さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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507.併願パターンの研究<実践編>

こんにちは、さくらです。
今回は併願パターンの研究<実践編>として、具体的に学校名をあげて併願パターンを考えていきます。


ここでは、県船橋が第一志望で、私立の結果にかかわらず県船橋に合格したら進学するという受験生の場合を考えます。
東葛飾や千葉東を志望している場合も、ほぼ同じような併願パターンになりますので参考にしてください。
(佐倉、薬園台など公立2番手校志望の場合も、私立1番手校の部分が変わるだけで参考にできると思います)


今回も公立1番手校を「公立1」、私立1番手校を「私立1」などと略します。(詳しくは前回のコラムをご覧ください)



併願パターンの前に主な県内上位私立高校の入試日程(併願のみ)を確認しておきます。
(入試相談のある学校はコラム内で紹介する学校のみ記載しています)


前期選抜

1月17日 市川 専大松戸 日大習志野 成田 麗澤 千葉日大一 国府台女子
1月18日 昭和秀英 専大松戸 芝浦工大柏 麗澤 八千代松陰
1月19日 渋谷幕張 芝浦工大
1月20日 八千代松陰


後期選抜

2月5日 市川 専大松戸
2月6日 昭和秀英 千葉日大一
2月7日 日大習志野



◎県船橋受験生の安全校


安全校は必ず合格できる学校でなくてはなりません。
公立1の受験生であっても、中学校の先生は入試相談のある学校の受験をすすめるでしょう。


船橋受験生の場合、地理的に考えると安全校は八千代松陰というパターンが最も多いと思われます。
八千代松陰は1月18日と20日のうち都合のよい日を選べるようになっています。
20日に受験すれば県内での重複はまったくありませんから、日程的にも使いやすい安全校だといえます。
(前回も書きましたが、前日までに上位の高校に合格してしまえば棄権してもOKです)


女子なら国府台女子学院や江戸川女子を安全校に使えるので選択の幅が広がります。


江戸川女子は入試相談を通せば2類での合格はほぼ約束されます。
(ただし県内校に比べると不合格が出ます、2・3類は本来はローマ数字ですが文字化けするのでアラビア数字で記載しています)
3類で合格するためには入試でそれなりの得点が必要ですが、県船橋レベルの受験生ならクリアできるでしょう。
国府台女子の選抜コースや八千代松陰のIGSコースも同様です)


江戸川女子は東京といっても江戸川を渡ってすぐの「ほぼ千葉」です。(国府台女子と京成線でわずか2駅違いです)
都外生向け併願推薦入試が県内私立前期の後(1月23日)にあるので併願作戦が立てやすく、県内の結果次第では棄権もできます。
また、手続き無しで公立まで待ってくれて延納金の必要もありません。(ただし、入学後の学費は東京価格です)


国府台女子・江戸川女子ともに、相談を通しても100%合格が約束されるわけではありません。
(2018年の国府台女子・普通科の併願推薦では受験者240名で2名が不合格になっています)
しかし、県船橋レベルの受験生が不合格になることはまずないでしょう。


両校とも早慶など難関私大の実績は私立2番手校に迫るレベルです。
考えようによっては、国府台女子や江戸川女子を安全校にすれば私立2の受験は必要ないともいえます。
女子校が嫌でなく、勉強面でも生活面でも厳しめの校風が嫌でなければ、両校はかなり使える学校といえるでしょう。
国府台女子は試験日が1月17日で多くの高校と重複するのが悩ましいところですが)



◎私立1と私立2を選ぶ


私立1は17日市川、18日昭和秀英、19日渋谷幕張と試験日に重複はなく、難易度も明確な差があるため選ぶのは難しくありません。
実力に自信があれば市川で、私立対策に多少の不安があるなら秀英でよいでしょう。
(秀英は対策しなくても大丈夫という意味ではありません)


市川も秀英も勉強面では面倒見のよい学校です、先生の指示にしたがって勉強すればしっかり実力がつくでしょう。
ただ、あれこれ指示されるのが嫌いな生徒には向かないかもしれません。


渋谷幕張はもはや「日本一の共学校」です、公立の次善校になるレベルではなくなっています。
公立と併願する学校というより、憧れて挑戦する学校だといえるでしょう。


私立2の主力は専大松戸日大習志野芝浦工大柏の3校です。
この3校は入試難易度に大きな差がないので、どこを選択してもよいでしょう。
併設大学の関係で専大松戸は文系志望が、日大習志野芝浦工大柏は理系志望が多いといわれています。
しかし、高校段階では気にするほどの違いはないと思ってよいです。


あえて言うなら、日大習志野理工学部キャンパス内にあるので大学の様子を日常的に見ることになります。
大学の様子を目にしていれば理工系への興味をそそる生徒も出てくるでしょう。
(そのせいかはわかりませんが、日大習志野はこの3校の中で併設大学への進学率が最も高くなっています)


