学科に変わっています。
再志願率は15年だけ80%を超えていますが、総合学科になってからは70%台前半で落ち着いています。
2019年は東葛飾の再志願率が下がった分、小金に流入して再志願率が上がったと考えられます。
2020年前期受験者数534名 - 前期定員192名 = 前期不合格者数342名
今年も東葛飾の倍率が高いので相応の流入があると考えて、再志願率を前年並みの78%として計算してみると、
前期不合格者数342名 × 再志願率78% = 後期予想志願者数は267名になります。
後期予想志願者数267名 ÷ 後期定員128名 = 予想倍率2.09倍
前期の辞退者が出て後期定員が増えたりして、実際の倍率は予想よりも下がることが多いように思います。
予想はあくまでも予想ですので参考程度に受け取ってください。
後期選抜は願書提出後に実際の倍率を見てから志願変更ができます。
倍率が気になるなら、最終判断は志願変更で行うのがよいでしょう。
予想倍率はそれまでの大まかな目安に使ってください。
進学コラムは前を見てアドバイスするブログのため、終わった入試については書きませんが、
公立前期の国語と理科について、さくら進学塾のホームページに一筆書きました。
興味のある方はのぞいてみてください。(ほとんど自慢(と営業)ですが)