専大松戸はE類(上位クラス)とA類(普通クラス)が選択できるので、E類で合格すれば多少の達成感を得ることができます。
また、E類の合格点に達しなくても、A類の合格点を超えていればA類で合格(スライド合格)することができます。
船橋受験生の場合、私立1の合格が得られないことも少なくないので、専松E類は単なる次善校以上の満足感をもたらしてくれるでしょう。
ただし、専松E類のようないわゆる「特進クラス」では部活動や指定校推薦などに制限があることが多くなっています。
出願する前にしっかり確認しておきましょう。


芝浦工大柏もグローバル・サイエンスクラス(上位クラス)とジェネラルラーニングクラス(普通クラス)の選択ができます。
(これって、もう少しわかりやすい名称にできないものでしょうかね)
専大松戸と同様にスライド合格があります。
2017年から5教科入試も選択できるようになったので、公立の前哨戦(練習試合)として使いやすいでしょう。


専大松戸芝浦工大柏は前期入試が2日間あり、「1日のみ」か「2日とも」かを選ぶことができます。
公立1志望の受験生なら2日とも受験する必要はほとんどないと思いますが、公立2志望なら日程が許せば2日とも受験すると安心でしょう。


日大習志野は他の2校と異なり試験が1日だけです。
スライド合格などのない一発勝負のため入試の透明度が高く、レベルの読みやすい学校です。


佐倉・成田方面の受験生なら、私立2として成田を選択するのも悪くありません。
倍率があまり高くならないので、合格の見込みやすい次善校になります。



◎私立後期をどうするか


ところで、併願パターンを考えるとき「私立後期を受験するのか」ということが重要になってきます。


千葉県の公立共通問題には「得点しにくい問題」が含まれており、高得点が必要な上位校では相当な勉強量が必要です。
しかし、私立後期と公立前期(2月12・13日)との間は1週間ほどしかなく、十分な公立対策を行うことは容易ではありません。


そのため、公立が第1志望なら私立後期は思い切って「切り捨てる」のもよい作戦です。
県内私立を結果にかかわらず前期で終えるようにすれば、3週間以上の時間を公立対策(特に理科・社会)にあてることができます。


県内私立の後期選抜は年を追うごとに合格者数が減っており、二次募集(欠員募集)的な色彩が強くなっています。
2017年には渋谷幕張芝浦工大柏が、2018年には成田・国府台女子が後期選抜を止めるなど、存在意義が薄くなっていることがわかります。
2019年は後期を止める高校はありませんが、日大習志野が定員を40名から20名に半減させています。


公立対策が手薄になるリスクを負ってまで後期を受験する価値は見出しにくくなってきているでしょう。
(もちろん価値の感じ方には個人差があります)
理科・社会の仕上がり具合にもよりますが、私立は前期で終了させて早めに公立対策に切り替えるのが得策だと思います。


ただし、昭和秀英は後期も5教科入試なので理社の対策が手薄になる心配はありません。(市川は後期は3科なのでダメです)
入試の感覚を養っておくという意味でも「秀英後期リベンジ」という作戦は悪くないでしょう。



◎理想的な併願パターンを考える


千葉県の私立上位校には悩むほど選択の余地はありません。
私立1・私立2・私立3(安全校)のうち決めやすいものから、とにかく決めてしまいましょう。
ひとつ決めてしまうと、日程的に残りはほとんど自動的に決まってしまいます。


入試相談のある私立3(安全校)は地域性や中学校の成績で限定されるので決めやすいでしょう。


例えば、安全校として国府台女子を選択すると、私立1は2日目の昭和秀英に限定されます。
国府台女子が安全校なら必ずしも私立2を受ける必要はないので 17日 国府台女子、18日 昭和秀英 でOKです。
私立2を受験したい場合は3日目に芝浦工大柏を入れることになるでしょう。


安全校を八千代松陰(20日)にした場合は、初日から3日目まですべて空くので思いのままに受験ができます。
実力に自信があるのなら 17日 市川、18日 昭和秀英、19日 芝浦工大柏、20日 八千代松陰 という強気の受け方もよいでしょう。


千葉市方面に住んでいる人は私立2は日大習志野のほぼ一択でしょう。(専大松戸芝浦工大柏は通学しにくいですから)
この場合も初日が先に埋まるので私立1は昭和秀英になります。


私立1の合格可能性をできるだけ上げたいのであれば、私立1は市川より昭和秀英がよいでしょう。
その場合は 17日 日大習志野or専大松戸、18日 昭和秀英、20日 八千代松陰 というパターンが一般的だと思います。
女子であれば 17日 国府台女子、18日 昭和秀英 でもよいですし、 18日 昭和秀英、23日 江戸川女子 でもよいでしょう。


いろいろと書き連ねてきましたが、学校選びは「本人の希望」が何より大切です。
特別な思い入れのある学校があれば、その学校を受験しましょう。
「合格しやすいから」という理由だけで学校を選んでしまうと、受験勉強に対するモチベーションが下がってしまいます。


思い入れのある学校を中心に組むのが、あなたにとっての「理想的な併願パターン」なのです。



※追記
私の考える併願パターンを書きましたが、考え方には個人差があります。
最終的な決定はご自身(ご家庭)の判断で行ってください。
また、この時期は説明会に参加されている生徒や保護者のほうが、私より最新の情報に詳しくなっています。
各高校についての詳しい情報を私に尋ねないようにお願いいたします。



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